ドクターにインタビュー

vol.22

[2]遺伝的素因+加齢+悪い生活習慣=インスリン抵抗性症候群

神野正雄 先生(ウィメンズクリニック神野院長)

神野正雄

[2]遺伝的素因+加齢+悪い生活習慣=インスリン抵抗性症候群

細川)
子を授かるには、自分が生きるのに必要とする以上の、いわば「溢れるほどのエネルギー」が必要だということですが、そのレベルのエネルギーを得るためにはどうすればよいのでしょうか?
Dr.)
まずは、エネルギーレベルに影響を及ぼす要素を3つ挙げます。まずは、DNA、すなわち、「遺伝的素因」があります。
細川)
もともと、プログラムされたものですね。
Dr.)
2つ目が加齢現象。
細川)
年をとればどんな人でも健康レベルが低下していきますね。
Dr.)
そして、3つ目が悪い生活習慣です。
細川)
遺伝的素因と加齢、そして、悪い生活習慣がエネルギーレベル、この3つが健康を左右する要素だと。
Dr.)
そうです。遺伝的素因と加齢、悪い生活習慣、この3つが重なるとインスリンという大切なホルモンの効き目が悪くなってしまうからです。インスリンの効き目が悪くなること、これが不健康を象徴するものと言ってよいと思います。
細川)
インスリン抵抗性ですね。
Dr.)
インスリン抵抗性というと、糖尿病を連想するかもしれませんが、糖尿病だけではありません。ほとんどすべての生活習慣病のリスクを高める、万病の元と言っても過言ではありません。インスリン抵抗性症候群とよばれています。
細川)
生活習慣病の根本的な背景にあるメカニズムだということですね。
Dr.)
img02.jpg糖尿病をはじめ、高血圧、脂肪肝、高脂血症、そして、脳卒中やがん、さらには、うつや認知症なども、です。不妊症の関連で言えば、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)にはインスリン抵抗性が深く関与しています。男性においても高血糖、高インスリンは精子を悪くします。
細川)
インスリンの効き目が悪くなることが、いろいろな症状や病態となってあらわれてくるのですね。そして、男女の不妊症も全く例外ではないと。
Dr.)
そういうことです。

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