ドクターにインタビュー
クラミジア感染症と不妊 ~検査と治療についての正しい知識
高橋敬一 先生(高橋ウイメンズクリニック院長)
ドクターに訊く、今回のテーマは、「クラミジア感染症」についてです。
近年、患者数が急増している最もポピュラーな性感染症で、女性の性感染症の約半分を占めると言われています。
セックスで感染しますが、最近ではオーラルセックスでのどに感染するケースも少なくありません。
クラミジア感染症そのものは、薬物療法で簡単に治り、命にかかわるものではありませんが、その後の後遺症が不妊や子宮外妊娠、慢性骨盤痛などの原因になることがあります。
この性感染症がやっかいなのは、感染してもほとんどの場合、自覚症状がないことです。つまり、本人も気づかないうちに感染し、そして、不妊の原因になることがあるというわけです。
ところが、クラミジアに限らず、性感染症については、誤解や思い込みが多く、正しく理解されているとは言い難い状況にあります。
そこで、不妊治療の専門医で、かつ、クラミジア感染症をご専門とされていらっしゃる高橋ウイメンズクリニック院長の高橋敬一先生にお話しを伺いしました。
vol.10 インデックス
国立金沢大学医学部卒、国立病院医療センター(現:国立国際医療研究センター)をへて虎の門病院へ。体外受精・胚移植や腹腔鏡などの内視鏡手術も手掛け、不妊症治療の中軸を担った。また、卵管癒着を起こし、不妊症の原因にもなるクラミジア感染症の研究も開始。 その後、米国ワシントン大学(シアトル)に留学。米国でもトップ10に評価される大学病院を有するワシントン大学で、一流スタッフの指導や交流の機会を得て、その考え方に感銘を受ける。クラミジア感染と不妊症との関連の臨床研究も行う。1996年に虎の門病院産婦人科に復帰。不妊治療が高度になるにつれて、クリニックの方が不妊症治療に専念し、患者さんの要望に応えられると考え、不妊症専門のクリニックの開院を決意。 1999年4月、千葉市に不妊治療専門『高橋ウイメンズクリニック』開院。現在に至る。
ドクターに訊く
ドクターにインタビュー
- 第25回 精索静脈瘤と男性不妊 〜精子の質を高めてパートナーの治療成績の改善を図る
- 第24回 子宮内膜症と不妊治療
- 第23回 納得のいく選択や決断のための“情報共有”について考える
- 第22回 老化促進物質AGEをターゲットにした不妊治療
- 第21回 不育症を正しく理解する~不妊症と不育症はひと続き
- 第20回 栄養と妊娠力
- 第19回 40代の不妊治療について考える
- 第18回 不妊治療の終結について考える
- 第17回 栄養と生殖機能の関連研究の第一人者に聞く
- 第15回 オーダーメイドの不妊治療とは?~あるべき不妊治療を考える
- 第14回 30代後半、40代からの不妊治療
- 第13回 不妊治療には、なぜ、“対話と物語”が大切なのか?
- 第12回 妊娠前からの食生活が子どもの一生の体質をつくる
- 第11回 妊娠しやすい思考ってあるのでしょうか?
- 第10回 クラミジア感染症と不妊 ~検査と治療についての正しい知識
- 第09回 ストレスフリーの不妊治療を目指して
- 第08回 体が本来持っている妊娠する力を取り戻す
- 第07回 酸化ストレスと男性不妊
- 第06回 質のよい卵を育むための生活習慣
- 第05回 不妊治療でなかなかよい結果が得られないとき
- 第04回 体外受精の後悔しない病院選びについて
- 第03回 ちゃんと知っておきたい薬のこと
- 第02回 妊娠しやすい夫婦生活とは?
- 第01回 不妊予防という考え方