ドクターにインタビュー

vol.20

栄養と妊娠力

佐藤雄一 先生(産科婦人科舘出張佐藤病院院長)

佐藤雄一

今回のテーマは、「栄養と妊娠力」です。

現代の日本は「飽食の時代」と言われています。ところが、それは食べ物の「量」が多いということであって、厚労省の国民栄養・健康調査などをみると、個人、特に若い女性にとっての栄養的な充足に繋がっているとは言えません。多くの選択肢の中で、正しい食べ方がなされていないということが窺えます。

その一方で、妊娠、出産に際しては、妊娠前からの栄養状態が、「妊娠しやすさ」や「妊娠、出産時のリスク」に影響を及ぼすだけでなく、出生児の成人後の体質にまで影響を及ぼすことが多くの研究でわかってきました。

そのため、お子さんを望む女性、将来、母親になる女性にとって妊娠や出産にふさわしい食生活をはじめとするライフスタイルを意識することが、ますます、大切になってきます。

その際に、「なにをどのように食べるべきか」について、拠り所にすべき研究報告が、年々、増えてはいますが、そのほとんどはアメリカやヨーロッパからのもので、日本では栄養と生殖についての疫学研究や臨床研究はそれほど行われていません。

栄養や食生活については、そもそも、食文化や人種、地域の違いが反映されるため、なにをどのように食べるべきかを考える場合、海外の研究報告については、そのままの内容を受け止めるわけにはいかないところがあります。

そこで、産科婦人科舘出張佐藤病院院長である佐藤先生にお話しをお伺いしました。

佐藤先生は、お産や不妊治療の臨床に携わりながら、「現在の日本人女性の栄養状態はどうなっているのか」を調べるべく、順天堂大学医学部との共同研究「卵巣年齢プロジェクト」をはじめ日本人女性の栄養と生殖機能との関連についての多くの研究を実施され、さらには、女性の健康のためのさまざまな啓蒙、啓発活動にも携わっておられる方です。

多くのカップルの参考にしていただけると思います。

vol.20 インデックス

★佐藤雄一先生 プロフィール

産科婦人科舘出張佐藤病院院長。高崎ARTクリニック理事。
順天堂大学医学部大学院卒業。順天堂大学付属病院勤務を経て、平成12年より産科婦人科舘出張佐藤病院勤務。生殖内分泌や腹腔鏡手術が専門。医学博士。順天堂大学産婦人科非常勤講師。日本産婦人科学会専門医。日本生殖医学会生殖医療専門医。日本産婦人科内視鏡学会技術認定医。

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