ドクターにインタビュー
オーダーメイドの不妊治療とは? ~ あるべき不妊治療を考える
安部 裕司 先生(CMポートクリニック院長)
ドクターに訊く、今回は、「オーダーメイドの不妊治療」というテーマで、あるべき不妊治療について考えてみたいと思います。
オーダーメイドの不妊治療とは、「患者さん、一人一人に合った不妊治療」とされています。
一口に不妊症と言っても、その原因や程度はカップルごとに千差万別であり、同じ治療法を適用することは、得られる効果にもバラツキが生じることから、そもそも、不妊治療はオーダーメイドであるべきであると言えます。
特に、最近は、不妊患者さんの平均年齢が30代後半から40代前半になり、年齢による卵子の老化が不妊症の主な原因と考えられる患者さんが増えているため、より、個々の患者さんの状態を見極め、それぞれにふさわしい治療計画を立てることが妊娠の確率を大きく左右するようになっています。
そのため、これまでになく、オーダーメイドの不妊治療が求められている状況にあるわけです。
ところが、オーダーメイドの不妊治療と言っても、明確な定義があるわけではなく、患者さん、一人一人に合った治療というだけでは、あいまいなところも多々あります。
そこで、患者さんごとの状況にあったオーダーメイド治療を行うという治療方針を掲げ、院長がすべての検査や治療を担当されていらっしゃる、神奈川県横浜市のCMポートクリニック院長の安部裕司先生に、先生が考えておられる「オーダーメイド治療」というものについてお話しをお伺いしました。
納得のいく不妊治療を受けるために、なにかを感じてもらえればと思います。
vol.15 インデックス
- 【1】同じドクターが患者さんを診るということ
- 【2】それぞれの患者さんにあった治療を提供するということ
- 【3】"体外受精にいく迄に妊娠してもらえるか"が腕の見せ所
- 【4】不要な治療を回避ための「レスキューICSI」
- 【5】あるべき不妊治療を目指して
大分県別府市生まれ。1983年東邦大学医学部卒業、東邦大学大学院医学研究科入学。その後、東邦大学医学部産科婦人科学第1講座研究生、医学博士取得(マウス体外受精卵の移植成績に及ぼす環境因子と子宮内膜相関の検討)を経て、1991年東邦大学医学部助手。その後、東邦大学医学部講師を経て、2002年東邦大学医療センター大森病院婦人科リプロダクションセンター長兼任。2006年CMポートクリニック開設、現在に至る。
ドクターに訊く
ドクターにインタビュー
- 第25回 精索静脈瘤と男性不妊 〜精子の質を高めてパートナーの治療成績の改善を図る
- 第24回 子宮内膜症と不妊治療
- 第23回 納得のいく選択や決断のための“情報共有”について考える
- 第22回 老化促進物質AGEをターゲットにした不妊治療
- 第21回 不育症を正しく理解する~不妊症と不育症はひと続き
- 第20回 栄養と妊娠力
- 第19回 40代の不妊治療について考える
- 第18回 不妊治療の終結について考える
- 第17回 栄養と生殖機能の関連研究の第一人者に聞く
- 第15回 オーダーメイドの不妊治療とは?~あるべき不妊治療を考える
- 第14回 30代後半、40代からの不妊治療
- 第13回 不妊治療には、なぜ、“対話と物語”が大切なのか?
- 第12回 妊娠前からの食生活が子どもの一生の体質をつくる
- 第11回 妊娠しやすい思考ってあるのでしょうか?
- 第10回 クラミジア感染症と不妊 ~検査と治療についての正しい知識
- 第09回 ストレスフリーの不妊治療を目指して
- 第08回 体が本来持っている妊娠する力を取り戻す
- 第07回 酸化ストレスと男性不妊
- 第06回 質のよい卵を育むための生活習慣
- 第05回 不妊治療でなかなかよい結果が得られないとき
- 第04回 体外受精の後悔しない病院選びについて
- 第03回 ちゃんと知っておきたい薬のこと
- 第02回 妊娠しやすい夫婦生活とは?
- 第01回 不妊予防という考え方