ドクターにインタビュー

vol.18

不妊治療の終結について考える

杉本公平 先生(東京慈恵会医科大学産婦人科講師)

杉本公平

ドクターに訊く、今回のテーマは「不妊治療終結について考える」です。昨今の晩婚化の影響で不妊治療を受ける女性の年齢が、年々、高くなっています。妊娠率に最も影響を及ぼすのは女性の年齢ですから、妊娠するまでに長い期間がかかってしまうカップルが増えているということになります。

不妊治療では、たとえ、体外受精などの高度な生殖補助医療を繰り返しても、必ずしも妊娠、出産が保障されているわけではなく、意を決して不妊治療をはじめても、全てのカップルがお子さんを授かって、不妊治療を終えられるとは限りません。

30代後半や40代で不妊治療をはじめた場合、運良く、お子さんを授かることが出来ればいいのですが、治療期間が長くなってくると、いつまで不妊治療を続けるのか、すなわち、「不妊治療の終結」について考えるようになります。

ところが、なにを目安に不妊治療を終結すればいいのか、決まった指標があるわけではないため、それぞれのカップルにとっての「治療の止め時」に悩むことになります。

そこで、不妊治療を受けるカップルの心のケアや不妊治療終結のためのサポートをライフワークとして取り組んでおられる、東京慈恵会医科大学産婦人科講師の杉本公平先生に、「不妊治療終結」についてお話をお伺いしました。

治療終結時期に悩むカップルだけでなく、不妊治療を受けている全てのカップルのお役に立てればと思います。

vol.18 インデックス

★杉本公平先生 プロフィール

産婦人科医師。東京慈恵会医科大学卒業。現在、東京慈恵会医科大学産婦人科講師。生殖部門チーフ。不妊症外来担当。専門は高齢不妊患者への治療及びカウンセリング、子宮内膜症合併不妊症例などの腹腔鏡手術。生殖医療専門医、腹腔鏡技術認定医、臨床遺伝専門医、不妊カウンセラーとして、日々、患者の診療にあたり、臨床経験から学んだ「グリーフ•ケア」や「スピリチュアル•ケア」に基づいた産婦人科医療に取り組んでいる。また、がん・生殖医療研究会のカウンセリング小委員会の委員長として妊孕性温存医療の必要な患者さんのカウンセリング体制構築に力を入れている。

■著書「誰も教えてくれなかった卵子の話」

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