ドクターにインタビュー

vol.24

子宮内膜症と不妊治療

桜井 明弘 先生(産婦人科クリニックさくら院長)

桜井 明弘

今回は、「子宮内膜症と不妊治療」というテーマで、産婦人科クリニックさくら院長の桜井明弘先生にお話しをお伺いしました。

子宮内膜症とは子宮内膜以外のところに子宮内膜ができてしまう病気です。ただ、その程度や状態はさまざまです。また、子宮内膜症は不妊症の原因になることがありますが、妊娠への影響も一様ではなく、完全には把握できないくらい複雑です。実際のところ、子宮内膜症があっても、何の問題もなく自然妊娠できることもあれば、不妊症を引き起こし、治療を繰り返しても、なかなか、妊娠に至らないということもあるというのが現実です。

そのため、子宮内膜症のある患者さんへの不妊治療においては標準的な方法はなく、それぞれの状況に応じた進め方や治療法を選択することになります。

その上、治療と言っても、子宮内膜症そのものの治療、すなわち、病変を小さくしたり、取り除いたりする治療と不妊治療、すなわち、妊娠を目指す治療が相反することがあるという悩ましさもあります。

つまり、子宮内膜症が不妊の原因になっている場合、あるいは、不妊の原因になっていると推測される場合、どのように妊娠を目指すべきか、ともすれば難しい選択を迫られることがあるというわけです。

このような状況では、正しい情報に接することもさることながら、子宮内膜症の治療にも、不妊治療、特に体外受精や顕微授精などの高度生殖補助医療の治療にも、豊富な経験を有するドクターにかかることがとても大切です。

そこで、産婦人科クリニックさくらの院長として一般不妊治療や体外受精、顕微授精などの高度生殖補助医療をこれまで25,000例、また、母校である順天堂大学やその関連病院で年間200件以上の腹腔鏡手術を手がけられてこられ、不妊治療と子宮内膜症治療をご専門とされていらっしゃる桜井明弘先生にお話をお伺いすることにしました。

このインタビュー記事が、お子さんを望まれる子宮内膜症の女性患者さんの「納得のいく不妊治療」の実現の一助になればと願っています。

vol.24 インデックス

★桜井 明弘先生 プロフィール

医療法人産婦人科クリニックさくら理事長・院長。医学博士。
1970年高崎市生まれ。1994年、順天堂大学医学部卒業。2000年同大学院修了。同大学院在籍中に、東京女子医科大学第2生理学教室に国内留学し、精子由来の卵活性化因子を研究、同研究で日本受精着床学会より「世界体外受精会議記念賞」を受賞。2006年より賛育会病院産婦人科管理医長、不妊診療のみならず、妊娠・分娩の管理を行う周産期医療、婦人科悪性腫瘍などの研鑽を積む。 特に、腹腔鏡下手術は、年間200件以上を手掛け、子宮筋腫や子宮内膜症などの、技術的に難しい症例も多く経験。2015年には女性のQOL向上を目指し、一般社団法人美人化計画を設立、代表理事に就任。著書に「あなたが33歳を過ぎて妊娠できない44の理由(幻冬舎)」「「データから考える不妊症・不育症治療 希望に応える専門外来の診療指針(メジカルビュー)(分担執筆)」がある。

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