ドクターにインタビュー

vol.10

クラミジア感染症と不妊 ~検査と治療についての正しい知識

高橋敬一 先生(高橋ウイメンズクリニック院長)

高橋敬一

【3】クラミジア感染と不妊

クラミジア感染の後の後遺症が卵管障害の不妊症を招きます

細川)
クラミジア感染症がどのように不妊の原因になるのでしょうか?
Dr.)
女性の場合、感染すると子宮頸管から卵管のほうまで菌が侵入し、そこに炎症をおこし癒着が起こります。癒着というのは炎症により臓器や組織同士がくっついてしまうことです。それで、既にお話ししたように、感染してもあまり症状が出ないため、本人も気づかないことが多く、治療されないまま放置されることになります。その結果、卵管周囲に癒着が進行し、卵管が変形したり塞がってしまったり、卵管采が働かなくなってしまうことによって排卵後の卵子を取り込めなくなり、不妊の原因になるのです。
細川)
感染によって進行した癒着が卵管閉塞やピックアップ障害を招いてしまうというわけですね。
Dr.)
そうです。クラミジア感染そのものではなく、その後遺症が不妊の原因になるのです。
細川)
不妊の原因としてはよくあるものなのでしょうか?
Dr.)
はい。女性の不妊原因で一番多いのが卵管に問題があるというケースなのですが、そのうちの8割がクラミジア感染だとする学説もあります。そのため、女性の不妊原因で最も多いのはクラミジア感染であるという見方も出来るわけです。
細川)
いずれにしても相当な頻度だということですね。
Dr.)
女性の場合、それほどクラミジアと不妊は密接な関係にあるのです。また、不妊だけでなく、子宮外妊娠の原因にもなります。 さらには、クラミジアに限りませんが、性感染症に感染していると、HIV感染の確率が3~5倍になったり、将来、子宮頚癌にかかる確率も5倍になったりすると言われています。
細川)
男性不妊との関係はどうなのでしょうか?
Dr.)
男性の場合は、輸精管が閉塞して無精子症になることがあります。ただし、男性でクラミジア感染が不妊の原因にまでなるのはそれほど多くはありません。
細川)
女性の場合も男性の場合もクラミジア感染の後遺症が不妊の原因になり得るということですね。

----- この章のポイント -----
・クラミジア感染による卵管周囲の癒着が卵管閉塞やピックアップ障害による不妊原因になる。

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