ドクターにインタビュー

vol.08

【5】体内の栄養環境の最適化のために

出居 貞義 先生(大宮レディースクリニック院長)

出居 貞義

【5】体内の栄養環境の最適化のために

細川)
これまでのお話で、私たちの身体に本来的に備わっているはずの 妊娠する力が低下している方が多いのは、 よい卵が育つためには不可欠な栄養素が十分に足りていないことが 深く関わっていることがよく分かりました。
Dr.)
ここを見ないままに不妊治療を繰り返すのは、 木を見て森を見ずと言っても決して過言ではないと思います。
細川)
全くの片手落ちであるというわけですね。 これらの栄養素をバランスよく摂るために、 患者さんにはどのような指導をなさっていらっしゃるのでしょうか?
Dr.)
食事指導や生活習慣の改善に力を入れています。 具体的には、主食にはなるべく玄米を食べることをお勧めしています。 玄米にはビタインB群やミネラル、補酵素類がバランスよく含まれているからです。 玄米食をなかなか食べられないという人には、 雑穀を混ぜる、麦飯を食べるのもいいと思います。 また、糠をたくさん使って麹菌で発酵させた「玄米発酵食品」は 非常に優れた食品ですので、外食で玄米が摂れないときなどには、 利用するとよいでしょう。
細川)
まずは、出来るだけ精製度の低い穀物を主食にするということですね。
Dr.)
そうです。 また、納豆やみそなどの発酵食品には消化酵素が含まれているので、 消化を助ける働きがあります。 私たちの食べ物の多くは加熱処理されていますので、酵素は枯渇気味ですが、 私たちの体を元気にするには酵素は必須のものです。
細川)
発酵食品を食べて酵素を補給するということですね。
Dr.)
また、コーヒーやお茶、清涼飲料水ではなく、お水を飲むようにしたいですね。
細川)
飲み物のことですね。
Dr.)
はい。朝起きてすぐ、食事の30分から1時間前に飲むようにするといよいでしょう。 そして、カフェインの摂り過ぎには注意が必要です。 また、飲み物で言うと、砂糖入りのジュースも控えめにすべきです。 砂糖入りのお菓子もそうですが、とにかく、白砂糖は体の中でエネルギーになる時に ビタミンB群や貴重なミネラルを消費してしまいます。 体温を下げるため冷え性の原因になります。
細川)
果糖が含まれる果物はどうでしょうか?
Dr.)
果物はビタミンやミネラルが豊富ですが、少量を、 食後ではなく、朝一番などの空腹時に食べるとよいでしょうね。
細川)
サプリメントについてはいかがでしょうか?いろいろな種類のものがあって、 どんなものがいいのか、迷っていらっしゃる方が多いようです。
Dr.)
そうですね。推奨できるサプリメントは、 酵母や乳酸菌などの発酵したものを主原料とするものです。 また、加工度の高い食品が体によくないのと同じように、 毎日摂るサプリメントも、加工度、精製度の高い、 合成された安価なサプリメントよりも、天然由来のものがよいでしょう。 体内での吸収度、活用度が高いことが分かっているからです。
細川)
合成原料よりも、身体との親和性の高い、 酵母などの天然由来原料のものがベターだというわけですね。
Dr.)
そうです。

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