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VOL.250 有害物質との賢い付き合い方を考える

2008年03月16日

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           妊娠しやすいカラダづくり

  2008/3/16 No.250
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http://www.akanbou.com
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このメールマガジンは、不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、
二人で話し合い、考えるうえでの道筋を整理したり、
自分たちで答えを出すためのヒントになるような、
そんな不妊に関するさまざまな情報を、出来る限り客観的な視点で、
毎週末、登録頂いた皆さんに配信しています。

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》今週の更新情報
》今週の特集:有害物質との賢い付き合い方を考える
》妊娠しやすいカラダづくり編集室から
》編集後記

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           今 週 の 更 新 情 報
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サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2008年3月12日 妊娠報告
4回の人工授精、3回の体外受精の後、思い切って転院して顕微授精で
http://www.akanbou.com/houhoku/houkoku-2008031201.html
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2008年3月10日 Q&A
受精卵がなかなか育ってくれません
http://www.akanbou.com/qa/qa.dr.imano-009.html
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2008年3月9日  編集長コラム
二人で力をあわせるために
http://www.akanbou.com/column/main.html
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上記の記事についてのご質問等は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
news-master@akanbou.com

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             今 週 の 特 集
            
       有害物質との賢い付き合い方を考える    
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有害な重金属や環境ホルモンは、
どの程度、男性や女性の妊娠する力に影響を及ぼすのでしょうか。

マスコミでも話題になることが多いようですし、
最近は、食品添加物についても盛んに取り上げられています。

こと、この類のリスクについては、
実際のところ、よく分からないことだらけで、
精神論や単なる"受け狙い"で語られることも少なくありません。

有害と言っても、例えば、食べればすぐにお腹をこわすというように、
すぐに、その結果があらわれるというものでもありません。

とにかく、よく分からないだけに、
どう判断し、どう行動すればよいものやら・・・、
といったところでしょうか。

結論から言えば、専門家の間でさえ、共通の見解は存在しません。

ですから、その対策においても正解は存在しないということになります。

それでは、現在進行形で生活している私たちはどう考え、行動すべきなのか、
有害物質と不妊の影響について考えてみることにしました。

まずは、女性への影響についての最新の研究報告から。

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子宮内膜症の女性はそうでない女性に比べて血中のカドミウム濃度が高い
http://www.akanbou.com/news/news.2008012601.html
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ヨーロッパ生殖医学会誌に発表されたアメリカの大学の報告で、
ショッキングな内容からか、多くのメールによる問い合わせがありました。

子宮内膜症の女性は、そうでない女性に比べて、
血中のカドミウムの濃度が高いことが判明したというのです。

アメリカの政府機関(国立保健統計センター)が実施した、
全米規模の調査(国民健康栄養調査)データから判明したとのこと。

★有害物質と子宮内膜症

子宮内膜症とは、子宮内膜組織が子宮以外のところにできる病気のことです。

子宮内膜組織そのものは悪いものではないのですが、
月経の度に同じように出血することで、
強い痛みを伴ったり、周囲の組織と癒着を起こしたりします。

癒着の場所やその程度によっては、
卵管が通りにくくなったり、
排卵された卵子が卵管に取り込まれにくくなったり、
また、卵子の質を低下させたり、着床を妨げてしまうことがあり、
不妊の原因にもなりえるといわれています。

おそらく、この病気のやっかいなのは、
その症状や程度、そして、どの程度、不妊の原因になっているのかが、
それぞれの女性によって、全く異なるということ、
そして、その正確な診断が難しいということでしょう。

また、内膜症がおこる仕組みも諸説あって、
その原因も、また、よく分からないとされています。

★相関関係があるからといって、因果関係があるとは限らない

今回の研究報告で、
子宮内膜症に悩んでおられる方の中には、
デトックスを決意された方も、もしかしたら、少なくないかもしれません。

真面目に考え、行動力のある方ほど、そう思われたかもしれません。

ただ、是非とも、知っておいて欲しい、大切なことは、
子宮内膜症とカドミウムに相関関係があるからといって、
必ずしも、それらに因果関係があるとは限らないということです。

カドミウムが人間の身体に入る経路は食品とタバコの煙の2つで、、
食品中のカドミウムについては厳しく規制され、管理されていることから、
血中濃度の変動に影響を及ぼすのは、喫煙習慣だとされています。

ただ、タバコを吸わない女性でも子宮内膜症があるわけですから、
その因果関係については、
今後の研究の成果を待つしかないということになりますでしょうか。

次に、男性への影響についての最新の研究報告です。

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農薬が男性の精子の数や運動率、DNAの損傷に及ぼす明確な影響は不明
http://humupd.oxfordjournals.org/cgi/content/abstract/dmm039v1?etoc
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アメリカのハーバード公衆衛生大学院の研究者が、
農薬が男性の精子の数や運動率、DNAの損傷に及ぼす影響について、
この15年間に報告されている20の疫学調査を総括、評価したところ、
首尾一貫した結論を得ることが出来なかったとのこと。

★有害物質と男性の生殖機能

この研究報告は、有害物質の影響について、全てを物語っているようです。

男性の不妊検査は、主には、精液検査だけで、女性に比べれば、手軽です。

ところが、検査方法の単純さに比べて、
その結果に影響を及ぼすものについては、決して単純ではありません。

その時々の健康状態や喫煙、飲酒の習慣、ストレスの有無、常用薬等、
精液の質は、さまざまな影響を受け、変動するものです。

そして、男性不妊の原因の約8割以上をしめる造精機能障害、
すなわち、精子を造る機能が低下しているうち、
約半分はその原因が不明です。

★女性にも、男性にも、有害物質だけのせいにするのは無理がある

このように、女性の子宮内膜症にしても、
男性の精子をつくる機能にしても、
そのメカニズムに影響を及ぼすものは多岐にわたっています。

そして、いくら人間の身体に有害な働きをする物質であったとしても、
不妊、或いは、不妊の原因になる病気の原因を、
特定の有害物質のせいにするのはどうしても無理があるようです。

でも、このことは、今だから言えるのです。

なぜかと言いますと・・・。

★これまでの共通した経緯とは?

女性についても、男性についても、
環境ホルモンや有害な重金属の生殖機能への影響については、
世界の注目を集めた有名な研究が注目されるきっかけになっています。

子宮内膜症と有害物質との関連が注目されるようになったのは、
1993年に発表されたアカゲザルの実験でした。

アカゲザルにダイオキシンを4年間与えたところ、
10年後に子宮内膜症が発症し、
ダイオキシンの投与量が多いほど内膜症が重症化したというのです。

この実験をきっかけに、ダイオキシンをはじめとする、
いわゆる"環境ホルモン"が内膜症の原因ではないかと疑われ出しました。

内膜症はエストロゲンによって増殖しますから、
環境ホルモンとは体内でエストロゲンのような働きをするという、
"理屈"も合致しています。

また、男性にほうにも、そんな研究報告があります。

1992年にデンマークの研究チームが、
世界の15000人の成人男性の精子数のデータを調査したものです。

それは、1930年代には、
1ミリリットル中に平均1億1300万個あった精子が、
1990年代には、半分の平均6600万個に減ってしまったというのです。

どちらも、1990年代にはじめという、
"化学物質の汚染が心配"されだした時代の気分も手伝ってか、
またたくまに、受け入れられたようです。

ところが、その後、有害物質と人間の生殖機能への影響について、
さまざまな試験や実験を繰り返されていますが、
その結果は、互いに矛盾する内容ばかりです。

もちろん、その理由として、
因果関係を検証するたの試験には限界があるからでしょう。

人間に対して、アカゲザルと同じような実験をすることは、
倫理的には、到底、許されるものではないからです。

それでも、こと、環境中の有害な物質の影響については、
どれもこれも、容疑者ではあるのですが、犯人とは言えないものばかりです。

原因が分からないということは、
たとえて言えば、頭の中のパズルに、
埋められないピースがあるようなものです。

そんなところに、ちょうど、当てはまりそうなピースを提示されると、
思わず、パズルが完成するかのように思ってしまうのでしょう。

専門家でさえそうなんです!

★賢い有害物質対策とは?

研究者は、ある意味、論文を書くことが仕事です。

ところが、私たちにとっては、時として、切実な問題です。

どこも悪いところがないにもかかわらず、
なかなか、授からない期間が長くなってくると、
頭の中のパズルを埋める"答え"を、無意識にも探してしまいます。

そんなところに有害な物質は、格好のピースになるのかもしれません。

でも、たとえ、"かたち"が似ているからといって、
惑わされてはいけません。

それでは、環境ホルモンや有害な重金属、
そして、食品添加物なんかと、
どのように付き合っていけばいいのでしょうか?

まずは、それらに対する姿勢として、

・取り立てて神経質になる必要は毛頭ない。

そして、体内に入れないために、

・あくまでも、可能な範囲で、避けるのがよい。

また、体外に排泄するために、

・自分の身体に備わった自浄、排泄機能を高める。

★自身に備わった自浄、排泄機能を高めるために

私たちに備わった自浄、排泄機能とは、
具体的には、有害な物質を、尿や便、呼気、汗によって、
体外に放出しているということです。

・肝臓をいたわる。
・きれいな水をたくさん飲んで腎臓から尿の排泄をたすける。
・野菜や果物をたくさん食べて食物繊維で腸を整える。
・1日のうちに何回かは、深く、ゆっくりとした呼吸を実践する。
・定期的に運動することで、しっかりと、汗をかく。

これらをバランスよく実行することで、十分です。

デトックスのサプリメントやサービスを利用する必要はありません。

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編 集 後 記
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妊娠するためには、
これは○、これは×と、
白黒つけるのは魅力的なことです。

取り入れるべきものと排除すべきものに明確に色分けすることは、
取りあえずは、気持ちのよいものです。

ところが、事は、それほど、単純なことではないようです。

同じもの、同じことが、
どんなときでも、○なんていうケースは稀で、
あるときには、○で、また、あるときは、×であるということのほうが、
圧倒的に、多数派なのかもしれません。

全ては、バランス、これに尽きるのではないでしょうか?

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] No.250
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・自社配信: 1,005部
・まぐまぐ: 5,789部
・合計部数: 6,794部(3月16日現在)
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【発行人】 細川忠宏(不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
【監 修】 西川 浩(医師・心斎橋中央クリニック院長)  
【WEB】 http://www.akanbou.com
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