HOME 》 コラム
 
 
 
 
 
★これまでの編集長コラムタイトルへ》》
 
 
先が見えなくなったとき、いったいどうしたらよいのか
 
2008/4/14
 

最先端の生殖医療技術を駆使して、
治療を繰り返しているにもかかわらず、
妊娠に至らないとなると、
“なぜ、妊娠できないんだろうか・・・”、
“なぜ、よりにも自分だけがこんなに苦労しなければならないのか・・・”、
心の中は、そんな「?」だらけになってしまうことでしょう。

いきなり、結論を言ってしまえば、
妊娠が成立しない、妊娠しても継続しない最大の原因は、
あなたのせいでもなく、パートナーのせいでもなく、誰のせいでもなく、
“たまたま”、つまり、“偶然”です。

そもそも、何の問題もない若いカップルが、
タイミングを合わせて性交渉をもったとしても、
妊娠が成立する確率は20%ちょっと、
要するに、70%以上は妊娠しないのです、そして、その原因は不明です。

また、排卵しづらいとか、卵管が通りにくい、
或いは、男性側で精子の問題で不妊を疑われた場合、
不妊原因に治療を施して、問題を取り除いたとしても、
依然として、すぐには妊娠に至らないケースは、決して、少なくありません。

なぜなのか?

それは、卵子や精子、または、受精卵に、ある一定の割合で、
染色体異常などの問題があるからだと考えられています。

原因は分かりませんが、到底、異常と言える状態ではありません。
敢えて言えば、ただ、“そうなっている”としか言いようがありません。

であれば、当事者としては、“どうしようもない”のでしょうか?

私たちなりに考えてみたいと思います。

◎“偶然”ということをどう解釈すればいいのか

偶然の反対は必然です。

1に1を足すと、必ず、2になる(必然)のか、
1に1を足しても、必ず、2にならない(偶然)のかの違いです。

偶然とは、1に1を足すこと以外にも、
結果を左右する要素が存在するということであると言えます。

つまり、見える(直接的な)原因と、
見えない(間接的な)原因が存在する、
言いかえると、私たちにコントロール可能な原因と、
私たちにはコントロール不能な原因が存在するということです。

仏教では、因(直接的な原因)と果(結果)の間には、
“縁”(間接的な原因)があるということ、
そして、結果とは、因と縁が合わさって初めて生じるものだと教えています。

タイミングを合わせて頑張ってみても、
また、人工授精や体外受精を繰り返しても、
妊娠することもあれば、どうしても妊娠しないこともあるわけです。

◎妊娠が成立しないことの本質をどう解釈すればいいのか

いかがでしょうか?

表面的には偶然の出来事に見えたとしても、
その裏側には、私たちには把握したり、コントロールできない、
複雑なシステムが存在しているようです。

ということは、一見、偶然なようでも、すべては必然、
つまり、起こるべくして、起こっていると言えなくもありません。

そして、大切なことは、
なぜ卵子や精子、受精卵に、
ある一定の割合で染色体異常があるのか、
その原因が、私たちには分からなくて、
そのことを私たちにはコントロール出来なくても、
染色体異常をもった受精卵は、結果として、妊娠しない、
あるいは、たとえ、妊娠が成立したとしても、継続しないということは、
受精卵にとって、そして、その両親にとって、
本当は、悲しむべきことではなく、
有利なこと、感謝すべきことであるということです。

なぜなら、染色体異常を抱えたまま、生まれてきたとしても、
本人や両親、そして、社会の負担やリスクはとてつもなく大きいからです。

要するに、妊娠が成立しないことの本質は、
母なる大自然、または、神様と言えばよいのか、
いろいろな表現方法があるのでしょうが、
私たちに“よかれ”と思ってのことだということです。

◎人事を尽くして天命を待つということ

“そうなっている”こと、
そして、母なる大自然の良心の下では、
よい結果に巡り合うためには、
出来るだけよい原因を揃えておいて、ご縁を待つことです。

“人事を尽くして天命を待つ”ということです。

具体的に言えば、
どうしようもないことでも、諦めるということでもありませんし、
反対に、自力で、頑張って、どうこうしようとすることでもありません。

一言で言えば、じたばたしないということです。

特に、治療を繰り返しても、繰り返しても、結果が出ないときほど、
もっと、頑張って、どうにかしようとするのが人情なのですが、
そんな時ほど、言ってみれば、“流れに逆らわない”のが得策なようです。

何と言えばよいのか、
大きな“流れ”のようなものがあって、
うまくいかない流れがある時は、
何を試みてもうまくいかないように思えてなりません。

かえって、人間の無力さを思い知らされるだけのように思います。

それは、その時々の体質的なものがあるのか、よく分かりませんが、
ただ、そんな流れみたいなものがあることは間違いありません。

治療を繰り返しても、
ことごとくうまくいかなかったにもかかわらず、
しばらくして、ひょこっと、自然妊娠するということが、
少なからず、あります。

ストレスの影響によるものだけなのでしょうか、
これまで、論理的に納得できる説明を聞いたことがありません。

ただ、“流れが変わった”としか、適当な言葉が見当たらないのです。

であれば、流れに逆らわないことが、
結局は、いい結果を得ることになると言えるのかもしれません。

◎子どもは“授かるもの”であるならば

子どもは、つくるものではなく、授かるものであるとされています。

普段、何気なく使っている“授かる”という言葉ですが、
改めて、“授かる”ということの意味を考えてみたいと思います。

まずは、“授かる”時期は、
授けるほうが決めることであって、
授かる側の希望や都合を聞き入れてくれるわけではありません。

そして、“授かる”ということは、
授かるほうが、手を伸ばして、獲得しに行くことではなく、
授かるための受け入れる環境を整え、そして、待つということです。

さりげなく、かつ、積極的な、受け身とでも言えばよいでしょうか。

◎今を、いかに、楽しく生きるか

そうなっていること、自然の理を、不幸とは呼べません。

そして、誰にでも起こること、
すなわち、年をとること、それに伴って、老化していくことは、
生き物としては、至極、当たり前のことで、
それこそ、意味もなくハッピーなことなのかもしれません。

長い人生において、いつ授かるのか、
また、授かるのか、授からないのかは、
二人にとって、ハッピーな人生かどうかとは別次元のことです。

人生において、起こること、起きることが、
二人にとって、よいことなのか、悪いことなのか、
いったい、誰が、どの時点で、判断を下すのでしょうか?

授かるのにマイナスであるとされていることは遠ざけて、
プラスになるとされていること、
自分たちでプラスになりそうだと思うことを取り入れて、待つ。

そして、頑張ってやるべきことは、
今を、いかに、楽しく生きるかということに、
全力で、知恵を絞り、努力することではないでしょうか。

私たちはそう確信しています。

 
 
▲ページトップへ戻る
 
★「編集長コラム」へのご感想やご意見は、こちらからお寄せ下さい。
 
 
2003/12/27 お子さんは?攻撃
2004/02/01 焦りが、“不必要かもしれない治療”を決意させる
2004/03/14 どこまで不妊治療を続ける?
2004/04/03 新たな“始まり”の季節に
2004/04/15 キーワードは、“気持ち良い”
2004/05/15 卵子の質のせいばかりでもない!?
2004/06/05 不妊治療は何を治療する?
2004/07/03 妊娠しやすいカラダづくりの落とし穴
2004/07/10 女性の身体に在る力
2004/07/17 見抜く眼
2004/08/19 効く情報
2004/09/11 世界初の“試験管ベイビー”のその後
2004/10/02 “自然にかえる”ということ
2004/10/23 何をもって治療の成功とするのか?
2004/11/21 病院選びに大切なこと
 
2005/01/08 祈れば妊娠率アップ?
2005/01/22 66歳の女性の出産報道に見る“大きな勘違い”
2005/01/29 体外受精に関するデータにみる“数字のマジック”
2005/02/05 一体、何を頑張るの?
2005/02/12 メラトニンの摂取で生殖障害?
2005/03/26 リスク(危険)とベネフィット(恩恵)を比較する
2005/04/28 自己決定とは言うものの・・・
2005/05/28 不妊情報への接し方
2005/07/19 不妊治療に入る前に知っておきたいこと
2005/08/01 「不妊治療のいい病院」について考える
2005/09/02 妊娠スイッチのОNとОFF
2005/10/22環境中の有害物質について考える
2005/11/20治療方法を選択するうえで・・・
2005/12/29夫婦間の“ギャップ”を克服する
 
2006/02/26自分のカラダに備わった自然のメカニズムを信じたい!
2006/03/20自分たちらしい選択とは?
2006/04/16 妊娠報告に教えられること
2006/04/16 結果をコントロール出来るなどと思わぬこと
2006/04/22 焦ったり、慌てたりするのは
2006/05/06 自らを責めることなかれ
2006/06/04 理不尽さを嘆くことなかれ
2006/06/11 答えを待つことなかれ
2006/06/30 体外受精という方法について
2006/07/09 “思考”よりも“情動"を大切にしたい
2006/08/20 不妊治療施設調査から
2006/09/17 複雑な世界の単純な法則
2006/10/08 メールマガジン創刊4年目を迎えて思うこと
2006/11/11 年を取ることは素晴らしいことでもあるはず
2006/11/18 見えない敵を排除するために
 
2007/01/13 What(何を)ではなくHow(どのように)
2007/01/28 不妊の原因は相対的なもの
2007/02/11 何を信じていいのか分からないということについて
2007/02/24 不妊治療は夫婦の絆を強くする
2007/03/10 幸せのセットポイント
2007/03/18 代替医療について考える
2007/03/25 母なる大自然
2007/04/29 不妊という危機にいかに対応するか
2007/05/06 正解のない応用問題にどのように答えをだすのか
2007/06/24 不妊経験が育む信じる心
2007/07/15 本当に“知らぬが仏”なんだろうか?
2007/08/12 それぞれにベストなタイミングがあるという説
2007/08/26 カミングアウトについて考える
2007/09/16 何があなたをそれほど苦しめるのか?
2007/10/07 赤ちゃんを“待つ”ということ
2007/11/18 不妊治療をリーリスクハイリターンにする秘訣を考える
2007/12/02 何のための不妊治療なのかを考えさせられたこと
2007/12/16 妊娠法ではなく、妊娠体質
 
2008/01/13 好き嫌いも大切な判断基準
2008/02/10 自然体で臨むということ
2008/03/09 二人で力をあわせるために
 
   
▲ページトップへ戻る
             
妊娠しやすいカラダづくりとはお問い合せ運営会社案内免責・プライバシー
CopyrightC 2004 LIFE CARE MANAGEMENT.Co Ltd. All Right Reserved.
掲載コンテンツの無断複写・転載はご遠慮下さい。