メルマガ

VOL.207 矛盾する情報との接し方を考える

2007年05月20日

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
           妊娠しやすいカラダづくり

  2007/5/20 No.207
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
http://www.akanbou.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
このメールマガジンは、不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、
二人で話し合い、考えるうえでの道筋を整理したり、
自分たちで答えを出すためのヒントになるような、
そんな不妊に関するさまざまな情報を、出来る限り客観的な視点で、
毎週末、登録頂いた皆さんに配信しています。

-[INDEX]------------------------------------------------------------

》今週の更新情報
》最新ニュース解説
》妊カラフォーラム「矛盾する情報への接し方を考える」
》妊娠しやすいカラダづくり編集室から
》編集後記

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
           今 週 の 更 新 情 報
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
--------------------------------------------------------------------
2007年5月19日 Q&A
夫の服用している薬が不妊の原因になっているのでしょうか?
http://www.akanbou.com/qa/qa.2007051901.html
--------------------------------------------------------------------
2007年5月17日 最新ニュース
妊娠前は葉酸だけでなく、ビタミンB12も摂取すべき
http://www.akanbou.com/news/news.2007051701.html
--------------------------------------------------------------------
2007年5月16日 編集長コラム
母なる大自然
http://www.akanbou.com/column/main.html
--------------------------------------------------------------------
2007年5月15日 妊娠報告
これでダメなら休もうと覚悟を決めて受けた体外受精で
http://www.akanbou.com/houhoku/houkoku-2007051501.html
--------------------------------------------------------------------
2007年5月14日 あなたの声を聞かせて!
言われて嬉かった言葉【001〜016】
http://www.akanbou.com/voice/voice-000.html
--------------------------------------------------------------------

▼最新ニュース解説

★葉酸はビタミンB群として摂取するのが望ましい

厚生労働省は、妊娠を予定している全ての女性は、お子さんの先天性異常の
予防のために、ビタミンB群の一種である葉酸を摂取することを推奨してい
ます。
http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1212/h1228-1_18.html

葉酸を摂取することの大切さは徐々に知られてきたようですが、さて、どの
ように摂取するのが望ましいのかとなると、まだまだ、漠然としてしか知ら
れていないのかもしれません。

葉酸摂取のポイントを整理してみましょう。

◎妊娠が判明してからでは遅い

先天性異常の多くは、妊娠直後から妊娠10週以前に発生しています。特に
中枢神経系は妊娠7週未満に発生することが知られています。ですから、妊
娠が判明してから葉酸を摂取することを意識しだしても、時、すでに、遅し、
となるわけです。実際のところ、妊娠直後に葉酸の血中濃度を高めておくた
めには、妊娠の1ヶ月以上前から葉酸を摂取しておく必要があるのです。で
すから、具体的な葉酸の摂取スタートは、妊娠を希望したその日から、とい
うことになります。

◎葉酸はサプリメントで摂取するのが望ましい

葉酸は、その字の通り、ほうれん草等の葉っぱに豊富なのですが、特徴とし
て、熱に弱く、調理に際して50%近く、壊れてしまったり、水溶性のため
にゆで汁に溶け出してしまうため、調理途中で失われやすいのです。

ですから、どうしても食事からだけでは、厚生労働省が推奨する1日の摂取
量をまかなうのは、心もとないものです。

やはり、葉酸はサプリメントで摂取することがよいとされています。

◎ビタミンB群として摂取するのが望ましい

アメリカのコネティカット大学の栄養学者、スモーリン教授は、ビタミンB
群は、典型的なチームワーカーであり、グループ内で力を発揮し、単独では
あまり効果がないと強調しています。ですから、ビタミンB群の一種である
葉酸は単独で摂取するのではなく、ビタミンB群として摂取するのが望まし
いというわけです。

--------------------------------------------------------------------
上記の記事についてのご質問等は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
news-master@akanbou.com


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
            妊カラフォーラム 

        "矛盾する情報への接し方を考える"  
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
妊カラフォーラムでは、
読者の方からの感想やご意見、ご要望をご紹介したり、
さらには、ちょっとした質問や相談にお答えしたりします。

先週からスタートした「妊カラフォーラム」は、
月1回の連載を予定していますが、
多くのメールをいただいていますので、
先週に引き続き、今週も掲載することにしました。

その前に、先週のご相談者のメロンさんから、
早速、メールをいただきましたのでご紹介させていただきます。

---[メロンさんからのメールここから]---------------------------------

丁寧なご回答をありがとうございました。
あせればあせるほど、
すべてのことにおいて、空回りしてしまって、
自己嫌悪に陥ってしまってました。
頭の中に、基本的な考えが、
悩むうちに、「子ども」に変わってしまっていました。
例えば、仕事をしていても、
どこかに「子ども」ができたら...なのに、と逃げたり、
大切なのは「自分」なのに。
今回、相談に乗っていただけたことで、
その事に気が付くことができました。
やるべき事はやるけど、でもあせらずゆっくり、
「自分」の時間を大切にしていこうと思います。

---[メロンさんからのメールここまで]---------------------------------

さて、今週の妊カラフォーラムでは、
スプライトさん(33)からのご相談について考えてみたいと思います。

以下、スプライトさんからのご相談です。


 体を冷やしてはいけない、
 一日なるべくたくさんの品目をとるよう注意する、
 カフェインはだめ等、色々な情報がありますが、
 その反対に、
 カフェインが入っている緑茶は、
 妊娠にいいのでなるべく飲むようにるのにとか、
 酵素を取るために体を冷やす生野菜を取るよう等、
 正反対の意見も情報として入ってきます。
 それぞれ妊娠に対して有効とされているにも関わらず、
 なぜ正反対のことを?
 何を信じていいのか、すごく混乱します。


よくありますよねー、
食品や食品に含まれる成分の矛盾する効能が語られることが。

思わず「いったい、どっちやねん!」て言いたくなります。

★大切なのは、自分の"経験や感覚"を磨き、信じること。

ところで、先日、こんなニュースがありました。

それは、ベストセラーになった、
「病気にならない生き方」という本では、
なんと!牛乳は身体に悪いと書かれているのですが、
これに対して、日本酪農乳業協会が専門家で組織した団体を通して、
著者である医師にその根拠を示せとの質問状を提出したというのです。

要するに、ある食品が身体によいとか悪いとかは、
専門家の間でも、すぐには結論が出せない問題なようです。

ですから、そもそも、食品についての相矛盾した情報について、
私たち、一般人が、
それぞれの正否など簡単に分かるはずがないわけです。

ということは、科学的な真実からではなく、
私たちの経験則と常識的感覚で判断するしかないということになりますね。

そして、おそらく、
それで、ほとんどは大きく誤ることはないと思うのです。

たとえば、妊娠を望む女性にとって、
身体を冷やすことがいいのか、悪いのか、判断できますよね。

長時間、エアコンの効いた部屋で過ごせばすぐに分かります。

また、日本人は、昔から緑茶を飲んてきて、
野菜や果物を生で食べてきて、
普通に、妊娠、出産してきたわけで、
妊娠しにくくなって、民族が存亡の危機にさらされてたりはしていません。

大切なのは、偉い先生やマスコミが流す情報に振り回されないで、
自分の経験や感覚を信じることです。

★大切なのは"バランス"、これに尽きる

そもそも、なぜ健康情報は矛盾することがあるのでしょうか?

まずは、食品や食品に含まれる成分について、
白黒つけることなど、そもそも、不可能なわけです。

たとえば、・・・、

野菜を生で食べることのメリット

・酵素が豊富である。
・ビタミンやミネラル等の栄養成分は新鮮な生の状態が最も豊富で、
 時間がたつにつれて、また、加熱したり、調理したりするにつれて、
 減っていくもの。

野菜を生で食べることのデメリット

・脂溶性のビタミンや栄養素は腸を素通りして利用されない。
・身体を冷やす。

たとえば・・・、

カフェインのメリット

・覚醒作用
・解熱鎮痛作用
・知的能力の向上
・利尿作用
・皮下脂肪低減

カフェインのデメリット

・不眠
・過剰摂取は脳神経にマイナス

いかがですか?

食品や食品に含まれる成分については、多かれ少なかれ、同様です。

野菜を生で食べることは水溶性の栄養素を豊富に摂取できるものの、
脂溶性の栄養素は加熱したほうが吸収効率がよくなります。

一方、食品に含まれる成分は、
摂取する頻度や量によっては、薬にもなり、毒にもなるわけです。

矛盾する情報があるのは当然と言えば、当然と言えるわけです。

それらのほんの一面をことさら強調するだけの、
みのもんたの情報やマスコミの健康情報が馬鹿馬鹿しいのはこのためです。

大切なのは"バランス"、これに尽きます。

★自分たちにとってどうなのかという視点

そもそも、妊娠にいいとはどういうことなのでしょうか?

不妊に悩むようになると、
妊娠にいいとされるさまざまなモノやコトへの関心が高くなるものです。

誰しも、後悔したくはありませんから、
少しでも、妊娠にプラスになるものは取り入れようとするのは当然です。

ただし、ここで、注意を要するのは、
そもそも、何をもって、妊娠にいいとされているのか、です。

妊娠しづらくさせるモノやコトは排除することは大切ですが、
妊娠するためには、
これさえやっておけば、
または、これさえ摂取しておけば、大丈夫なんてことはありません。

不妊の原因は、それぞれの夫婦によって、異なります。

ですから、それぞれの夫婦にとって、という視点が必須なわけです。

他の夫婦にとって、妊娠によかったとしても、
必ずしも、全ての不妊に悩む夫婦に当てはまるわけではありません。

ですから、こと、妊娠にいい、とされるモノやコトについては、
答えは"外"にあるのではなく、
"内"にあると言えるのかもしれません。

★何を信じていいのか=自分たちを信じるべき

そもそも、人間の身体は機械ではありません。

食品やそこに含まれている成分が、
体内でどのような働きをしているのか、
完璧に把握することは不可能ですし、
それに影響を及ぼす条件は、
遺伝因子を始めとして、
無数にあるといっても過言ではありません。

科学的な真実がどこにあるのかは、
専門家の研究に任せるとして、
不妊の悩みを克服して、
幸福な人生を築くために、
何が正しくて、何が間違っているのか、
おそらく、それを決められるのは、
自分たちしかいないのではないでしょうか?

--------------------------------------------------------------------
皆さんからのメールをお待ちしています!
メールの件名は「妊カラフォーラム」でお願いします。
info@akanbou.com

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        妊娠しやすいカラダづくり編集室から
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
私たちは、不妊に悩むご夫婦を応援します!!

━[あなたの声を聞かせて!]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼『言われてうれしかった、救われた言葉』
http://www.akanbou.com/voice/voice-001.html


━[不妊に関するご相談はQ&Aへどうぞ!]━━━━━━━━━━━━━

▼人には聞けない不妊の悩みに専門家がお答します。

↓以下のページからどうぞ
http://www.akanbou.com/qa/main.html

※内容によっては質問の回答には時間が要す場合、
 回答できない場合があります。


━[妊娠しやすいカラダづくりのためのサプリメント]━━━━━━━━━

▼あなたに相応しいサプリメントとその使い方をご提案します!

サプリメントであれば何でもいいというわけではありません。
サプリメントの賢い選び方、上手な使い方を提案します!

↓以下のページからどうぞ
http://www.nature-g.com/funin/supple.html
↓どんなサプリメントがよいのか分からないという方、ご相談下さい。
http://www.nature-g.com/query/index.html


━[妊娠しやすいカラダづくりのための気功&ストレッチ]━━━━━━━

▼毎週土曜日に開催しています!

心と身体のセルフケアを学びます。

↓以下のページからどうぞ
http://www.akanbou.com/kikouclass/top.html


━[妊娠報告をお願いします]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼皆さんからの妊娠報告をお待ちしています。

とにかく、不妊を克服された方々の体験は本当に励みになります。

↓以下のページからどうぞ
http://www.akanbou.com/houhoku/main.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編 集 後 記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
妊カラフォーラムのテーマ、
「矛盾する情報への接し方」はいかがでしたでしょうか?

是非とも、皆さんにお勧めしたい本があります。

「メディア・バイアス」という本で、
"あやしい健康情報とニセ科学"というサブタイトルがついています。

松永和紀さんという元毎日新聞の記者だった方が書いています。
光文社新書ですから、どこでも入手できると思います。

例の納豆ダイエットの捏造事件に関連してさまざまな本が出ていますが、
最も質の高い内容の本だと思いました。

それにしても、つくづく、不妊を克服するうえで、
自分たちに必要で相応しい情報を取捨選択することの大切さを痛感します。

なぜなら、決めるのは、自分たちだからです。

そのためには、良質な情報が絶対に必要です。

そして、良質な情報は自分たちしか探せないんですね。

ここは、頑張ることが大事だと思いますし、
その経験は、これからの人生において、
とてもプラスになることも、また、間違いないことのように思います。

====================================================================
妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] No.207
--------------------------------------------------------------------
◎発行部数
・自社配信: 998部
・まぐまぐ: 5,256部
・合計部数: 6,254部(5月20日現在)
--------------------------------------------------------------------
◎「妊娠しやすいカラダづくり」のバックナンバーはこちらから
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000116311
--------------------------------------------------------------------
◎注意事項
読者の皆さんから寄せられたメールは、事前の告知なく掲載させていただく
場合がございます。匿名などのご希望があれば、明記してください。また、
掲載を望まれない場合も、その旨、明記願います。メールに記載された内容
の掲載によって生じる、いかなる事態、また何人に対しても一切責任を負い
ませんのでご了承ください。
--------------------------------------------------------------------
◎免責事項について
当メールマガジンの提供する情報は医師の治療の代わりになるものでは決し
てありません。プログラムの実行は各人の責任の元で行って下さい。プログ
ラムの実行に伴う結果に関しては、当社の責任の範囲外とさせて頂きます。
--------------------------------------------------------------------
◎著作権について
当メールマガジンの内容に関する著作権は株式会社パートナーズに帰属しま
す。一切の無断転載はご遠慮下さい。
--------------------------------------------------------------------
◎ご意見、ご希望は下記メールアドレス宛にお願いいたします。
info@akanbou.com
--------------------------------------------------------------------
このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して発
行しています。配信の停止は下記のページから手続き下さい。
http://www.mag2.com/m/0000116311.htm
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【発 行】 株式会社パートナーズ内
[妊娠しやすいカラダづくりプロジェクト]
【編集長】 細川忠宏(不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
【監 修】 西川 浩(医師・心斎橋中央クリニック院長)
荻田浩司(医師・医学博士)  
【WEB】 http://www.akanbou.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

キーワード