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VOL.097 リスクとベネフィットを比較する

2005年03月26日

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□■□■□                    2005年3月26日発行  
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□■□■□     ◆妊娠しやすいカラダづくり◆
◇◆◇◆◇        《毎週土曜日配信》
■□■□■                        VOL.097
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http://www.akanbou.com
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みなさん、こんにちは。
"妊娠しやすいカラダづくり"メールマガジン版です。
いつもお読み下さってありがとうございます。

今週の更新情報は以下の通りです。

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            ★今週の更新情報★
  http://www.akanbou.com
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2005年3月25日 最新ニュース
胚盤胞移植で胎児障害の危険高まる
http://www.akanbou.com/news/news.032501.html
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2005年3月22日 Q&A
マカの使い方について
http://www.akanbou.com/qa/qa.2005032201.html
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胚盤胞移植を受けた場合、
胎児障害の危険が高まるという調査報告が発表されました。

---[今週の最新ニュースから]---------------------------------------

     リスク(危険)とベネフィット(恩恵)を比較する

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不妊治療におけるリスクに関する調査報告が報道されますと、
必ずと言っていいほど、読者の皆さんからリスクがあることに目覚め、
募る不安を訴えられるメールを頂きます。

リスクへの不安が過度に大きくなると、
精神的に不安定になってしまい、
治療成績にも影響を及しかねないこともまた、
アメリカの調査報告で明らかです。
http://www.akanbou.com/5step/step4/step4.html#1

それはそうかもしれないけれども、
念願の子供に障害がある危険性が高まるなんて言われると、
気が気ではありません。
かと言って、危険性があるにもかかわらず、
それ対して、耳を塞いでしまう訳にもいきません。

いったい、どうすればよいのでしょうか?

★リスクがゼロ、は有り得ない

考えてみれば、
何らかの行動を起こす場合、
常に、何らかの危険はつきものと言えます。
要するに、何をするにしろ、リスクがゼロであることはありません。

そんな時には、たいがい、私たちは、無意識に、
予想されうる危険と、
その行動によって得られる恩恵や利益を天秤にかけているものです。

それでは、今回の報道にあったケースについて、
考えてみることにしましょう。

★リスク(危険)を、より現実的に感じられるように見る

まずは、胚盤胞移植によって、
胎児障害の危険が高まるということですが、
詳しくみてみましょう。

今回、指摘されたリスクとは、
二卵性双生児が一つの胎盤を共有するという、
特殊な妊娠の形態が起こり得る確率が、
胚盤胞移植をすることで、自然妊娠に比べて、
11.3倍になるというものです。

このような形態の妊娠では、
死産や脳障害につながる恐れがあるとしています。
その確率は、約20〜60%が死産、
10〜25%は脳障害が残るそうです。

ニュースのタイトルだけみると、
ショッキングです。
さらに、障害児が生まれる確率が、
自然妊娠に比べて、11.3倍という数字を示されると、
より具体的になります。

ところが、11.3倍という数字だけに捕われると、
不安が一人歩きしてしまいます。

11.3倍の元になる数字を確認しなければなりません。
自然妊娠で、このような妊娠形態になる確率は、
0.3〜0.4%の確率とされています。

ということは、1,000組の夫婦が妊娠して、
3〜4組の夫婦に起こり得るということです。
そして、胚盤胞移植による妊娠の場合では、
1,000組のうち、33.9〜45.2組ということになります。
3.39〜4,52%です。
100組中、3〜4組ということです。

いかがでしょうか?
少し、現実的に把握できるようになってきたでしょうか?

ただし、これでも、まだまだ、大雑把です。
というのは、この特殊な形態の妊娠というのは、
多胎妊娠だからです。

ということは、移植する胚盤胞の数によって、
多胎妊娠の確率が大きく異なってくることも考えておく必要があります。

胚盤胞移植の場合は、
体外受精時の一般的な2日目の受精卵の移植に比べて、
少ない数を移植する傾向にはあるものの、
3個の胚盤胞を移植するクリニックも少なくないようです。
ですから、移植する胚盤胞の数が、
3個なのか、2個なのか、
はたまた、1個なのかによっても、
多胎妊娠自体の確率が大きく変わってきますから、
これも考慮に入れておく必要があるということになります。

このように、一見、ショッキングなニュースも、
掘り下げて見ていくことで、
決して、一か八かの賭けではないことがお分かり頂けたかと思います。

★ベネフィット(恩恵)は?

恩恵となると、これはもう誰でもすぐに理解出来ますね。

自然妊娠では、絶対に妊娠が不可能とされていた状態でも、
妊娠の可能性が得られるのです。

これは、とっても分かりやすいです。

ただし、これもリスクと同様です。
今度は、治療を受けることで、
必ず、妊娠するとは限らないということです。
可能性が、手に入るということです。

ですから、その可能性を具体的にみておく必要があります。

クリニックの治療毎の妊娠率もチェックしておくべきです。
ここでも気をつけるべきは、
数字が変動する要因は、必ず、複数あります。

どれ一つとっても、
同じ状況にある夫婦というのは有り得ませんが、
可能な限り変動要因を考慮に入れて、
その可能性を、現実的につかむようにしましょう。

★リスクとベネフィットを比較することで判断基準とする

そして、リスクとベネフィットを天秤にかけてみましょう。

それぞれのご夫婦の状況によって、
天秤の傾き具合は、いろいろでしょう。

同じ数字でも、人によって、大きいとみるか、小さいとみるか、
それぞれの価値観によって異なってきます。

ベネフィットに傾いているのであれば、
治療のゴーサインを出すべきですし、
リスクに傾いているのであれば、
もう少し、慎重に考えてみるべきでしょう。

また移植する受精卵や胚盤胞の数を少なくすることで、
天秤がベネフィットに傾くのであれば、
先生と移植する受精卵や胚盤胞の数をしっかりと相談すべくです。

★不妊治療を、安易に考え過ぎず、警戒し過ぎず

このように、不妊治療を受けることのリスクとベネフィットを、
自分達なりに、ちゃんと明らかにして、天秤にかけてみると、
本当に、自然妊娠の可能性がゼロもしくは、ゼロに近いので、
高度な不妊治療に頼らざるを得ないのかを、
慎重に考えるとうになるでしょう。

また、逆のケースもあるでしょう。

それは、体外受精等の不妊治療のリスクを過大にとらえてしまうことで、
治療を受ける必要があって、
自分達もそれを望んでいるんだけれども、
不安で不安でたまらないというケースでも、
少しは、冷静に考え、対処できるようになるのではないでしょうか。


━[投稿記事]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

         アレルギーと不妊の関係について 

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花粉の飛散は、いよいよ、ピークを迎えつつあるのでしょうか。
私の周囲でも、中年になってから、
花粉症デビューを果たした人が約2名おりますが、
なんと、卒業した方も少なくないのです!

卒業した方は、ヨーグルトを食べ続けたり、
試行錯誤しつつ、合うお茶を見つけたり、
まあ、いろいろありますが、やはり、基本は食事です。

肉を少なくし、野菜、果物を増やし、
砂糖入りの甘いものを控え、
精製度の低い穀物、
そして、脂肪の摂取バランスの見直し、
といった感じです。

徹底すれば、花粉に強くなるばかりでなく、
すこぶる元気なカラダになるでしょうね。
カラダの構造改革!です。

さて、前号のアレルギーと不妊の関係について、
いろいろメールを頂いております。

その中の一つをご紹介します。

------〈引用ここから〉----------------------------------------------

今回のアレルギーと内膜症の関係をすごく興味深くみさせていただきました。
私は内膜症もちで、不妊治療をしつつ、
妊娠できずに終わった周期に再発が怖いので、
期間を決めて内膜症の薬を使っています。

私も花粉症でずっとこの時期になると、
ティッシュを手放せなくなって鼻炎薬など必要だったんですが、
もう何年か花粉症の症状はほとんど出ていません。
今年はいつもの10〜30倍の花粉とニュースで見て、
ちょうど採卵前のナサニール点鼻薬使用と重なるので心配でした。
さすがに今年は花粉症再発するんじゃ?と。
先生にいうと、ナサニール点鼻薬の効き目が弱くなるのがダメだからと、
時間をずらして花粉症の薬を使うようにと、
花粉症の点鼻薬を出してもらいました。
それと胚移植前なら大丈夫だからと錠剤も出してもらってました。

でも花粉症の症状は出ることなく、
ナサニール点鼻薬を使い採卵できました。
花粉症の薬は必要ありませんでした。
手術をして、薬も使って今のところ再発はしていません。
内膜症と分かってから、病院での治療はもちろん、
食生活を気にするようになったり、
体を動かしたり、
体をできるだけ冷やさないと気にしてる事が良かったのでしょう。

最近、「花粉症が治療を始めた頃から治ったみたいなんよ〜」と、
何気なく友達と話してたので、
今回の号でそれってあるかも?と思っています。
あまりにも何か納得できる内容でした。

------〈引用ここまで〉----------------------------------------------

Tさん、ありがとうございます。

免疫革命で有名な安保徹先生は、
アレルギーに対処するには、
血流を増やして抗原を流すことが大切とし、
積極的に体を動かしたり、
体を温めて血行をよくすることが効果的であると指摘されています。

食生活を見直すと共に、
体を動かすことや体を冷やさないことも必須ですね。

ただ、子宮内膜症=アレルギーという単純なものでもありません。

くれぐれも、誤解しないで頂きたいのですが、
子宮内膜症にアレルギーの関与が考えられるということであって、
必ずしも、子宮内膜症という病気が、
アレルギー疾患であるということではありません。

本来は子宮の内側にしかないはずの子宮内膜が、
子宮以外のさまざまな場所に発生し、
そこで、月経サイクルに伴って、増殖し、剥離、出血を起こす病気です。

そして、進行していくと、炎症を起こし、
免疫作用も手伝って、さらに、癒着を起こすようになります。
自覚症状としては、強い痛みが伴うことです。

さらに、臓器どうし、また、臓器とお腹の内側(腹膜)がくっついてしまい、
そうなると、その臓器の本来の働きが低下してしまい、
不妊の原因になる場合も多くなります。

その原因は、いろいろ言われていて、
月経が逆流するという説や内膜組織が他に移動する説、
有害物質であるダイオキシン説等いろいろあって、
特定出来ている訳ではありません。
おそらく、いくつもの要因が複合的に絡み合って起こるものと、
考えられているようです。

アレルギーが原因というよりも、
病変部分で炎症を起こす等に、
アレルギーの関与が考えられるということです。

いずれにしても、内膜症が発生する場所によって、
症状もさまざまですし、
不妊との関係もいろいろなパターンがあります。

このように、子宮内膜症自体が一筋縄ではいかないものです。
医療による治療も決定打がなく、
病状の診断や治療方針も医師の技量によって、
大きく左右されるのが現実です。

薬によって進行を抑えたり、手術によって、癒着をはがしたりしても、
対症療法的な治療に過ぎないので、再発してしまいがちです。

大切なのは、食生活を始めとする生活習慣を改めることで、
根本的に症状が出にくい体質づくりに努めるべきです。

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★アレルギー症状を抑えるオメガ3系の代表的なオイル"亜麻仁油"

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毎日、ドレッシングに使うか、飲んで下さい。
http://www.nature-g.com/shohin/flora/01.html

カプセルタイプはサプリメント的に。
http://www.nature-g.com/shohin/flora/02.html

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★妊娠を意識している方の花粉症対策ハーブ"ネトル"

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薬が飲めない方に、
一石二鳥(花粉症を抑え、母乳の出が良くなる)のハーブです。

■ネトル(イラクサ)
http://www.nature-g.com/shohin/eclectic/02.html

●使い方

花粉症対策に使用する場合は、3カプセル程度を飲んでみて下さい。
症状を2〜3時間の間、軽減させることが出来ます。

効き方は、個人差がありますので、
まずはお試し下さい。
数分から20分くらいで効果が実感出来るはずです。

効果が薄れてきたら、また、飲んで下さい。

花粉症のお薬(抗ヒスタミン剤)などは、
飲み過ぎると重大な危険を及す場合があったり、
妊娠を意識した方にはお勧めできません。

ネトルは、抗ヒスタミン剤のように眠くなったり、
だるくなったりしません。
また、妊娠中でも安全で、大丈夫です。
むしろ、鉄分等のミネラルが豊富で、
母乳の出が良くなる等の恩恵を受けることが出来ます。

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●上記の亜麻仁油やネトルに関するお問合せはメールにて、
info@nature-g.com
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━[Q&A]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
       
   Q&A  皆さんからのご質問やご相談をお寄せ下さい。

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━[妊娠報告]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
      読者の皆さんからの妊娠報告をお待ちしています!

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■編集後記 
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春になると、妊娠の報告が増えるのは例年のことです。

よく分かりませんが、おそらく、日が長くなり、
光りを感じる時間が長くなることで、ホルモンの分泌に影響を及し、
生殖機能が活性化するのでしょうか。

経験則ですが、季節的な要因は絶対にあると断言します。
日頃はなかなか意識さえしませんが、
人間も自然の営みに大きく影響を受ける生き物だということですね。

まあ、どっちにしても、暖かくなることは嬉しいものですし、
春に日差しを全身に受けるのはとっても気持ちのよいものです。

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★「妊娠しやすいカラダづくり」のバックナンバーはこちらから
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000116311
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妊娠しやすいカラダづくり No.097
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【発 行】 株式会社ライフケアマネジメント内
      [妊娠しやすいカラダづくりプロジェクト]
【編 集】 細川忠宏(不妊カウンセリング学会所属)
【監 修】  荻田浩司(内科医・医学博士)
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