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妊娠への5つのステップ
》 ステップ4・ストレスとうまく付き合う
子供が欲しいのにもかかわらず、 なかなか妊娠しない、 出来ないとなると、
毎月、期待と落胆を繰り返している内に、
誰だって、心配し、悩み、憤慨し、不安に苛まれるようになります。
これは何も現代に始まった訳ではありません。
なんと、聖書にも、 なかなか子供が出来ずに嘆き悲しんだ女性が、
聖職者に悩みを打ち明け、慰められて、 妊娠することが出来たとの記述があります。
旧約聖書のサミュエル記です。
これまでは、不妊改善は、 どちらかというと薬や外科的な治療から、
要するに医療によって不妊を克服することに研究の重きを置かれていました。
ところが、心の状態が生殖機能へ及す影響の大きさが、
次第に明らかにされてくるに伴って、
“心の状態”から不妊改善に取組むことが,
これからますます重要になってくるものと思われます。
■当事者にしか分からない心の痛み
最も心を悩ますのは、“不確実性”でしょう。
一言で言うと、よく分からない、ということです。
なぜ、妊娠できないのか、
どうすれば妊娠できるのか、
いつまでこの状態が続くのか、
それが、よく分からない、
という悩みや不安です。
また、悩みや不安が大きいにもかかわらず、
誰かれかまわず、“話せない”こと。
どんな悩みであれ、 誰かに打ち明けることによって、
たとえ直ぐに解決出来なくても心の負担はかなり軽くなるものです。
ところが、不妊という悩みは、簡単には話せないテーマです。
さらには、夫婦には子供がいて当たり前という“固定観念との闘い”。
周囲からの雑音は決してなくなりません。
悪意のない干渉は耐え難いものです。
ある研究によりますと、不妊であることで感じる気持ちの落ち込みのレベルは、
ガンや心臓病、エイズ患者が病気を宣告された時の気持ちの落ち込みと
同じくらいのレベルであると言われています。
ストレスが人間の生殖機能に多大な影響を与えることは、
これまでの数々の研究から明らかで、全く否定できないところです。
不妊治療を受けておられる方は経験されていると思いますが、
不妊専門医は口々に焦ることや悲観すること、妊娠に心を集中し過ぎることを戒めます。
実際のところ、ストレスが不妊にどのような影響を与えているのか、
これまでご紹介した研究結果をピックアップしてみました。
■心配し過ぎるのは不妊治療の結果を悪くする
アメリカのカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームは、
高度な生殖補助医療(ART)を受ける女性にとって、
治療について、もしくは治療にかかる金額について、
必要以上に心配することは治療の成功率を悪くするとし、
医学雑誌「Fertility and Sterility」の2004年の4月号に発表しました。
この研究は、体外受精(IVF)や配偶子卵管内移植(GIFT)を受けた151名の女性を対象に、、
年齢や喫煙傾向、不妊の原因、これまでの妊娠、出産経験の有無など、
影響を受ける要因に関しての条件を全て考慮に入れて調査を実施しています。
治療を受ける女性は、どんなことをするのかやその副作用やのこと、
そして、その治療でどれくらいの痛みがあるのか、麻酔は可能なのか、
また、かかる費用や治療中の仕事への影響について、
実際にどのくらいの確率で妊娠出来るのかどうかについて、
さまざまな事が気にかかり、出来るだけ知っておきたいという気持ちになるものです。
ところが、あれこれと治療に関して心配し過ぎる女性は、そうでない女性に比べ、
採卵出来た卵子の数が19%、
受精出来た卵子の数では20%少ないことが判明しました。
そして、治療を受けることで仕事に穴をあけることへの不安が大きい女性は、
そうでない女性に比べ、受精出来た卵子の数が30%も少なかったと言います。
さらに、治療にかかる費用負担を気にしていた女性には、
流産するケースが多いということも結果として分かりました。
これまで女性のメンタルな状態と治療結果との生理学的関係は、
ほとんど明らかになっていなかったのですが、
治療について心配し過ぎることのストレスは、治療にはマイナスに働くことが分かったと、
「Fertility and Sterility」を発行するアメリカ生殖医療学会の会長は、 述べています。
治療を受けることで仕事に支障をきたすのではという心配や、
高度な生殖補助医療の細かな内容についての過度の関心は、
知らず知らずにストレスを引き起こします。
高度な生殖医療を受けるまで治療をステップアップしてきたということは、
それまでの治療や検査から既にさまざまな心の傷をおってきているものです。
■心の状態が、妊娠しやすさを左右する
2004年4月に日本産婦人科学会で発表された東海大学の研究によって、
不妊治療期間中に同じ悩みを持った女性同士が集まり、
悩みを語り合うことによって治療の成功率が高まることが判明しました。
これは、東海大学病院で 6ヶ月以上不妊治療を受けている女性74人を対象にした研究で、
平均年齢は、34歳で不妊治療をはじめてからの期間は平均で約6年とのことですから、
重度の不妊症の女性のグループであると言えます。
半分の37人を約10人のグループに分け、週1回90分の会合を5週間開き、
悩みを語り合ったり、受精卵が着床するイメージを思い浮かべたりしました。
もう一方の37人はこうした心理療法は施しませんでした。
全員、通常の不妊治療を受けながら実施されました。
その結果、心理療法を受けた37人の内、14人が妊娠したのに対して、
受けなかった37人のほうは、5人の妊娠に止まっています。
なんと、週1回集まったグループのほうが、
なにもしなかったグループに比べて3倍近く妊娠出来ているのです。
両グループの条件はほぼ同じに設定された研究ですから、
明らかに心理的な要素が治療の成功率を左右したと言えます。
不妊改善において、 精神面、心理面の影響については度々指摘されるところです。
ところが、このような研究によってグループの心理療法の有効性が確認されたのは、
おそらく国内では初めてのことではないでしょうか。
研究を実施して日本産婦人科学会で発表した東海大学の松林秀彦講師は、
「同じ悩みを持った女性同士が集まり、心の支えになった。
不妊症の原因には心理的な要素が占める割合が大きい」と解説されています。
これらはほんの一例にしか過ぎませんが、
これらの研究報告から明らかなのは、
あれやこれやと心配し過ぎることは良い結果を導かないこと、
そして、不妊に影響するようなストレスを低減するような方法がある、 ということです。
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