妊娠力に影響を及ぼすもの

妊娠力に影響を及ぼすもの「セックスの回数やタイミング、男性の禁欲期間」

妊娠するには仲よくする(セックス)のが基本。間違った情報に振り回されていませんか?

セックスの回数が多ければ多いほど、妊娠率は高くなる

妊娠するには、セックスをすることが大前提です。そして、その回数が多ければ多いほど、妊娠の確率がアップします。

セックスの回数と妊娠の確率を調べたアメリカの研究があります。それによると、毎日セックスした場合では1周期あたりの妊娠率は37%、1日おきでは33%でした。これが週に1回になると、15%に落ちています。(*1)

このように、セックスの回数が多ければ多いほど、妊娠の確率が高くなることがわかります。ただし、妊娠を目的にしたセックスが、かえってカップルにとってストレスになってしまっては本末転倒です。まずは、週に2回程度を目安にするのがいいかもしれません。

(*1)TIMING OF SEXUAL INTERCOURSE IN RELATION TO OVULATION Wilcox AJ, et al. New EnglJ Med.1995;333(23):1517-1522


禁欲期間が短いほど精子の質は高くなる

「セックスの回数を増やすと、精液中の精子の数が減ったり、運動率が悪くなって、妊娠には逆効果では?」と心配するカップルは少なくないようです。

以前はそのように考えられていて、男性は数日の禁欲期間をもうけることをすすめられていたこともありました。しかし、現在では、男性の禁欲期間は短いほど精子の質が高まり、妊娠の確率も高くなるとわかっています。逆に5日以上の禁欲期間では、精子数が減ってしまうことも明らかになりました。(*2) 

約1万人の男性を対象にした調査では、毎日射精しても精子の数や運動率は変化しないことがわかりました。また、驚くべきことに、精子の数が少ない乏精子症の男性でも、毎日射精することで、精子の数や運動率が良好になることは判明したのです。(*3)

また、人工授精の妊娠率も、禁欲期間が2日以下(11.27%)の場合が、3日から5日(6.07%)や5日以上(7.25%)の場合に比べて高かったとの研究報告もあります。(*4)

(*2)Duration of sexual abstinence: epidedymal and accessory sex gland secretions amd their relationship to sperm motility Saad Elzannaty, et al. Hum Reprod. 2005 Nov;20(1):221-225

(*3)Relationship between the duration of sexual abstinence and semen quality: analysis of 9,489 semen samples Eliahu Levitas, Et al. Fertil Steril. June;83(6):1680-1686

(*4)A short period of ejaculatory abstinence before intrauterine insemination is associated with higher pregnancy rates Paul B. Marshburn, et al. Fertil Steril.2010Jan;93(1):286-288


排卵日の2日前が最も妊娠率が高くなる

セックスのタイミングも、妊娠の確率に影響を及ぼします。

女性が妊娠の可能性があるのは、1周期のうちに6日間ほどあります。そのうち最も妊娠の可能性が高いのは排卵の2日前、次が排卵の前日です。その次が排卵当日で、排卵前よりも妊娠の確率は低くなっています。

排卵時期をねらってセックスをする「タイミング法」に自分でトライするなら、こうしたことを正しく理解して、目安にするといいでしょう。