鉄サプリメントで補充すべき適切な量とは?

生活習慣・食事・サプリメント

2024年03月26日

Hum Reprod. 2023 Aug 1;38(8):1613-1620.

ハーバード大学の研究により、不妊治療を受ける女性の中が1日45mg以上の鉄サプリメントを摂取することは、卵巣の健康に影響を与える可能性があることが示唆されています。

妊娠前や妊娠中の女性にとって鉄サプリメントの摂取は重要ですが、適切な量を摂取することが必要です。既に鉄が十分に摂取できている女性にとっては、過剰な鉄の摂取が大量な活性酸素が産生されることによって、かえって健康リスクを増加させる可能性があるためです。

この研究では、ハーバード大学の研究メンバーによって、不妊治療を受ける女性における鉄の摂取量と卵巣予備能との関連について調査されました。

この研究は、2007年から2019年まで、マサチューセッツ総合病院で不妊治療を受ける18歳から46歳の女性582人を対象にし、対象者が食事やサプリメントから摂取している鉄の量を基に、総合的な分析が行われました。卵巣予備能は、卵巣内にある成長中の卵胞の数を示す胞状卵胞数と、月経3日目のFSH値を指標としました。

結果、鉄の総摂取量が1日45mg以上の女性は、卵巣予備能に悪影響を及ぼす傾向がみられました。鉄の摂取量が増えるにつれ、FSH値に明らかな影響は見られなかったものの、胞状卵胞数の減少が確認されたというものです。
また鉄の摂取を食事とサプリメントに分けて分析したところ、サプリメントからの摂取量だけが、卵巣予備脳の低下に関連する傾向が見られたということです。

この研究から、不妊治療を受ける女性には特にサプリメントからの鉄の摂取量について慎重に考える必要があることが示唆されます。

コメント

妊娠前、妊娠中の鉄欠乏の女性への鉄の補充が重要であることには変わりありませんが、鉄不足でない女性に関しては、サプリメントによる過剰な摂取に注意が必要だということです。
サプリメントはあくまでも食事の補助ととらえ、食事から鉄を充足させることを意識した方がよさそうです。

鉄は、赤身肉やカツオやマグロなどの主に動物性食品に含まれるヘム鉄と、大豆、小松菜や春菊などの緑黄色野菜、ナッツなどの主に植物性食品に含まれる非ヘム鉄があり、日本人が摂取している鉄の約7割が非ヘム鉄と言われています。

体内で吸収されにくい性質を持つ非ヘム鉄ですが、ビタミンCやクエン酸、リンゴ酢などの有機酸を摂り入れたり、酸味のあるものやスパイスを加え、胃酸の分泌をよくすることで吸収率が高めることができます。