体外受精による出生児の先天性異常の発症率

不妊治療のリスク

2007年02月12日

the Society for Maternal-Fetal Medicine

不妊治療を受けて生まれた子どもは、自然妊娠で生まれた子どもよりも先天性異常の割合が高いものの、それほどの差ではないことが、カナダで実施された大規模な調査によって明らかになりました。

調査は、カナダのオタワ大学教授がリーダーで、2005年に生まれた61,208人の新生児を対象に実際されました。

61,208人のうち、不妊治療を受けて生まれた子どもは1,394人で、先天性異常の割合は、自然妊娠で生まれた子どもでは2%以下であったのに対して、体外受精を受けて生まれた子どもでは約3%でした。

また、体外受精における先天性異常は、特に、多胎児の場合に高い割合になることが分かりました。

尚、先天性異常に影響を及ぼすと考えられる、母親の年齢や喫煙習慣の有無、子どもの性別、合併症の有無等の要因の影響は排除しています。

コメント

調査研究のリーダであるカナダのオタワ大学の教授は、不妊治療を受けることで高くなる先天性異常の子どもが生まれる割合は、不妊治療を受けることを考え直すほど大きなものではないと結論づけています。

体外受精を受けるにあたって、どんなリスクが、どの程度あるのか、正確に知っておく必要があります。

母親になる女性のリスクは、多胎妊娠やOHSS(卵巣過剰刺激症候群)、採卵時の出血や感染等で、子どもへのリスクは、多胎妊娠や先天性異常、不妊原因の遺伝等が考えられます。

現在では、OHSSや採卵、胚移植時の出血や感染等は、卵巣刺激法や医師の技術でほぼ防ぐことが可能になったと言われています。

また、今回の調査で明らかになったように、体外受精によって先天性異常の子どもが生まれるリスクは、それほど高まるわけではないことが分かりました。

ですから、対策を講じるべきリスクは多胎妊娠の予防で、それは、戻す受精卵の数を減らすことである程度は可能です。