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VOL.132 アルコールと妊娠する力の関係

2005年11月27日

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           妊娠しやすいカラダづくり 
          [メルマガ版毎週土曜日配信]

  2005/11/27 #132
━不妊に悩むカップルを応援します!━━━━━━━━━━━━━━━━━                
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このメールマガジンは、不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、
二人で話し合い、考えるうえでの道筋を整理したり、
自分たちで答えを出すためのヒントになるような、
そんな不妊に関する様々な情報を、出来る限り客観的な視点で提供します。
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みなさん、こんにちは。
いつもお読み下さってありがとうございます。

前号の読者の皆さんからのメールへの返答について、
予想外に?多くのメールを頂きました。

貴重なご意見やご感想を頂きましたので、
また、機会を設けてご紹介させて頂きたいと考えています。
本当にありがとうございました。

11月も最後の配信号となり、風邪の引きやすい季節になりました。
くれぐれも、帰宅時の石鹸による手洗いとうがいを励行し、
予防あるのみ、です。

そんな季節柄ということもあるのでしょうか。
最近のQ&Aでは、アルコールの妊娠への影響について、
多くの質問や相談を頂いております。

今週の特集で取り上げてみました。

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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          ★ 今 週 の 更 新 情 報 ★
  http://www.akanbou.com
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2005年11月24日 最新ニュース
未成熟精子で体外受精、出生児に影響なし
http://www.akanbou.com/news/news.2005112401.html
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2005年11月23日 Q&A
アルコールと勃起能力の関係は?
http://www.akanbou.com/qa/qa.2005112301.html
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2005年11月22日 最新ニュース
男の早産児は高血圧にかかりやすい
http://www.akanbou.com/news/news.20052202.html
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2005年11月22日 最新ニュース
不妊の男性は精巣ガンのリスクが高い
http://www.akanbou.com/news/news.20052201.html
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上記の記事についてのご質問等は、下記のアドレス宛お寄せ下さい。
news-master@akanbou.com


事務局からのお知らせです。
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         ★ 妊 カ ラ ニ ュ ー ス ★
20051126
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★運営会社の社名を変更します。

(株)ライフケアマネジメント → (株)パートナーズ

読者の皆さんにはあまり関係ないんですが、
運営会社の会社名を変更することになりました。

妊娠しやすいカラダづくりのメールマガジンやサイトの運営は、
株式会社ライフケアマネジメントという会社によるもので、
毎号、メルマガの一番下に書いてあります。

その会社名が、12月1日をもって、
「株式会社パートナーズ」に変わります。

業務としては、いろいろあるのですが、
"信頼できる(される)パートナーでいること"に、
こだわりたいという思いを込めました。

現代は、情報にしろ、商品にしろ、サービスにしろ、
もう、ちょっと、過剰と言えるくらい氾濫しているように思います。

大切なのは、自分は、どうなりたいのか、
そして、何が欲しいのか、また、何が必要なのかを、
ぼんやりとした状態から、
ハッキリとした状態にすることではないかと思っています。

私たちは、そのために、皆さんの"伴走者"でいることにこだわり続けます。

どうぞ、株式会社パートナーズをよろしくお願いいたします。

★妊娠しやすいカラダづくりのための「気功教室」受講者追加募集します。
http://www.akanbou.com/kikouclass/top.html

いでともみ先生による、
妊娠しやすいカラダづくりのための「気功教室」は、
毎週土曜日の午後に開催しています。

この度、12月3日の土曜日から全日程で、
3名の追加募集が可能となりましたのでお知らせします。

詳細は下記のページをご覧の上、
受講を希望される方は、メールにてお申し込み下さい。
http://www.akanbou.com/kikouclass/top.html
http://www.akanbou.com/kikouclass/sankayoukou.html

皆さんからのお申し込みをお待ちしています!

10月からスタートした教室では、
徐々に、受講生どうしも、顔見知りになって、
とってもよい雰囲気で取り組めるようになっています。

受講メンバーのお一人、Tさんの受講体験レポートで、
その雰囲気を少しは感じて頂けるかも知れません。

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「気功教室」参加者体験レポート
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参加者のひとりであるTさんのレポートをご紹介します。
http://www.akanbou.com/kikouclass/report01.html

Tさん、ありがとうございました。


━〈特集〉━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

   ア ル コ ー ル と 妊 孕 性( 妊 娠 す る 力 )の 関 係

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これから年末年始にかけては、
1年の内で最もお酒を飲む機会が多い季節ですね。

そんなことも影響しているのか、
実は、ここ最近、お酒を飲むことで、
妊娠するのにどうような影響があるのか、
そんな質問や相談が数件、続けざまに寄せられています。

そこで、今週は、アルコールと妊孕性の関係を特集すこることにしました。

ただ、お酒は、全く飲まないという方も大勢いらっしゃると思います。
そんな方にはお役に立てない記事で恐縮ですが、
生活習慣が妊娠に及す影響という観点で考えてみたいと思いますので、
おつき合い頂ければ嬉しいです。

さて、女性のアルコールの摂取の問題ですが、
妊娠後はお酒は飲んではいけないということは浸透しているようです。

ところが、上記のように、妊娠前のアルコールの問題、
要するに、アルコールを飲むことによって妊娠しにくくなるのか、
アルコールが不妊の原因になるにかについては、
それほど、明確には認識されていないように思われます。

★アルコールと女性の妊孕性の関係

1998年に「British Medical Journal」に掲載されたデンマークの研究です。
http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/acstract/317/7157/505

20〜35歳の430のデンマークのカップルを対象に、
アルコールの摂取量と妊娠率との関連を調査しています。

それによりますと、週に1〜5単位のアルコールを飲む女性は、
そうでない女性に比べて40%妊娠率が低下し、
週に10単位以上飲む女性では66%低下しています。

アルコールの摂取量が多くなるほど、
確実に妊娠しにくくなることを明らかにしました。

因みにアルコールの摂取量で使う1単位というのは、
純粋なアルコールmが約20g程度で、
実際の目安としては、ビールであれば中瓶かロング缶1本、
ウィスキーでダブル1杯、日本酒では1合、ワインでグラス2杯程度です。

デンマークの調査は、週に1〜5単位程度と、
決して多くない量でも妊娠率の低下があったとしています。
ですから、女性の場合はアルコールの摂取に関しては、
なかりシビアになる必要があるようです。

また、1998年に「Fertility and Sterility」に掲載された、
アメリカのジョンズホプキンス大学医学部の調査は、
http://www.fertstert.org/article/PIIS001502829800257X/abstract
124名の女性を対象に、
アルコールとカフェインの摂取と妊娠率の関係を調べています。

それによりますと、お酒を飲む女性は妊娠率が半分になっています。
ただし、カフェインの摂取だけの影響は見られなかったとしていますが、
カフェインの摂取はアルコールの影響を強める結果になっているとのこと。

アルコールは飲まずにコーヒー1杯分以下のカフェインをとる女性は、
100周期あたり26.9の妊娠があったのに対して、
アルコールを飲み、コーヒー1杯分以上のカフェインをとる女性は、
10周期あたりの妊娠は10.5であったとしています。

ここでもアルコールが妊娠しにくくさせる結果が出ています。

専門家によっては、女性の過剰なアルコールの摂取によって、
エストロゲンやプロゲステロンといった生殖ホルモンのバランスが崩れ、
排卵しにくくなったり、無排卵を招き、
早く更年期がやってくるようになるのではとしています(*1)。

★男性のアルコール摂取と妊娠させる力との関係

上記のデンマークの調査では、
カップルのアルコールの摂取を調べていますが、
女性のアルコールの摂取は少量であっても妊娠に影響していますが、
男性の場合には、アルコールの摂取と妊娠との関連は、
見られなかったとしています。

このように、女性に比べれば、男性のアルコールの摂取は、
それほど、生殖能力に影響を及さないようですが、
量次第では、勃起能力や精子の数を低下させることが分かっています。

つい最近、「Fertility and Sterility」に掲載された、
インドの大学の医学部の調査では、
http://www.fertstert.org/article/PIIS0015028205012513/abstract
アルコールの摂取とホルモンや精液の状態の関連性を調べています。

それによりますと、1年以上週の5日以上1日に180ml以上、
アルコ−ル摂取を続けた男性は、
男性ホルモンの量が低下し、精液の量や精子の数、運動率が減って、
奇形率が上昇したとしています。

専門家による見解は以下の通りです。

アルコールは肝臓で代謝されますが、
男性には精巣でもアルコールを分解しており、
過剰なアルコールの摂取によって、
精巣の精子の産生能力が低下してしまうとしています(*2)。

不必要になったホルモンは肝臓に送られ、分解され、代謝されます。
過剰なアルコールの摂取が肝臓に影響を及し、
女性ホルモンの量が増えることで、
精子の産生能力を低下させることが考えられるとしています。

また、アルコールは、亜鉛の吸収を阻害するため、
精子の産生に深くかかわっている亜鉛が不足することによって、
精子の数が低下してしまうのではないかとされています(*3)。

★アルコールと不妊治療の成功率との関係

2003年に「Fertility and Sterility」に掲載された、
アメリカのカリフォルニア大学サンディエゴ校医学部の調査では、
男性と女性のアルコールの摂取が、
体外受精やギフト(GIFT)の治療率に、
どのように影響を及すのかを調べています。

221の治療中のカップルを対象に実施された調査では、
治療1年前の女性が飲むアルコールが1日に1単位増える毎に、
採卵できる卵の数が13%少なくなり、
妊娠率は2.86倍低くなり、
流産の確率は2.21倍高くなったとしています。

同様に、男性のアルコール摂取も影響を及ぼすとしています。

★アルコール摂取の目安量と飲み方

このように、アルコールと妊孕性の問題は、
さまざまな議論があるようです。

そして、問題のない摂取量は分からないのが実情です。

ただ、アルコールと妊娠の関係の真実を知ることが目的ではなく、
妊娠することが目的なわけですから、
やはり、君子危うきに近寄らず、です。

取りあえずは止めるか、量を減らすに越したことはありません。

イギリスの不妊治療のガイドラインによりますと、
http://www.prodigy.nhs.uk/guidance.asp?gt=Infertility
女性は週に1〜2回、1〜2単位まで、
男性は、1日に3〜4単位までのアルコール摂取にすべきとしています。

もちろん、個人差があるのでしょうけど、
アルコールの問題を心配する人というのは、
好きな方、強い方なのでしょうから、
結局、ほどほどであれば、問題ないということです。

その"ほどほど"というのは、
上記のような量を目安とすればよいということになります。

また、妊娠への影響というのは、
生活習慣全般から考えることが大切です。

これさせ、気をつければ万全、ということは有り得ない訳です。

そんな論文をご紹介します。

★生活習慣という観点から考える

2004年に「Fertility and Sterility」に掲載された、
イギリスの大学病院が実施した調査は、
さまざまな妊娠への影響が考えられる生活習慣と合わせて調べています。

2,120人の妊婦を対象に、
生活習慣と妊娠を望んでから妊娠する迄の期間を調べています。

それによりますと、妊娠するのに長くかかる、
要するに、妊娠しにくくさせる生活習慣として、
本人、もしくはパートナーが15本以上タバコを吸っていること、
パートナーが週に20単位以上のアルコールを摂取すること、
女性のBMI(体脂肪指数)(*4)が25以上であること、
カップルが飲むコーヒー、紅茶が1日に6杯以上であることとしています。

4つ以上の生活習慣があるカップルでは、
その相乗作用によって、より妊娠迄の期間が長くなり、
それらの生活習慣がないカップルに比べて、
妊娠率が60%低くなり、
7.3倍妊娠しづらくなる確率が高くなるという結果でした。

このように、妊娠する力は、
複数の生活習慣の有無、そして、その程度(量)に、
複合的、相乗的に影響されることを知っておくことが大切です。


◎この内容に関するご質問やご相談、ご意見はメールにて。
news-master@akanbou.com


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皆さんからの妊娠報告をお待ちしています
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■編集後記 
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妊娠しない期間が長くなってくると、
自然と、無意識に、犯人探しをするようになります。

いろいろな生活習慣は、まずは、やり玉に挙げられやすいものです。
そんなことから、あまり、神経質になって、余計にストレスになったり、
夫婦でお互いの生活習慣を非難しあうようになってしまうことも、
少なくないようです。

正しい情報に接して、判断しなければなりませんが、
要は、程度の問題であり、
絶対に我慢しなければいけないこともありません。

ただし、健康にも影響が出るくらいの生活習慣は、
すぐにでも改めることに越したことはありませんが。

年末年始にかけて、生活習慣の棚卸しをしてみて、
1つでもよい習慣を身につけたいものですね。

くれぐれも楽しみながら。

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妊娠しやすいカラダづくり No.132
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【発 行】 株式会社ライフケアマネジメント内
      [妊娠しやすいカラダづくりプロジェクト]
【発行責任者】細川忠宏(不妊カウンセリング学会所属)
【編 集】 酒井奈緒
【監 修】  荻田浩司(内科医・医学博士)
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