悩みぬいた末に顕微授精で

04.11.17

お名前  О・Aさん 性別  女性 年齢  34歳 結婚歴  6年
不妊期間 不妊治療期間 4年弱

妊娠に至った治療内容

主人が先天的に精管がなく、精液中に全く精子が見当たらないという無精子症のために、最後は、顕微授精で妊娠しました。

妊娠に至った経緯

避妊をやめて、2年経過したにもかかわらず、妊娠しないため、 一人で婦人科を受診、一通りの検査を受けたが、全く異常なし。取りあえずということで、タイミング指導を半年受けた。
何の疑問もなく、クロミッドを処方されるがままに、3~4周期飲み、その後、注射も使った。どこも異常がないのにもかかわらず、 薬や注射を使うことに多少の疑問はあったが、先生の妊娠しやすくなるからとの言葉に、1日でも早く、妊娠したいという気持ちから通院していた。

1年たって、やっと、主人の検査をしてみようということで、泌尿器科を紹介され、検査を受けたところ、精子が全くないとの診断に二人とも大きな衝撃を受けた。

さらに、紹介された大学病院へ。
そこで、先天性精管欠損症という生まれつき精管がないとの診断結果。
ただ、精巣では精子が作られていたようで、精子は確認できた。なので、手術によって、精子を取り出して、 ICSIであれば、妊娠の可能性はあるでしょうとのこと。
いったい、これまでの1年は何だったの、 という情けなさもさることながら、私たち夫婦にとっては、もちろん予期せぬことでいきなりだった。

その後、治療を受けるかどうか、答えはなかなか出なかった。
主人は自分のこととして、もちろん、混乱しているようだし、私は、私で、主人に気を使ってしまい、ぎこちない状態が続いた。

そして、主人は、そこまでして子供は欲しくないと言い出し、治療を受けることに反対。
なんとしても子供が欲しい私は、 主人の問題とはいえ、精子を採取した後は、 主に治療を受けるのは私の方なのに、無性に腹立たしく思え、口を開けば喧嘩状態になってしまった。
その上、この時期、お互いの仕事が忙しく、主人は海外へ出張する機会が増えたこともあって、 すれ違いの最悪の時だった。

誰に、相談することもままならず、それまで、購読していて共感することが多かったこのメルマガに、なにかのきっかけになればとの一念で相談してみた。
すると、返信には、不妊の原因が明確なので、原因がわからず、どうして良いか悩んでいる人に比べれば、 問題は単純であること、そして、顕微授精という治療のこれまでの日本や世界での実績、この治療を受けることのリスク等を丁寧に説明して頂いた。

頂いた回答を叩き台にして、主人とじっくりと話し合った。
さすがに主人も口では反対と言いながら、 自分なりに調べていたみたいで、体外受精や顕微授精といった高度な不妊治療が、今では、一般化しているという認識を持ったようだった。
そして、精子の提供を受けて治療を受ける方にくらべれば、まだ、自分の精子があるのは幸いという気持ちになったようで、ようやく、前向きな話し合いが出来るようになった。

そうすると、本当の不安は、 やはり、自然な生存競争に勝ち残った精子ではなく、なんていうか、無理矢理、精巣から取り出された精子では、 なんか、弱っちいというか、なにかにつけてレベルの低い子供になりはしないか、 というところであることが分かった。

これは、たとえ、これまで多くの実績があって、問題なく、健全なお子さんが誕生していると聞かされてみても、なんとも、拭い切れない、どうしようもない、そんな不安だった。

それについて、細川さんの見解は以下の通りだった。
「確かに、そのような不安をもたれるのは当然のように思います。ただ、考えて頂きたいことは、自然妊娠でも能力の劣る子供ができる可能性は、 ゼロではないということです。それが、顕微授精を受けることで、 その確率が跳ね上がることはあり得ません。いかがですか?
もしも、万が一にも、そのようなお子さんが生まれた時、治療を受けたことを後悔しそうであれば、やはり、お子さんを作られるのは、 お止めになるべきではないでしょうか。
不安は、どんな場合でもゼロにはなりません。
でも、親として、どんな子供が生まれてきても、ご自分たちの子供として、 生まれてきたことを喜び、愛おしみ、守ってやるという覚悟でもって、 臨まれるかどうか、ではないでしょうか。」

このメールで、主人の心は決まったようでした。
そして、主人の精巣から精子を採取し、凍結。
その後、2回目の胚移植で妊娠することが出来ました。

妊娠しやすいカラダづくりのために実行したこと

主人は、少しでも元気な精子が採取出来ればと、コエンザイムQ10とL-カルニチンのサプリメントを摂取。
私は、治療が成功するようにと、 ビタミンEコンプリート8とパインバークを飲んだ。

不妊改善中の方へひと言

絶対に不妊検査は、二人同時に受けるべき。 これに尽きます。
はじめに通院したところは、 不妊専門ではなく、個人の医院でした。
結局、無駄な治療を受けてしまった。

そして、このメルマガには本当に勇気づけられたり、細川さんには、主人を説得して頂いたり(苦笑)、 本当にお世話になりました。
実際のところ、誰よりも頼りにさせて頂きました。

編集室より

説得なんて、どんでもございません。
Aさんの思いが、ご主人を動かされたのだと思いますよ。

いまや、不妊の原因は、男女、半々だとされています。
ご主人が初めに検査を受けるべきですね。
男性の検査って、女性にくらべれば、遥かに手軽で、単純な検査だからです。
Oさんのような無駄な治療を受けたというケースは驚くほど多いようです。