体外受精を受けることで乳がんの発症リスクを高めることはない

不妊治療のリスク

2008年11月20日

the American Society for Reproductive Medicine conference in San Francisco

体外受精の卵巣刺激のための排卵誘発剤の使用の影響で乳がんの発症リスクが高まることはないと、オランダで実施された大規模な調査の結果、確かめられました。

オランダがん協会の研究チームは、1980年から1995年に体外受精を1回以上受けた18970人の女性と、不妊治療を受けた経験のない7536人の女性の乳がんの発症について調査したところ、体外受精経験者では378人、不妊治療の経験のない女性では266人が乳がんにかかっていました。

年齢や乳がん発症に関わる要因の影響を除いた結果、体外受精を受けたことで乳がんの発症リスクが高まらないことは分かりました。

コメント

不妊治療のホルモン療法の際に使用する排卵誘発剤によって、エストロゲン濃度が高まることで、乳がんや卵巣がん、子宮がん等の婦人科系のがんの発症リスクが高まるのではとの懸念があります。

これまでの研究報告では、いずれも発症リスクが高まることがないとされています。

また、がんの発症要因は、食生活をはじめとする生活習慣など、多岐にわたるものです。

不妊治療による影響を過大に心配する必要はないようです。