単一胚移植は妊娠率を低下させずに多胎妊娠を減らす

不妊治療のリスク

2007年05月26日

Fertility and Sterility Advance online publication

アメリカのアイオア州のIowa Carver College of Medicine内の不妊治療クリニックで、体外受精で多胎妊娠(双子)の割合を減らすために、体外受精を受ける患者に移植する胚の数を1つに推奨することにしました。

その結果、単一胚移植は、妊娠率を犠牲にすることなしに、多胎妊娠を減らすことが明らかになりました。

単一胚移植推奨前17ヶ月と推奨後17ヶ月に693の胚移植が実施されました。移植した胚の数は推奨前の2.1個から推奨後は1.9個に減っていますが、妊娠率は推奨前が63%でしたが、推奨後でも58%を維持し、逆に多胎妊娠の割合は35%から19%に減少しています。

多胎妊娠がいかに母親と子どもの健康リスクを大きくするかを啓蒙した説明書を配布しました。

担当医は、患者は、当然、妊娠率を最優先し、双子を希望する患者も少なくないものであるので、単一胚移植の実施は、患者への啓蒙活動が不可欠であるとしています。

コメント

日本でも、日本生殖医学会は、体外受精時の胚移植数を年齢に応じて制限する方針を決定しています。

キーワード