HOMENEWSトップ 》 不妊治療・生殖医療関連》 2005/09/14/01
染色体異常の男性不妊、未成熟精子で5児誕生  
■2005/9/14 UP

■出典:読売新聞

■キーワード:男性不妊、未成熟精子、クラインフェルター症候群
   

[解 説]
男性不妊で最も多いのは、精子をうまくつくれない、造精機能障害と呼ばれるもので、
おおよそ90%を占めると言われています。

精子をうまくつくれないと一口に言ってもその原因や程度はさまざまです。

原因が不明なもの、複合しているものも多いようですが、
先天的に染色体異常をもつクラインフェルター症候群によるもの、
成人してからかかったおたふくかぜによる精巣炎の後遺症によるもの等があるようです。

無精子症と呼ばれる、精液中に精子が1匹もいない状態から、
乏精子症と呼ばれる、単に、精液中の精子の数が少ないという状態まで、
その程度もまた、さまざまです。

精液中の精子が少ないという場合、
禁煙や生活習慣を改めて改善できるようなケースから、
薬やビタミン、漢方薬で改善を試みたり、
人工授精や体外受精、場合によっては顕微授精で妊娠を目指すことが可能です。

もしも、精液中に精子が全くいない状態であれば、
お手上げで、子供を諦めるか、
第三者から精子の提供を受ける非配偶者間人工授精(AID)しか方法がありませんでした。

ところが、1匹でも精子が得られれば、直接、卵子に注入し、受精させるという、
顕微授精の中で一般的な治療法である細胞質内精子注入法(ICSI)が登場してからは、
精液中に精子がいない場合でも、精巣内の組織に精子がいれば、
精巣上体精子採取術(MESA)や精巣内精子採取術(TESA)といった方法で、
精巣から精子を得て、妊娠を目指すことが可能になったのです。

さらに、今回の報道では、クラインフェルター症候群によって、
精子の一歩手前の後期精子細胞の段階までしか作れない男性不妊患者でも、
未成熟な精子を取り出して、凍結保存後、卵子に直接注入し、
5人の子供が出産に成功したことが伝えられています。

これまでは、できた子供が男の子である場合、
父親の染色体上が遺伝するおそれがあると考えられてきましたが、
今回の報道では、クラインフェルター症候群の男性不妊患者の精巣内の後期精子細胞には、
99%以上の確率で性染色体異常はみられなかったとし、
子供に遺伝する心配は少ないとしています。

今後、このような治療法が確立されますと、
精液中や精巣内に精子が全くいない場合でも、
後期精子細胞が得られれば、妊娠を目指すことが可能になるということです。