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VOL.462 原因不明不妊の治療方針

2012年04月22日

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 妊娠しやすいカラダづくり 第462号  2012年4月22日発行

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 お子さんを望まれるカップルを応援します。

 なかなかお子さんが授からないことに悩むカップルが、悩みを克服する
 ために、"二人で話し合い、考えを整理"して、"自分たちにふさわし
 い答えを出す"上でのヒントになるような情報を、出来る限り客観的な
 視点で、毎週末、配信しています。


━[今週のテーマ]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼トピックス(2)
原因不明不妊の治療方針について

▼ヤングのコーナー
転院後の初めての胚移植で

▼妊カラ編集室から
当社スタッフを募集しています。

▼編集後記


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 ト ピ ッ ク ス (2)
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 原因不明不妊の治療方針について 
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不妊治療は妊娠の妨げになっている原因を突き止めるために基本検査を受け
ることからはじめます。そして、検査結果にもとづいて治療方針が決定され
ることになります。

もしも、原因が明らかになれば、そこを治療して妊娠を目指すことになりま
す。

ところが、検査の結果、どこも異常がないという、原因不明不妊と診断され
るケースも少なくありません。

原因がみつかれば、"なんで妊娠できないの?"というそれまでの心配が、
ひとまず解消されることになり、前に進んだ感を持つことができますが、原
因不明と言われると、思い切って通院を始めたのにも関わらず、"なんで?"
という心配は解消されないまま、不安が一層大きくなってしまいかねません。

そして、そもそも、原因がわからないのに、何をどう治療して妊娠を目指せ
ばよいのか、今後の治療についても迷ってしまいます。

そこで、今週は原因不明不妊の治療方針について整理してみたいと思います。


━ 原因不明ということをどう受け止めればいいのか

不妊の原因ということについて、知っておきたいポイントが3つあります。

1)原因がないのではなくみつかっていないだけ

原因不明不妊とは、原因がないとか、わからないというのではなく、単に、
それまでの検査ではみつけられていないだけなのです。

一般に基本検査と呼ばれている検査方法で把握できる精度や領域には限界が
あるからです。

ですから、基本検査では異常がなかったという結果も、決して、意味がない
わけではなく、妊娠に近づくための貴重な情報になるのです。

また、検査の技術レベルの問題ということもあり得ます。

2)妊娠に至らない原因はあいまいなもの

不妊症を解説した本などで紹介されている不妊症の原因はあくまで大雑把に
説明されているだけです。

そもそも、人間のカラダは機械ではありません。カラダの働きや状態は常に
一定ではなく、その時々で、気まぐれに変化したりするものです。

ですから、製品マニュアルを検索するような発想で、原因と対策を突き止め
ようとすると、結果としてストレスを大きくするだけに終わってしまいかね
ません。

人間の生殖機能とはそういうものという理解が必要なのかもしれません。

3)老化という問題

新しい生命の誕生の根源は卵子や精子の生きようとする力です。卵子は女性
と一緒に年をとりますので、排卵された卵子の老化が進んでいたら、いくら
検査を行っても異常がみつかることはないでしょう。

普通、老化は病気の遠因になりますが、老化そのものを病気とは呼びません。

ですから、母親になる女性の年齢が高くなれば、なるほど、原因不明不妊の
割合が増えることになります。


━ 原因不明不妊の治療方針について

それでは、基本検査では異常がみつからなかった場合、どのように治療に臨
めばいいのでしょう。

状況別治療方針を整理してみます。

1)待つ

まずは、「待つ」という選択肢、つまり、あわてて治療を受けずに自然妊娠
を期待するということです。

ある研究によると、原因不明不妊と診断されたカップルが治療しない場合の
周期あたりの妊娠率は5~6%で、3年間で30~80%の累積妊娠率との
報告があります(1)。

それまで、カラダの気まぐれで妊娠に至っていなかったということも十分に
あり得るわけです。

ただし、女性の年齢と不妊期間次第ではあまりお勧めできません。なぜなら、
治療が必要な原因が隠れていた場合、35歳以上になると待つことで効果の
高い治療機会を逸することになりかねないからです。

そのため、いずれは体外受精も視野に入れるつもりであれば"待機期間"を
長くし過ぎないように注意することが大切です。

2)排卵誘発剤で排卵する卵を増やしたり、人工授精を受けてみる

原因不明と診断されても、実際には排卵しづらかったり、排卵がない周期が
あったりする可能性があります。

黄体化未破裂卵胞は、基礎体温がきれいな2相になって、高温相もしっかり
とあるにもかかわらず、排卵しないまま卵胞が黄体化してしまう異常で、根
治療法ではありませんが、排卵誘発をかけることで排卵率が高まります。

また、卵巣から排卵された卵子がうまく卵管に取り込めないピックアップ障
害も、排卵する卵の個数を増やすことで取り込まれやすくなることも考えら
れます。

ただし、排卵誘発剤(最もポピュラーなのはクロミフェン)を漫然と長期間
使用することは慎むべきです。いろいろな意見があるようですが最長でも半
年くらいで次の治療に移るべきです。

一方、原因不明不妊で、フーナーテストが良好な場合でも、人工授精によっ
て妊娠率が高まることがわかっています。

3)精密検査を受けてみる

子宮卵管造影検査は、卵管が通っているかどうかはある程度の正確さが期待
できますが、卵管周囲の癒着などを把握するのには限界があります。また、
超音波検査でも子宮内膜ポリープを完全に把握することは困難です。

そのため排卵誘発剤を使ったり、人工授精を繰り返しも妊娠に至らない場合
には、腹腔鏡検査や子宮鏡検査などの精密検査を受けてみるという選択肢が
あります。

子宮卵管造影検査で異常なしと診断された原因不明不妊患者に腹腔鏡検査を
実施したところ80%に子宮内膜症や卵管周囲の癒着がみつかり、治療した
ところ50%の患者が自然妊娠したとの報告があります(2)。

また、腹腔鏡検査で異常がみつからなかった場合でもその後の妊娠率が高く
なるとの報告もあります(3)。

一方、不妊症患者の4名に1名は子宮鏡検査を実施すれば子宮内膜ポリープ
がみつかり、治療後の妊娠率が高まるとの報告もあります(4)。

4)高度生殖補助医療を受けてみる

とにかく早く妊娠したい、原因不明不妊と診断されて不妊期間が2年以上、
もしくは、年齢が高く、確実性の低い治療に時間をかけたくないのであれば、
体外受精という選択肢がベターです。

実際に原因不明不妊の場合、最もあり得るのは卵子と精子が出会えていない
ことです。

体外受精は卵管のバイパス術で、卵子と精子を確実に出会わせるための治療
です。

また、受精障害は体外受精を実施してみないとわからない不妊原因ですので、
受精障害の検査的な意味もあります。

もしも、体外受精で受精が成立しない場合には顕微授精を行います。

5)体内受精環境や成育環境を高める(アンチエイジング的アプローチ)

もしも、年齢が高い、栄養の偏りがある、酸化ストレスが高い、血流が悪い
などの理由で、良好な受精卵を育むことが出来ていないのであれば、いくら、
生殖医療を施しても、その効果は限定的です。

そして、不妊の基本検査や精密検査を受けても、原因はみつかりません。

体内環境を整えて、受精卵の生きようとする力を育み、その邪魔をしないよ
うにするのです。

このことは、生殖医療でカバーできない領域ですので、治療を受けていても
意識しておくことが大切です。

まずは、食生活をはじめとする生活習慣を見直します。

栄養環境を整え、酸化ストレスを低減するのにマルチビタミンミネラルのサ
プリメントが効果的です。実際にマルチビタミンミネラルを摂ることで早く
妊娠に至ったり、妊娠率が高まったとの報告があります(5)。

また、ウォーキングなどの適度な運動で、血流を改善し、ストレスを軽減す
ることもとても大切なことです。


━ 後悔しないために

実際のところ、本当の不妊の原因を突き止めるのは難しいものです。

検査で原因を特定して、治療しても、なかなか妊娠に至らないことが珍しく
ありません。

そして、治療を休んでいる間に妊娠することも、よくあることです。

ただ、妊娠を目指すための戦略は3つの柱からなっています。

1つは妊娠を妨げているものを取り除くこと、2つ目は精子と卵子を近づけ
ること、3つ目は体内の環境をよくすること、です。

いずれにしても具体的な方法の選択肢はいくつもあります。

自分たちにあったアプローチを選択し、実施することが大切だと思います。

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記事ついての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


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 ヤングのこれまでの事 ~ ステップダウンから再度の転院 ~
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こんにちは、ヤングです。

モチベーションが上がらず淡々と治療を送っていたのは、そう昨年夏の終わ
り頃からでしょうか。

転院したクリニックで採卵を続けたのですが、やはり、1個か2個しか取れ
ず、それでも受精できたら胚移植にチャレンジできるわけなのですが、そこ
には別の問題が、、、。

子宮内膜がまったく厚くならないのです。

当然、新鮮胚移植は断念せざるを得ず、胚盤胞まで育ってくれた胚を凍結し
て、子宮状態が良いときに移植をすることにしました。

この年齢になると、それぞれの段階で、それぞれの問題と直面するようにな
りますね。

そんなわけで、その頃の私と言えば、何かとネガティブに物事をとらえ、自
ら発する言葉も、「ダメかもしれない」、「もうタイムリミットまで数ヵ月
しかない、、、。治療もこのまま終わってしまうのだろうな」と、焦りと不
安でから、ついマイナスな発想、発言ばかりになっていたと思います。

現実的な確率をみてみると、そう思うのも当然なんですけどね。

でも、そんな私を見かねて友人が、「あきらめないで!」と喝を入れてくれ
たのです。

「タイムリミットがあるなら、その数ヵ月、全力で頑張ろうよ」と励まされ、
ハッと気づきました。

そうなんですね、大切なことは客観的な妊娠予測をすることではなく、後々、
後悔しないようにすることなんですからね。

「後悔だけはしたくない。納得がいくまで残り数ヶ月、自分の出来る事を精
一杯頑張ろう!なに弱気になっていたのだろう」と、スイッチがオフからオ
ンに入った感じでした。

後悔しないように、今、出来る事をやろう!それだけ・・・。

このメルマガでもお伝えしてきましたが、「冷取り大作戦」と称して、朝の
ウォーキング、冷取りソックスの活用、食生活の改善、就寝前の足もみ、当
社サプリメントと漢方薬の服用と、色々と気を付けて頑張りました。

それで、今から振り返ってみると、最初は子供を授かる為に頑張ろうと始め
たのですが、その内に自分の体調の変化を実感するようになって、長い目で
見れば、自分が健康になる体づくりになることに気づいたのです。

そして、あまり子供のことは意識し過ぎることなく、血液やホルモンの巡り
のよい健康な体になってやるぞ!という感覚で取り組むようになっていた気
がします。

その結果、昨年12月に採卵できた1個の卵子が胚盤胞まで成長してくれて、
今年2月に転院後はじめての凍結胚移植を行い、そして、今に至ったわけで
す。

約2年半の不妊治療でしたが、私にとって中身の濃い2年半でした。

色々経験したことで、命の誕生は神秘的で本当に奇跡だと身を以て実感して
います。

何が効果があったのか、未だにわかりません。

自分の体調が少しでも変化する事の嬉しさと楽しみを実感できたのは、「冷
取り大作戦」を実践したからこそだ思っていますし、今後も継続していくつ
もりです。

気が付けば主人とのタイムリミットも過ぎ、また1つ年を重ねて43歳にな
りました。

このぐうたらな私が、この年齢で授かる事ができたのです。

読者の皆様も、後悔のないよう、あきらめず、妊カラを参考にしていただい
て自分の出来る事を続けていれば、きっと、思いは通じると信じています。

長きにわたり私の「これまでの事」を読んでいただき、ありがとうございま
した。

次号からは、また皆さんの役に立つ情報を私の目線でお届けして行きたいと
思っています。

■「カラダづくり」に関する記事をPickUp!

・質のよい卵子を育むための90日間体質改善計画
http://www.akanbou.com/topics/topics/023.html

・血液の循環をよくして妊娠しやすいカラダをつくる
http://www.akanbou.com/topics/topics/040.html

・腸内環境を整えて妊娠しやすいカラダをつくる
http://www.akanbou.com/topics/topics/042.html

・妊娠しやすいカラダに最適化しよう
http://www.akanbou.com/topics/topics/024.html

・そして、信じること
http://www.akanbou.com/column/henshuuchou/20100124.html

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 妊 カ ラ 編 集 室 か ら
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株式会社パートナーズの細川です。いつもメルマガを読んでいただきありが
とうございます。今回は、おりいってのお話しです。それは一緒に働いてく
れるスタッフの募集についてです。

私たちは、このメルマガをはじめ、ウェブサイトやモバイルサイトを通じて、
お子さんを望まれるカップルを応援しているのはご存知いただいている通り
です。

そして、その一環として、ドクターと共同開発したサプリメントをクリニッ
クや病院、一般の方々に販売しています。

この度、営業事務の方を募集することにしました。

具体的にはフルタイムの内勤で、日々の受注や管理業務です。

どちらかと言えば、業務的には、正確さや確実さが求められますが、職務的
には、当社の全ての業務は"お子さんを望まれるカップルを応援する"こと
によって、お客様と喜びを共有することに直結するような仕組みをつくって
きましたので、その仕組みをよりスムースに動かすために、アイデアを考え
たり、工夫することに喜びを感じていただける方、明るく活気のある職場で、
チームで仕事したいという方を求めます。

そんな方と一緒に仕事ができれば、私たちも嬉しいです。特別な専門知識や
業務経験は一切問いません。

募集要項は以下の通りです。

募集人数: 1名
勤務時間:9:00~17:00(土、日、祝休み)
勤務形態: アルバイト(状況に応じて正社員採用を検討させていただきます)
職種: 営業事務
勤務開始日:できるだけ早い時期
勤務地: 横浜市港北区大倉山(東急東横線大倉山駅徒歩3分)
応募方法:メールで「履歴書」「職歴」(形式は自由)を送ってください。
送り先アドレス:info@nature-g.com
※件名に「リクルート」とお書きください。
応募締切:2012年5月10日(木)
※決まり次第、募集を締め切りますのでご了承ください。

一緒に働くことができるのを楽しみにしています。


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 株式会社パートナーズ運営サイト
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私たちはお子さんを望まれるカップルを応援しています。

▼不妊に悩む夫婦の自己決定を支援する情報サイト
→「妊娠しやすいカラダづくり」
http://www.akanbou.com/

▼妊カラ・男性不妊編
→「男性不妊 ~ ふたりで知っておきたいオトコのこと」
http://www.akanbou.com/dansei-funin/index.html

▼医師がサポートするサプリメントセレクトショップ
→「ネイチャーズギフト」
http://www.nature-g.com/

▼ドコモ、au、ソフトバンク公式携帯サイト
→「おしえて!不妊ナビ」
http://funinavi.edia.ne.jp/index.html

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ツイッターからも情報を発信しています
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ツイッターからもさまざまな情報を発信しています。サイトに紹介するほど
でもない研究報告やトピックなども紹介しています。よければフォローくだ
さい。また、皆さんの声もお聞かせいただければ嬉しいです。

・妊娠しやすいカラダづくりツイッター
http://twitter.com/ninkara


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 編 集 後 記
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ウォーキングが不安感や気力の低下など、うつ症状を改善するために役立つ
との研究結果がイギリスのスターリング大学の研究チームから発表されてい
ます。

合計で341人のデータを含む8つの研究データを統合し、分析した結果、
ウォーキングは「うつ」の有効な対処法であって、他の激しい運動と同様の
効果をもつことを示しています。

従来から軽度のうつには運動することが勧められていましたが、そもそも、
そんな気力も起こらないのがうつです。

ですから、たとえ、散歩程度でも効果があるというわけですから貴重な研究
結果と言えると思います。

ちょっと、気分が落ち込んだり、ふさぎこんだりしたときは、ウォーキング
をお勧めします。


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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.462
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com
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◎配信部数
・自社配信: 201部
・まぐまぐ:5,001部
・合計部数:5,202部(4月22日現在)
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