精一杯、不妊治療を受けて、それでも授からなければ、それも使命と

06.04.15

お名前  ゆき さん 性別  女性 年齢  40歳 結婚歴  5年6ヶ月
不妊期間 4年1ヶ月 不妊治療期間 3年1ヶ月

妊娠に至った治療内容

腹腔鏡手術(内膜や筋腫の大きさのチェック)
タイミング+クロミッド 2回
人工授精 8回
体外授精 2回 :日本1回、NY1回(妊娠に至る)

妊娠に至った経緯

NY在住です。
私の場合は原因不明不妊でした。
それだけに人工受精の回数を重ね、失敗するたび、落ち込み具合が深くなっていった気がします。
アメリカでの体外受精は1回のサイクルで約100万円以上かかるため、保険が効かなくても、飛行機代をいれても約半額の値段で受ける事が出来る日本で、1回目の体外受精を受けました。
結果はX。
体外受精を受ければ、妊娠できるものと思っていたため、かなり落ち込みました。

NYではNY州の政府が金銭的に体外受精をヘルプしてくれるプログラム(抽選)があると聞き、日本に帰国する前から申し込んでいました。
このプログラムは条件があり、不妊期間2年以上、30才以上のNY在住の妊娠するに耐えうる体をもつ健康な女性に限られています。日本から戻った3ヶ月後、このプログラムに当選したと連絡があり、今年3月に体外受精を受ける事が出来ました。
自己負担は体外受精全費用の約20%でした。

日本とアメリカの体外受精の両方を受けて、かなり違うなあと実感しました。
日本で受けたときは受精卵は2つまでしか移植しない(2つ戻すのも3つ以上戻すのも妊娠率はかわらないという)ポリシーでした。(実際、この時は2つしか受精しなかったんですが。。)
アメリカでは4つ受精したので、4つとも戻しました。

また、日本では、移植後、無理をしなければ、普通に生活してもよい。とドクターからいわれていましたが、NYでは、移植後、その日は家に戻ると、ベットレスト、お手洗い以外は歩き回らない。翌日も仕事は休み、家でリラックスするように、お腹に力を入れないなどと細かい注意をうけました。
また、当分の間、シャワーはOKだが、 入浴、ジャグジーにはいることは御法度。(体温が上がりすぎると受精卵によくないとの理由)

印象では、日本では受付けの方もナースの方もみなさんがやさしく、移植後にケーキ とお茶のサービスがあったのが日本らしい、キメ細かさだと感じました。
アメリカではすべてがビジネスライク。
いい人もいるけど、表情一つ変えないナースもいたりして、これには閉口。。
アメリカでサイクルが始まって卵胞のサイズを計るモニターは3日毎で、hmgの種類と量も細かく変えられました 。
「なにがなんでも、患者を妊娠させたい」 という意気込みがドクター&ナースから感じ取られました。妊娠率を少しでも他のクリニックより上げたいというのが本音なのでしょう。
アメリカのビジネスライクには少し戸惑いましたが、その反面、血液検査で良い結果が出て、念のために再度、血液検査を受けにクリニックに行ったとき、受付けの人、 ドクター、ナースがハグしてくれ、おめでとう!と連発してくださった時は、涙がでてきました。

妊娠しやすいカラダづくりのために実行したこと

葉酸、鉄分をとるようにこころがけました。
サプリメントからもとっていましたが、自家製野菜ジュース(ニンジン、パセリ、ピーマン(ときどきほうれん草)、オレンジジュースをミキサーにかける)を毎日、かかさず飲んでいました。
この野菜ジュースを飲みはじめて、不思議と便秘も解消されました。便秘は敵なので、現在も続けています。

不妊改善中の方へひと言

不妊治療をしていくうち、どうして、わたしだけ。。
わたしが何、悪い事をしたの?っ てマイナスにばかり考える時期がありました。
この時は人生のどん底にいるような気がしていました。
これは、不妊治療をうけている人にしかわからない妬みや怒りと悲しみだとおもいます。
でも、 一度目の体外受精に失敗した頃、主人と相談し、自分の年齢を考えて、あと2年以内に妊娠しなければ、養子縁組も考えるようになっていました。
そのころから、わたしには違う道がある。
自分の血がつながった子どもでなくても、わたしが育てるのなら、わたしの子どもにちがいない。
そして養子なら自分の年齢制限がないことも。。。
わたしがいままで悩んできたこと、不妊治療をうけている人しか解らない、妬みや怒り、悲しみ、これらの体験は決して自分の人生の中で無駄にはなっていない。生命の尊さを普通の人よりもっと学ぶ事が出来た。と思えたんです。
精一杯、不妊治療して、それでも授からなければ、それはそれで使命だと、思うようになったころ、ふっと気分が軽くなりました。
重い、重い両肩にのしかかっていた何かが、ふっと消えた気がしたんです。
そして、自分の為にもうすこし充実した時間を過ごそうと、陶芸クラスに参加しました。陶芸をしている時は本当に楽しくて、不妊のことすら忘れるようになっていました。

その軽い気分のまま、2回目の体外受精をうけ、今回の妊娠に至りました。
ダメでもともと。とおもっていました。
結果がでる2週間は、やはり、「このお腹に赤ちゃんのもとがいるかなあ。。」と考えない日はなかったのが本音ですが。。

その他、ご自由に

不妊治療はゴールが見えない治療です。そして長くなれば長くなるほど辛い治療です。
もし、わたしのように、落ち込んでいる方がいれば、どうか、リラックスできる手段を見つけてください。
そして、体外受精に挑戦する方、100%それに集中しないで、なにか、趣味などをはじめてみるのもいいかも。。
とても気持ちが軽くなります。
ひとりでも多くの方が、我が子が欲しいと、我が子をこの手に抱きたいと思っている方、ほんとうに応援しています。
皆さんの元に天使がやってきますよう、お祈りしています。

編集室より

おめでとうございます!

それぞれの国で、それぞれの考え方があるようですね。
多くの方々に勇気を与えていただけたのではと確信しました。

詳しく報告頂き、本当にありがとうございました。