BMIや喫煙習慣が体外受精の治療成績に及ぼす影響

妊孕性に影響する因子

2010年09月02日

Human Reproduction

喫煙習慣や肥満は、高齢とともに体外受精の治療成績を低くすることが、ニュージーランドとオーストラリアの治療成績を比較することで明らかになりました。

ニュージーランドでは体外受精に保険を適用する条件として、タバコを吸わないこと、BMI(体格指数)が32未満であることとしているのに対して、オーストラリアではそのような条件はありません。

そのことが治療成績にどのような影響を及ぼすのかを調べるために、2004年から2007年の新鮮胚を用いた116111治療周期の治療成績を比較しました。

その結果、妊娠率は、ニュージーランドのほうが顕著に高く、ニュージーランドが37.5%だったのに対して、オーストラリアでは31.2%でした。

年齢別の出産率では、
35歳未満ではニュージーランドが31.6%、オーストラリアが26.0%、
35歳以上39歳以下では、それぞれ、26.1%、17.6%、
40歳以上では、それぞれ、12.4%、6%と、
全ての年齢において、ニュージーランドのほうが良好でした。

研究チームは、ニュージーランドの保険適用の条件が、体外受精の良好な治療成績につながっているのではないかとしています。

コメント

40歳代の女性の治療周期の割合はオーストラリアのほうが高く、単一胚移植周期の割合はニュージーランドのほうが高かったようですので、決して、単純な治療成績の比較は出来ないと思いますが、全体の傾向としてはニュージーランドの治療成績のほうが良好であることは明らかです。

このことは、体外受精による妊娠の可能性を高めるには、早く(年齢的に)治療を受けること、そして、健康なカラダをつくることであると言えます。