体外受精出生児ではある種類の先天性異常の発症率が高い

不妊治療のリスク

2008年11月18日

Human Reproduction

体外受精の出生児では、ある種類の先天性異常の発症率が、自然妊娠の出生児に比べて高いことが、アメリカ政府機関のCDC(疾病管理センター)の調査で明らかになりました。

CDCの研究チームは、1997年10月から2003年12月の間に10の州で出生した、先天性異常の子ども約13500人の母親とそうでない子ども5000人以上の母親を対象に調査しました。

その結果、高度生殖医療によって出生した子どもは、先天性異常のない子どもでは約1%だったのに対して、先天性異常の子どもでは2.4%だったことが分かりました。

以下の高度生殖医療による出生児では以下の先天性異常の発症率が高かったとのこと。

・心房の異常 2倍
・口唇口蓋裂 2.4倍
・食道閉鎖症 4.5倍
・肛門奇形 3.7倍

ただし、CDCはこれらの先天性異常が体外受精によるものであるとしているわけではありません。

コメント

被験者はすべて多胎ではなく、一人子とのこと。

ただし、CDCは、これらの先天性異常の発症率の増加が、体外受精が原因であると断定しているわけではありません。

また、発症率が2倍~4.5倍と聞くと、一見、 大変な増加のように思えますが、もともとの発症率が何千人、何百人に1人といった割合であることも知っておく必要があります。

一般的には体外受精の最も大きなリスクは多胎妊娠であるとされています。

いずれにしても、ステップアップを検討する際には、そのプラス面、マイナス面を知っておくことが大切です。

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