BMI(体格指数)が体外受精の成績に及ぼす影響

妊孕性に影響する因子

2008年11月11日

International of Gynecology & Obstetrics

肥満は体外受精の成績に大きく影響することが、イスラエルで実施された試験で明らかになりました。

イスラエルのBarzilai Medical Centerの研究チームは、体外受精の516の治療周期を、患者の女性のBMIを30以上と30以下に分けて、治療成績を比較しました。

その結果、BMIが30以下の女性の周期あたりの妊娠率は27.9%であったのに対して、BMIが30以上の女性のそれは、15.4%でした。

そして、BMIが高い女性ほど、卵巣刺激に要する期間が長く、多くの量の排卵誘発剤が必要とされ、受精率も悪かったとのこと。

また、排卵誘発剤の効き目が悪いプアレスポンダーの割合は、BMIが30以上の女性では28.2%、30以下の女性では16.9%でした。

さらに、プアレスポンダーと診断された女性の妊娠率でも、BMIが30以上の女性では4.5%、30以下の女性では23%でした。

このことから、肥満度は大きい女性ほど、体外受精時の治療成績が悪くなることが分かりました。

コメント

肥満は、体外受精時に単に妊娠率が悪くなるだけでなく、採卵のための卵巣刺激時の排卵誘発剤の効き目が悪くなることから、卵巣刺激に要する期間が長くなり、使うお薬や注射の量も多くならざるを得ないようです。

肥満傾向にあるときには、ダイエットに取り組んでから治療に臨むほうが得策なようです。

BMI(体格指数)は、体重÷身長÷身長で算出される体重(体格)の指標のことで、肥満度を比例します。目安は以下の通りです。

18.5未満 やせ
18.5~25未満 標準
25~30未満 肥満
30以上 高度肥満

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