運動は妊娠糖尿病にかかりにくくする

不妊治療のリスク

2006年03月16日

Intenal Medicine

妊娠する前から身体をよく動かしている女性は妊娠糖尿病にかかりにくく、逆に、運動不足の女性は妊娠糖尿病にかかりやすいことが、このほど発表された研究によって明らかになりました。

これまでも小規模の研究によって言及されていましたが、今回発表されたのは、ハーバード大学公衆衛生スクールの研究チームによる最も規模が大きく、最適な方法で実施されたもので、1990年から1998年の間に少なくとも1回妊娠した、「看護師の健康調査(Nurses Health Stude Ⅱ)」に参加した 21,765の女性を対象としました。

BMIや食事、その他の要因を排除した結果、最も活発に運動するグループの女性23%が最も妊娠糖尿病にかかりにくいことが判明しました。
また、それほど激しい運動でなく、ウォーキング(早歩き)する女性は、散歩程度しかしない女性に比べて、妊娠糖尿病にかかるリスクが34%低かったようです。
毎日、30分の早歩きと15段の階段を上る女性は、同様に、積極的に運動をしない女性に比べて妊娠糖尿病にかかるリスクが低かったとしています。

さらに、毎週、20時間以上テレビをみて運動をしない女性は、週に2時間以下しかテレビをみない女性に比べて、妊娠糖尿病にかかるリスクが2~3倍であることも明らかになりました。

コメント

妊娠糖尿病は妊娠中に特有の合併症として知られています。

妊娠中は胎盤から血糖値を上昇させるホルモンが大量に分泌されるため、妊娠すること、そのものが血糖値が上がりやすくなるため、もともと、糖尿病予備軍であった女性は発症しやすくなります。

食事療法によってコントロールし、出産後は治癒しますが、妊娠糖尿病を発症した女性の多くは、その後、2型糖尿病を発症することが知られています。

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