体外受精で出産した母親は産後の子育てに軽いうつを感じやすい

その他

2005年08月25日

Fertility and Sterility Aug.2005 Vol.84 P.426-430

体外受精や顕微授精等の高度な不妊治療によって妊娠し、子供を出産した女性は、出産後に気分の変調を訴えたり、子育てに苦痛を感じたりしやすくなることが、オーストラリアの研究で明らかになり、生殖医療専門誌「Fertility and Sterility」に掲載されました。

調査は、子育てへの気分的な障害があったり、疲弊している母親を専門にケアする病院で実施され、745の事例を対象とし、内526例は妊娠の形態が判明しています。

それによりますと、高度な不妊治療を受けて子供を出産した母親はの6%で、全ての出産に占める高度な不妊治療による出産の割合が1.5%であることから考えると、高度な不妊治療を受けて子供を出産した母親は、産後の子育てに気分的な障害をもちやすいことが明らかになりました。

研究者は、高度な不妊治療で妊娠した女性に対しては、出産前後の特別なケアが必要であると指摘しています。

コメント

不妊治療では、妊娠することに神経が集中しがちではありますが、現実には、体外受精や顕微授精では自然妊娠に比べて流産や多胎の割合が高かったり、治療を受けたことの影響への心配もあったり、むしろ、妊娠後のケアが大変重要であることが今回の調査結果からも明らかです。

実際には、不妊治療を受けた施設で出産できるケースは少ないことから、不妊治療を受ける施設と出産する施設が連携してケアに取り組む体制になるかどうか、事前に調べておいたほうがよいと思います。

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