体外受精の出生児への影響は?

不妊治療のリスク

2004年11月30日

Charlotte Observer

体外受精によって生まれた子供は、自然妊娠で生まれた子供に比べて、健康や成長において、なんらかのハンデキャップがあるのだろうか?専門家の見解は、但し書き付きではあるけれども、ほぼ心配する必要がないとしています。

まずは、体外受精で出生した子供を8歳までの追跡調査した結果、体外受精で出生したことと成長障害、ガン、奇形等の問題との関連性は見出せなかったとしています。
ところが、体外受精によって、早産につながる多胎妊娠のリスクが高まるということがあります。
さらに、たとえ、1人の妊娠でさえ、早産や低体重児、出生後1週間以内の死亡の確率は、自然妊娠の子供に比べて、2倍になるとのデータもあります。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校の不妊専門医は、体外受精による妊娠は、たとえ、多胎妊娠でなくとも、高いリスクを抱えているとの見解を述べています。

26年前に始まった体外受精は、いまや、世界中でポピュラーになりましたが、それによる子供への障害の懸念は常についてまわっています。

コメント

日本国内で初めて体外受精児が誕生したのは、1983年で、既に、20年以上たち、年々その数は増え、現在は、出生児の1%が、体外受精によって生まれていると言われています。

体外受精や顕微授精といった高度な生殖補助医療技術によって、これまで、妊娠を諦めざるを得なかった夫婦でも妊娠が可能になりました。ところが、複数の胚(最大3個まで)を子宮に戻すために、多胎妊娠、要するに、双子や三つ子になる確率が自然妊娠にくらべて高まります。そして、その結果、母子ともにさまざまなリスクが高まることになるという側面も、正しく認識しておく必要があります。

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