不妊治療進み多胎児の入院が増える

不妊治療のリスク

2004年09月22日

南日本新聞 2004/09/21

鹿児島市立病院の新生児センターに入院する多胎児が増えつづけています。原因は、体外受精などの不妊治療による出生児が増加しているために、低出生体重児(未熟児)で生まれるなどの入院を必要とする多胎児が増えたからです。

体外受精では妊娠の確率を高めるため、複数の受精卵を子宮に戻すことが多く、双子や三つ子なのど多胎児が生まれる可能性が高い。

多胎妊娠の場合、妊婦は早産や合併症が心配されます。
また、胎児は未熟児で生まれる」ことが多く 、その場合は、入院管理が必要になってきます。

同センターに入院した多胎児の割合は、5%前後だった1980年代以降徐々に上昇し、2003年には、17%に達し、812人中、136人を多胎児が占めたとしています。
中でも目立ってきたのが、体外受精や排卵誘発剤による不妊治療で生まれた多胎児で、91年は入院した多胎児72人のうち不妊治療による多胎児は8人(11%)だったのに対し、ここ数年は40%程度で推移し、03年は136人のうち49人(36%)が不妊治療による多胎児だったそう。
多くが未熟児で、体温、栄養管理などの集中治療を必要としたといいます。

センターの医師は、「不妊治療自体は必要不可欠」とした上で、「治療の成功は、赤ちゃんが元気に家に帰ること。妊娠管理や育児に対する支援も考えていかなければならない。」と話しています。

コメント

日本産婦人科学会の体外受精・胚移植等の臨床実施成績の平成13年の治療成績によりますと、多胎妊娠の割合は、20.9%となっています。