摂食障害が不妊症を招く

不妊原因になる病気

2004年08月04日

毎日新聞(2004/08/04朝刊)

最近、アレルギー、偏食、孤食が子供たちに急増し、食の在り方が乱れる中、学校などで食を考え直す取り組みを紹介する「食育の現場から」というシリーズが毎日新聞に連載中です。そのシリーズ第2回で、「摂食障害と不妊症の関係」が指摘されています。

若い女性が無理なダイエットで摂食障害を起こすケースがあり、最近の研究では、女性が3ヶ月から1年間に体重を10~30%減らすと、無月経になる確率が高くなると指摘しています。

また、初経年齢と食生活の関係を調査したところ、8~10歳の早期に初経を迎える女性ほど豆腐・豆製品、卵、淡色野菜を食べており、初経が13才以降という女性では、朝食抜きや孤食が多かったとのこと。そして、子供のころに栄養バランスの悪い食生活を送ると、女性の場合には大人になって不妊という形でつけが回ってくる可能性があると指摘しています。

結論として、不妊治療や思春期医療が専門の札幌医大の藤井美穂講師は、食習慣は子供の頃に築かれるので、大人になって急に変えようと考えても難しい。
思春期のうちから、栄養のバランスのとれた楽しい食事をする習慣づくりが大切であると指摘しています

コメント

間違ったダイエットで月経がなくなったり、不順になって、妊娠しづらくなるケースは大変多く報告されるところで、長年の間違った食生活が不妊の遠因になることは既によく知られているところです。

摂食障害は、主に「拒食症」と「過食症」です。
全く食事が出来なくなってしまたり、食べても吐いてしまう、逆に食べだしたら止まらない、といった食生活の異常な状態のことです。
行き過ぎたダイエットがきっかけになることが多いようです。

専門家が指摘している通り、食生活は子供の頃から正しい意識と方法を身につけさせることが肝要です。
記事は、学校で食を考えなおす「食育」という取り組みを紹介していますが、事は、学校教育だけの問題ではなく、家庭内の教育、いや、教育というよりも食事に限らず、習慣とは知らず知らずの内に親から子へと伝播するもの。親自身が正しい食の在り方を身につけることが先決ではないかと思います。

そんな観点から考えると、現在、なかなか妊娠しないことに悩む夫婦にとっては、今、食生活を根本から見直すことは、「妊娠するためのカラダづくり」に止まらず、やがて生まれくる子供の将来的な健康にもかかわってくることなのではないでしょうか?
責任重大です。

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