メルマガ

VOL.994 妊娠中のビタミンDサプリメントと出生児のアトピー発症リスク

2022年07月10日

____________________________________________________________________

 妊娠しやすいカラダづくり No.994            2022/7/10
____________________________________________________________________


今週の内容__________________________________________________________

・最新ニュース解説:妊娠中のビタミンDサプリメントと出生児のアトピー発症リスク
・当社製品&サービス
・編集後記


最新ニュース解説 Jul. 2022___________________________________________

妊娠中のビタミンDサプリメントは出生児のアトピー発症リスクを低くする
-----------------------------------------------------------------------
妊娠中にビタミンDをサプリメントで補充すると、生まれてくる赤ちゃんの1歳までにアトピー性皮膚炎にかかりにくくなることが、イギリスで実施された研究で明らかになりました(1)。

アトピーや喘息などの小児アレルギーは、早ければ出生後数週ではじまることから、胎内環境にアレルギーの発症に関与する因子が存在するのではないかとの考えから、出生前の胎内環境と児のアレルギー発症の関連についての研究が数多くなされています。

それらの因子の1つが、ビタミンDで、ビタミンDの働きの一つに免疫調節があるからです。

ただし、これまで、妊婦のビタミンD濃度と出生児のアトピー発症リスクとの間には、相関関係があることは多くの研究で確かめられていますが、妊娠中にビタミンDをサプリメントで補充すると、出生児のアトピーが予防できるかどうかは、明確な結論が出ていません。

◎どんな研究だったのか?
イギリスのサウサンプトン大学の研究チームは、700名以上の妊婦をランダムに2つのグループにわけ、一方にはビタミンDのサプリメント(352名)を1日に1,000IUを、もう一方にはプラセボ(351名)を、それぞれ、妊娠14週から出産まで摂取してもらい、出生児の12ヶ月、24ヶ月、48ヶ月時点でのアトピー性皮膚炎の発症リスクを比較しました。

◎どんな結果だったのか?
ビタミンDのサプリメントを摂取していた母親から生まれた子どもは、プラセボを摂取していた母親から生まれた子どもに比べて、1歳までのアトピー性皮膚炎発症リスクが低いことが明らかになりました。

また、1ヶ月以上母乳で育てられた子どもは、ビタミンDのサプリメント補充の効果がより大きいこともわかりました。

◎ビタミンD
ビタミンDは、骨の健康に関わる脂溶性ビタミンとして知られていますが、最近、妊娠や出産にも重要であることが知られるようになっています。

ビタミンDが充足している女性は、ビタミンDが不足、欠乏してしている女性に比べて、体外受精の治療成績が良好であるという研究結果が発表されています。

ビタミンDの作用に細胞の分化があり、卵胞の発育に必須ですし、免疫調節作用は着床や妊娠の継続にも重要な役割を担います。

さらに、カルシウムと骨の代謝調節作用は胎児に成長に重要で、最近の妊婦のビタミンD不足が新生児のくる病増加を招いています。

このように、妊娠後の母子の健康、さらには、子どもの出生後の健康にも影響することもわかっているため、妊娠前からビタミンDを充足させておくことが大切です。

今回の研究で、妊娠前だけでなく、妊娠後も出産までビタミンDサプリメントを1日1000IU補充すること、そして、出産後の母乳育児が、子どものアトピー性皮膚炎の予防に有効であることが示されました。

このことは、ビタミンDが充足している母親からビタミンDが母乳を介して乳児に移行し、その結果、アトピーにかかりにくくなることが示唆されています。

ただし、その効果は子どもが1歳時点までであったことから、卒乳後もビタミンDを十分に摂取させることが必要であるということかもしれません。

このことを裏付ける研究結果が、昨年、報告されています。

◎重度のアトピー性皮膚炎小児へのビタミンDサプリメント
標準治療に加えてビタミンDサプリメントを摂取してもらうことで、重度のアトピー皮膚炎のある子供の症状の改善率が向上したという研究で、エジプト・マンスーラ大学による今回の研究同様、無作為化プラセボ対照研究として実施されています(2)。

研究は、重度のアトピー性皮膚炎の小児86名をランダムに2つのグループに分け、アトピー性皮膚炎の標準治療に加え、一方のグループにはビタミンDサプリメントを1日1300IU、もう一方のグループにはプラセボを12週間摂取してもらい、改善率を比較しました。

その結果、炎症性皮膚症状改善の割合は、プラセボ群で42%、ビタミンD群では56%と、ビタミンDを摂取したグループのほうが改善率が有意に高かったとのこと。

妊娠中の栄養状態は、生まれくる子どもの健康に直結しています。

文献)
1)Br J Dermatol. 2022 doi: 10.1111/bjd.21721. Online ahead of print
2)Pharmacol Res Perspect. 2020;8: e00679.

ビタミンD関連)
・VOL.989 これからの季節、紫外線の避け過ぎに要注意!
https://www.akanbou.com/mailmagazine/20220605.html

・VOL.977 ビタミンDは女性だけでなく、男性にも重要
https://www.akanbou.com/mailmagazine/20220313.html

・VOL.962 女性の年齢が高くなるほどビタミンD不足に要注意
https://www.akanbou.com/mailmagazine/20211128.html

--------------------------------------------------------------------
記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


当社製品&サービス________________________________________________

・BABY&ME~新しい命のための環境づくり
 https://babyandme.jp/

・翻訳書:妊娠しやすい食生活
 http://www.akanbou.com/shoku/

・お勧めの本:妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
 http://www.akanbou.com/bookguide/


編集後記____________________________________________________________

赤ちゃんにとって、ビタミンDが充足していつか、不足しているか、健康に及ぼす影響が大きいようです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]     VOL.994
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
お子さんを望まれるカップルの"選択"や"意志決定"をサポートします。
--------------------------------------------------------------------
不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出来る限り客観的な視点でお届けしています。
--------------------------------------------------------------------
発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://partner-s.info/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎発行部数
・自社配信: 1,243部
・まぐまぐ: 2,287部
・合計部数: 3,530部(7月10日現在)
--------------------------------------------------------------------
◎免責事項について
当メールマガジンの提供する情報は医師の治療の代わりになるものでは決してありません。プログラムの実行は各人の責任の元で行って下さい。プログラムの実行に伴う結果に関しては、当社の責任の範囲外とさせて頂きます。
--------------------------------------------------------------------
◎注意事項
読者の皆さんから寄せられたメールは、事前の告知なく掲載させていただく場合がございます。匿名などのご希望があれば、明記してください。また、掲載を望まれない場合も、その旨、明記願います。メールに記載された内容の掲載によって生じる、いかる事態、また何人に対しても一切責任を負いませんのでご了承ください。
--------------------------------------------------------------------
◎著作権について
当メールマガジンの内容に関する著作権は株式会社パートナーズに帰属します。一切の無断転載はご遠慮下さい。