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VOL.874 男性にとっても妊娠の成立は通過点

2020年03月22日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.874 2020/3/22
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・最新ニュース解説:男性にとっても妊娠の成立は通過点
・当社製品&サービス
・人材募集のお知らせ
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2020年3月22日 曇り時々雨、のち晴れますように
不安とうまく付き合う方法
https://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20200322.html
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最新ニュース解説 Mar.2020___________________________________________

 男性にとっても妊娠の成立は通過点
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妊娠前の男性の高血圧や高脂血症、糖尿病、肥満などのメタボ疾患が、早産や低出生体重児、NICU(新生児集中治療室)への入院のリスクを高めるおそれがあることが、アメリカのスタンフォード大学の研究(※)で明らかになりました。

これまで妊娠前の女性の健康や栄養状態が妊娠や出産のリスクに影響することが知られていました。

そもそも、胎児は母親になる女性のお腹の中で育まれるわけですから、胎内の栄養状態が胎児の成育や健康に影響することは、直感的に理解できます。

ところが、妊娠前の父親になる男性の健康状態が胎児、そして、ひいては、出生児の健康にまで影響するかもしれないというのです。

すぐには理解に苦しむところです。

◎どんな研究だったのか
2009年から2016年に米国で生まれた785,809名の単胎児を対象に、The IBM Marketscan Research databaseという、事業主提供の健康保険の加入者の外来や入院患者の受診医療費請求データセットを使って、妊娠前の父親と母親の健康状態と早産や低出生時体重児、NICUへの入院、さらには、母親の妊娠や出産のリスクとの関連を調べています。

アメリカでは、病院やクリニックでの治療や処置はCPTコードと呼ばれる記号で表され、保険会社に申請されるそうです。

今回の研究では、そのデータにアクセスし、新生児の両親が、いつ、どの病院(外来、もしくは、入院)で、どんな疾患にどんな処置を受けたのかを抽出して、妊娠前の両親の疾患との関連を解析しています。

これまでのこのような研究では最大の規模です。

◎どんな結果だったのか
全体の6.6%が妊娠37週未満に生まれた早産児で、父親にメタボ疾患があることは出生児の早産や低出生体重児、NICUへの入院のリスクの増加と関連したことがわかりました。

母親の健康状態の影響を統計学的に排除した後、父親のメタボリックシンドロームの合併症の増加と関連したオッズ比は、早産で1.19、低出生体重児で1.23、NICUへの入院で1.28でした。

さらに、母親の妊娠糖尿病や妊娠高血圧症などの発症も妊娠前の父親にメタボ疾患に関連したとのこと。

妊娠前も父親の健康状態の影響は母親のそれに比べて、決して、それほど大きくありません。

ところが、今回の研究のデータは、健康な子どもの妊娠、出産には妊娠前の父親の健康も重要であることを示しています。

◎遺伝子のオンオフの調節機構が関与している可能性
男性不妊、すなわち、男性の精子の質が妊娠しやすさに影響するのはわかりますが、妊娠前の男性の健康状態が母子の妊娠や出産のリスクに関連するとは、にわかには信じがたいことです。

もちろん、今回の研究ではそれらが統計学的に有意な相関関係にあることを見出しただけで、それらの因果関係や原因を明らかにしたわけではありません。

ただし、研究グループは、それらの関連はエピジェネティクス、すなわち、遺伝子のオンオフの調節機構が精子を介して、胎盤や胎児に影響し、出生児だけでなく、母親の妊娠、出産のリスクにまで影響を及ぼした可能性を指摘しています。

◎男性にとっても妊娠成立は通過点
お子さん望むカップルの男性パートナーには、妊活や不妊治療への理解度や協力度について話題になることが多いようですが、男性の健康状態は妊娠の成立だけでなく、妊娠後の母子の健康にまで影響するとなれば、もはや、男性にとっても、妊娠は通過点にしか過ぎないことを世の男性は知っておくべきではないでしょうか。


文献)
※)Fertil Steril 2020 doi.org/10.1016/j.fertnstert.2019.12.026

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・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
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・翻訳書:妊娠しやすい食生活
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私たち、株式会社パートナーズでは、医療機関への製品やサービス提供のサポート及び、Eコマースに携わってくれるスタッフを募集しています。

詳細は以下のサイトをご覧ください。
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編集後記____________________________________________________________

新型コロナウイルスの感染の広がりが心配な毎日ですが、こんな時にこそ、健康維持の基本、バランスのよい食事と適度な運動、質の高い睡眠を規則正しいリズムで繰り返すこと、そして、正しい情報に接することでがとても大切ですね。

驚くことに妊活の基本と全く同じです。

以下のサイトで私たちがどのように生活するのが大切か、一発で理解できます。
https://www.washingtonpost.com/graphics/2020/health/corona-simulation-japanese/


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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]      VOL.874
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編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
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