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VOL.861 不妊治療を受けていても性生活がベースであることに全く変わりはない

2019年12月22日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.861 2019/12/22
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・トピックス:不妊治療を受けていても性生活がベースであることに全く変わりはない
・お知らせ
・当社製品&サービス
・人材募集のお知らせ
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2019年12月16日 曇り時々雨、のち晴れますように
仕事と治療と結婚生活と
https://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20191216.html
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トピックス Dec.2019________________________________________________

 不妊治療を受けていても性生活がベースであることに全く変わりはない
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11月に神戸で開催された日本生殖医学会にハーバード大学のJorge Chavarro先生を招聘し、「生殖機能における栄養」という演題で教育講演を共催させていただきました。

Chavarro先生は、1960年に避妊薬が、そして1978年に生殖補助医療が開発されたことによって、セックスが生殖から完全に切り離され、私たちは生殖なしのセックス、あるいは、セックスなしの生殖をもつ、初めての種となったとして、避妊薬と生殖補助医療がは私たちにとって20世紀の最重要な発明ではないかというお話をされました。

ただ、避妊は高い精度で成功しますが、生殖補助医療の成功率は決して高いとは言えません。

その主たる原因は女性の年齢なわけですが、生殖補助医療はセックスなしの生殖であるという認識が、多少なりとも影響しているように思えてなりません。

あくまで私見ですが、不妊治療、特に、体外受精にステップアップした後は、もはや、セックスは不要であるかのように思っているカップルが少なくないように思えてならないのです。

ところが、不妊治療を受けていても、子づくりのベースは性生活であることに、全く変わりないということはが、多くの研究で確かめられているのです。

そのため、もしも、人工授精や体外受精、顕微授精にステップアップし、妊娠を目指すようになり、性交回数が減った、あるいは、性交しなくなったというカップルがいらっしゃったら、とてももったいないことになっている可能性があります。

まずは、性交は女性の子宮内の着床環境を整える働きがあるという事実があります。

体外受精の移植日前後の性交と妊娠率を調べた研究があります(1)。

478周期の体外受精の1343個の胚移植で、移植時期の性交の有無による治療成績を比較したところ妊娠に至った胚の割合は移植時期に性交があったほうが高かったといいます。

もう1つ、性交や精液の注入と妊娠率の関係を調べたメタ解析(過去の複数の研究のデータを収集、統合し、統計的方法による解析)があります(2)。

トータルで7つの無作為比較対象試験(被験者総数2,204名)では、性交があった、もしくは、精液を注入したカップルのほうが妊娠の確率が23%高かったとのこと。

精液は女性の生殖器官で着床に有利な免疫的働きを促すスイッチをオンにするのではないかと考えられているようです。

また、性交そのものが着床環境を免疫的に整えるように促すというメカニズムも指摘されていて、そのことを確かめた研究があります(3)。

30名の女性に、月経サイクル中の月経期、卵胞期、排卵期、黄体期の4回、唾液を提供してもらい、唾液中の生殖ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)や2種類のヘルパーT細胞(Th1、Th2)が放出するサイトカイン(IFN-γ、IL-4)を測定し、それぞれの値の月経サイクル内の変動と性交との関係を解析しています。

その結果、性交のあった女性では、黄体期に妊娠に有利に働くサイトカインが優勢でしたが、性交のなかった女性ではみられなかったとのこと。

結果はコンドームの使用の有無に影響を受けなかったことから、性交そのものが、月経周期中の免疫反応が妊娠に有利に働くと考えられています。

さらに、男性側にも頻繁に射精したほうが精子の質がよくなり、妊娠率が高まるという研究があります(4)。

1030周期の体外受精や顕微授精の治療成績と男性パートナーの禁欲期間の関係を調べたところ、出産率、着床率、妊娠率とも、禁欲期間が短いほうが成績がよく、禁欲期間が8日以上になるとそれ以下に比べて治療成績が低下したと報告されています。

その理由として禁欲期間が短いほど精子のDNA損傷率が低いからではないかとしています。

いかがでしょうか?

私たちは不妊治療の治療成績に目が行きがちです。

ところが、妊娠、出産したのは人間であり、それは人間に備わった妊娠する働きなのです。

もちろん、自分たちにふさわしい治療を選択することはとても大切なことには違いありません。

ただし、生殖補助医療は、あくまでも、カップルの妊娠しようとする身体の働きを「補助」し、
サポートするものであって、妊娠させてくれるものではありません。

体外受精全盛の時代と言われる現代においてこし、最適な補助を受けることもさることながら、妊娠しようとする身体の働きを高めること、すなわち、性交する、性交回数を多くすることにも、バランスよく取り組むべきではないでしょうか。

身体へのレスペクトを忘れてはならないように思えてなりません。


■文献

1)Hum Reprod. 2000; 15: 2653

2)Hum Reprod Update. 2015; 21: 275

3)Fertil Steril 2014; 104: 1513
4)Fertil Steril 2017; 108: 998.

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編集後記____________________________________________________________

妊活の主体はカップルのカラダの働きですね。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]      VOL.861
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