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VOL.708 妊娠中のオメガ3脂肪酸サプリメントと子のぜんそく

2017年01月08日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.708 2017/1/8
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・最新ニュース解説:妊娠中のオメガ3脂肪酸サプリメントと子のぜんそく
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2017年1月4日 最新ニュース
妊娠中のオメガ3脂肪酸摂取と子のぜんそく発症リスク
http://www.akanbou.com/news/news.2017010401.html
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2017年1月2日 曇り時々雨、のち晴れますように
言葉遊び
http://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20170102.html
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2017年1月1日 編集長コラム
ふたりで「決断」するということ
http://www.akanbou.com/column/henshuuchou/20170101.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


最新ニュース解説 Jan.2017___________________________________________

 妊娠中のオメガ3脂肪酸のサプリメントと子のぜんそく
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妊娠中のオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)のサプリメント摂取は、出生児のぜんそくの発症率を低下させるというデンマークの研究結果が、医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に掲載されました。
http://www.akanbou.com/news/news.2017010401.html

コペンハーゲン大学の研究グループがコペンハーゲン小児喘息前向きコホート研究2010(COPSAC2010)の一環として行われた二重盲検ランダム化比較対照試験で明らかになったものです。

◎ぜんそくの発症は胎内環境にはじまる?

日本小児アレルギー学会によりますと、喘息やアトピー性皮膚炎、食物アレルギーは増加傾向にあり、現在(2016年)、3分の1の子どもたちがなんらかのアレルギー疾患をもっているとのこと。

その中でも、喘息は早ければ、出生後数週ではじまることから、出生前の胎内環境にアレルギーの発症に関係する因子が存在するのではないかと考えられるようになり、数多くの研究が行なわれています。

コペンハーゲン大学によるコペンハーゲン小児喘息前向きコホート研究2010(COPSAC2010)もその一つで、小児ぜんそくの予防法確立を目的とした世界的に有名な研究で、妊娠中のビタミンDやオメガ3脂肪酸のサプリメント摂取の出生児のぜんそく予防の有効性を調べています。

◎妊娠中のオメガ3脂肪酸摂取で子のぜんそく発症率が30%低下

妊娠24週の736名の女性をランダムに2つのグループに分け、一方のグループには1日に2.4グラムのオメガ3脂肪酸を、もう一方のグループにはオリーブオイルを、出産1週間後まで摂取してもらい、その後、5年間追跡調査し、ぜんそくの発症率を調べました。

その結果、695名の出生児の3歳時点でのぜんそくの発症率はオメガ3脂肪酸グループで16.9%、プラセボグループで23.7%で、オメガ3脂肪酸摂取は発症率を30%低下させたことがわかりました。

◎注目すべきはオメガ3脂肪酸の血中濃度で効果が異なること

この研究で注目すべき点は、サプリメント開始時の妊婦のDHAやEPAの血中濃度によって効果が異なることです。

DHAやEPAの血中濃度が高いグループ、中くらいのグループ、低いグループの3グループに分けてみると、低いグループではオメガ3脂肪酸サプリメントが有効であったに対して、高いグループや中くらいのグループでは有効性が認められませんでした。

オメガ3脂肪酸は体内でつくられていない必須脂肪酸です。

つまり、普段の食事でオメガ3脂肪酸があまり摂れていない妊婦ではオメガ3脂肪酸のサプリメントを摂ることで子のぜんそくの発症率が下がったけれども、食事でオメガ3脂肪酸を摂れている妊婦ではサプリメントの効果はそれほどでもないということになります。

◎妊娠前から魚を食べることが重要

私たちは、オメガ3脂肪酸であるDHAやEPAは、ほとんど、魚(魚油)から摂っています。

オメガ3脂肪酸が豊富な油として知られるようになった亜麻仁油やシソ油、エゴマ油に含まれるのは、αリノレン酸です。αリノレン酸が体内で代謝されてDHAやEPAになります。

そのため、亜麻仁油などの油をサラダのドレッシングなどで食べることも効果的ですが、αリノレン酸からDHAやEPAに代謝(変換)される際に働く酵素が遺伝的に少ない人もいますので、魚を食べることがより大切だと考えられています。

◎母親になる女性の妊娠前からの食事が未だ見ぬ子どもの体質に影響を及ぼす

子宮内膜に着床してから出産まで、すなわち、「胚」から「ヒト」に成育するのに必要な栄養素は、100%、胎盤を通して母親から供給されます。

つまり、母親の栄養状態が、そのまま、子どもに移行するというわけです。

母親の妊娠前からの食生活が子どもの出生後の体質を左右するのはこのためです。

考えてみると、至極、当たり前なことではあります。

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記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


当社製品&サービス________________________________________________

・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
 http://babyandme.jp/

・翻訳書:妊娠しやすい食生活
 http://www.akanbou.com/shoku/

・妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
http://www.akanbou.com/bookguide/


編集後記____________________________________________________________

新しい年のはじまりに、いろいろと計画を立てたという方も少ないないと思います。やはり、今年こそ、赤ちゃんに巡り合いたい!という願いを実現すべく、妊娠、出産にふさわしいカラダづくりに励みたいものです。

何かテーマを決めて、楽しみながら取り組みたいものです。

たとえば、食生活を改善するために、玄米ご飯をはじめてみるとか、食日記をつけてみる、運動習慣を身につけるために、週に3回はウォーキングするとか、家でストレッチするのもいいですね。

もしも、今のところ何も考えていないとう方は、何か一つ新しいことにチャレンジしてみませんか?

それを頑張って継続することで、思ってもみなかった効果が得られるかもしれません。

それは、ストレスに強くなれることです。

そもそも、赤ちゃんがやってきてくれるかどうか、私たちの思い通りにならないことです。たとえ、最先端の医療を受けたとしても、です。

だから、どうせ、私たちの思い通りにならないんだったら、何をやっても一緒なんだと受け止めるのか、私たちの思い通りにならないことは仕方なくても、思い通りになることについては、頑張って取り組もうと受け止めるか、この違いは大きいのです。

これまでの心理学の研究によりますと、主体性をもって生活している人のほうが、そうでない人に比べて、ストレスに強く、病気にもかかりにくいことがわかっているからです。

どんな小さなことでも構いません。自分にコントロールできること、自分にできることを、コツコツと続けることで、思ってもみなかったリターンが得られるかもしれないのですね。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]    VOL.708
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不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出来る限り客観的な視点でお届けしています。
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com/
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・自社配信: 1,993部
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・合計部数: 5,448部(1月8日現在)
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