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VOL.704 大切な栄養素の不足は「自己防衛」しなければいけない国

2016年12月11日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.704 2016/12/11
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・編集長コラム:大切な栄養素の不足は「自己防衛」しなければいけない国
・今週のおすすめ本:貧血大国・日本 放置されてきた国民病の原因と対策
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2016年12月8日 曇り時々雨、のち晴れますように
あっというまに12月
http://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20161208.html
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2016年12月5日 編集長コラム
いい加減な情報が氾濫している問題への対処を考える
http://www.akanbou.com/column/henshuuchou/20161205.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


編集長コラム Dec.2016_____________________________________________

 大切な栄養素の不足は「自己防衛」しなければいけない国
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厚生労働省は、先月、「平成27年国民健康・栄養調査」の概要を発表しました。
https://goo.gl/AZrCJ3

その中で栄養素の摂取状況が、7,456人(男性3,502人、女性3,954人)の解析データで公開されており、現在の日本人の平均的な栄養素の摂取状況を知る目安になります。

一方、厚労省は「日本人の食事摂取基準」で栄養素の必要量や推奨量を設定していますので、各栄養素ごとの「摂取状況/必要量・推奨量」で、充足度を知ることができます。

例えば、妊娠、出産に重要とされるビタミンやミネラルの30代40代の女性の充足度を算出してみると、葉酸が103%、鉄が63%、カルシウムが68%、亜鉛が90%と、決して、安心できるような状況ではないことがわかります。

因みに葉酸は103%になっていますが、これは推奨量の240μgに対しての充足率であって、厚労省は妊娠を予定している女性はこのままでよしとしているわけではなく、サプリメントで400μgを上乗せすることを推奨しています。

つまり、30代、40代の日本人女性は、妊娠、出産に臨むにあたって、改めて、食生活を見直し、サプリメントの活用も考える必要があるという状況なわけです。

このことは、現代は、普通に生活していれば、必須栄養素が不足してしまう社会になってしまったということを物語っています。

ただし、決して、単純な問題ではありません。

厚労省は、必須栄養素の必要量や推奨量を設定し、その一方で、到底、そのレベルに到達していない調査結果を発表しているわけです。

唯一、妊娠を予定している女性には葉酸は大切な栄養素なので、サプリメントで上乗せすることを推奨してはいますが、妊娠前の葉酸サプリメント利用率は30%にも達していません。

あとは、各人にまかせている状態です。

ところが、海外に目を向けてみると、妊娠前の女性の栄養素の欠乏状態を「国家課題」としてとらえていることがよくわかります。

たとえば、アメリカやイギリス、スウェーデンでは主食の小麦粉に鉄の添加を義務づけています。具体的には、小麦粉100g当たりの鉄の添加量は、アメリカで2.64mg、イギリスでは1・65mg、そして、スウェーデンでは、3mgから、5mg、そして、6.5mgと増量されています。

その結果、貧血の女性は、どんどん、減少し、貧血女性の割合は日本の半分以下のレベルです。

また、葉酸も多くの国が主食に添加しています。たとえば、アメリカは小麦粉100gに葉酸を140μg添加することを法律で義務づけています。2016年時点で、葉酸添加を義務づけているのは85ヵ国になっています。

その結果、二分脊椎症の発症率は、どんどん、低下していますが、日本では反対に増加傾向にあります。

いかがでしょうか?

不足することで、生まれくる子どもの健康にマイナスの影響を及ぼすことがわかっている栄養素については、国が強制的に補充させようというわけです。

生まれくる子どもの健康を親まかせにせず、国の責任で守らなければならないという決意が感じられます。

もちろん、主食に添加することは、妊娠を予定している女性だけでなく、全国民にも強制的に摂らせるわけですから、メリットだけでなく、デメリットもあり、議論があるところではあります。

ですから、この政策の是非はおいておくとして、言えることは、日本で住んでいる限りは、妊娠、出産にあたって必須の栄養素を不足しないように、「自分」で気をつけて、「自分で」対策を講じるしかないということでしょう。

大切なことは、そういう社会で私たちは生活しているということを自覚し、正しい情報に接し、自分たちにふさわしい方法で実行する必要があるということだと思います。

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↓編集長コラムバックナンバー
http://www.akanbou.com/column/henshuuchou/
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今週のおすすめ本____________________________________________________

 貧血大国・日本 放置されてきた国民病の原因と対策
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50歳未満の日本人女性の22.3%が貧血で、そのうちの25%は重度の貧血、さらに、日本の妊婦の30-40%は貧血で、先進国の平均の18%を大きく上回っているというデータを示されれば、「貧血大国」というショッキングなタイトルも、決して、大袈裟なものではないことがわかります。

貧血の主な原因は「鉄不足」です。ところが、国の取り組みや30代、40代女性の食生活をみていると、この状況は悪化しこそすれ、改善されるとは、到底、思えません。であれば、これから妊娠、出産に臨むカップルは自分たちでどうにかするしかありません。

まずは、この本で情報を得ることをお勧めします。

・妊娠しやすいカラダづくりBOOK GUIDE
http://www.akanbou.com/bookguide/isbn10-4334039162.html
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当社製品&サービス________________________________________________

・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
 http://babyandme.jp/

・翻訳書:妊娠しやすい食生活
 http://www.akanbou.com/shoku/

・妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
http://www.akanbou.com/bookguide/


編集後記____________________________________________________________

この季節、食べて、飲んで、楽しむ機会が増えるものです。お酒んも影響については、妊娠すれば、もちろん、控えるべきですが、それまでは、適量ならば問題ないとされています。

適量と言っても、個人差が大きいことから、一概に言えるものではありませんし、妊娠するのに問題ないのはどれくらいまでなのか、具体的な線引きは難しいところです。

不妊治療医のガイドラインでは、目安として、妊娠を望む女性は過度の飲酒は控えるべきで、飲むならば、週に1、2回、1回あたり1~2単位の量に限るのが望ましいとされています。アルコール1単位とは、ビールで250ミリリットル、ワインでグラス1杯半程度です。

あまり、神経質にならず、楽しく、2016年を締めくくりたいですね。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]    VOL.704
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お子さんを望まれるカップルの"選択"や"意志決定"をサポートします
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不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出来る限り客観的な視点でお届けしています。
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com/
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◎発行部数
・自社配信: 1,990部
・まぐまぐ: 3,499部
・合計部数: 5,499部(12月11日現在)
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