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VOL.389 安らぎと結びつきがもたらしてくれるもの

2010年11月21日

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 妊娠しやすいカラダづくり 
 VOL.389
 2010年11月21日                  
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じぶんたちにあったこたえをだすために・・・

なかなかお子さんが授からないことに悩むカップルが、
悩みを克服するために、"二人で話し合い、考えを整理"して、
"自分たちにふさわしい答えを出す"上でのヒントになるような情報を、
出来る限り客観的な視点で、毎週末、登録頂いた皆さんに配信しています。


━[今週の内容]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


▼今週の更新情報

▼妊カラフォーラム
安らぎと結びつきがもたらしてくれるもの

▼編集後記


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 今 週 の 更 新 情 報 一 覧
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サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2010年11月18日 最新ニュース
妊娠中の鎮痛剤の服用は男児の停留睾丸のリスクを高める 
http://www.akanbou.com/news/news.2010111801.html
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2010年11月15日 編集長コラム
"疑うこころ"と闘うために 
http://www.akanbou.com/column/main.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


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 妊カラフォーラム
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 読者の皆さんからのメールをご紹介します
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今週の妊カラフォーラムは読者の方からいただいたメールをご紹介します。

Sさんからいただいた"卒業いたします"というメールです。

実は、Sさんのことは、以前にもご紹介したことがありました。
http://archive.mag2.com/0000116311/20090607130856000.html

自然妊娠は絶対無理と診断されていたにもかかわらず、
今回、人工授精にてご懐妊されたとのことです。

---[Sさんからのメールここから]-----------------------------------

この11/7に41歳を迎えたSと申します。

このたび、無事戌の日を過ぎ安定期に入りましたので、
こちらのメルマガを卒業させていただきます。

以前にも投稿したことがあるのですが、

「あなたは自然には絶対に妊娠できません。
 治療をやめることは、子供を授かることを放棄することです」

とまで言われるほどの、ひどい排卵障害でした。

二度転院して8回採卵しましたが、一度も受精が成立しませんでした。

成功報酬制だった以前のクリニックでは、3回のトライアル全て失敗。

採卵までいたらぬことも多く、
リセットばかりで3回採卵するのに半年以上かかりました。

治療が1クール終了した直後、
旅行がてら熊野古道へ主人と出かけました。

たまたま行ってからわかったのですが、
熊野古道には女性の胎内を信仰した形跡が数多く残り、
古来から悩み多き人々が、
生きながらにして、
生まれ変わりを願ったことがよくわかりました。

そして何より神社というのは、女性の子宮そのものなのです。

参道=産道と同じ呼び方をすることからも、
古来から人々は子供を授かり産むことに関して、
畏れと謙虚さを常に持ち合わせていたことがわかりました。

私には謙虚さがなかった、そう感じました。

体外受精にお金さえかければ、
最短距離で赤ちゃんが授かるなんて思っていた、
甘い考えだったと。

そして同時に生まれ変わらなくてはならない、とも強く感じました。

熊野本宮で子授け祈願をしてもらい、
これで授からなければ、
神様の言うとおりにしよう、
私たち夫婦には違う幸せがあるのだと
そう考えようと思うように努力しました。

熊野から帰った直後、
父からガンの宣告を受けました。

余命3カ月。

私はすぐに思いました、
今の私に必要な、
生きながら生まれ変わることとは、
父の娘をやり直すことだと、
思ったのです。

そこで一年間治療をお休みし、
父と娘として向き合うことに集中することとし、
その間はすっかり副作用でおかしくなった体を立て直すべく、
体力作りに専念しました。

その間、不安でなかったといったらうそになりますが、
父の看病を通じて、私なりに得た結論というのがあります。

それは、幸せの形はひとつではない、ということです。

治療に夢中になっているときは、
目先の悩みを解決することこそが、
幸せへの唯一の道だと勘違いしてしまうようなところがあります。

けれども、本当にそうでしょうか。

私は、父の死を通して心の底から思ったのです。

子供を得ることだけが、幸せへの道ではないと。

この短い一生を通して、
いかに良い人たちと出会い、
愛情を与えることができるか、
人生とはそれに尽きるのではないかと。

そして、それはすなわち、
まずは目の前にいる主人を幸せにすることから
始めなくてはならないと思ったのです。

治療に疲れて八つ当たりして、
主人を傷つけてばかりの私は自己嫌悪の塊でした。

本当にはこんな治療を望んでいない、
そう感じてもいました。

これまで、メルマガを読んでいて、
いつもその内容の深さに感心していたのですが、
心理学的なアプローチについては
まだあまりなされていないように感じています。

私の例はちょっと面白いケーススタディになるのではないかと思い、
長々と書かせていただきます。
 
私は両親ともに不仲だったために、
生まれてきてよかったと思ったことが一度もありませんでした。

実は、それが不妊の原因ではないかと、
ぼんやりと思ってはいたのです。

子供が欲しいと思う一方で、
激しく妊娠を恐れ、忌み嫌う傾向が、
実は私の中にありました。

思春期に、生理が始まったからだを傷つけてみたこともあり、
それがなぜだか自分でもわかりませんでしたが、
実は母親の母性に対する反発だと、
最近本を読んで知り、
そのことで不妊になることもあると知りました。

これが親子のトラウマを乗り越える最後のチャンスだと、
父の看病を一生懸命やった結果、
親子の絆は深いものとなり
やっと私は産まれてきてよかったのだと、
40歳にして私は思ったのです。

すると父は、
私に父につながる命を授けてくれました。

父の新盆の日に!

地元の小さな病院で、たった一度のAIHで、です。
(しかも薬はまったく使っていません)

私はこの体験が、
とても自分の努力だけでなしえたこととは思えません。

命を授かることには、
何か人間の計り知れない「はからい」があるように思います。

私と同じように悩んでいる多くの人の中には、
私と同じように、
両親と心理的な葛藤を抱えている方が
多少なりいらっしゃるのではないでしょうか。

産まれてきてよかった、
産んでくれてありがとう
そう言えない限り、
赤ちゃんはやってこないのではないでしょうか。

そんなことをぼんやりと思ったので、
ご報告がてらメールさせていただきました。

いつかこの経験をまとめて本にできたらいいな、、と、
ぼんやり夢に見ています。

多くの悩める方に、
それぞれの幸せの答えが待っていますように。

これからも、多くの人々に、
素晴らしいメッセージを与え続けてくださることを期待します。

大変お世話になりありがとうございました。

---[Sさんからのメールここまで]-----------------------------------

Sさん、おめでとうございます。

そして、とても貴重な経験をお送りいただき、
本当にありがとうございました。

このメールをお読みいただいた読者の方々は、
それぞれにいろいろと思うところがあったのではと思います。

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私たちは、心理学のことは全く分かりませんので、
"心理的なアプローチ"などは、望むべくもありません。

私たちが努めているのは、あくまで"情報提供"です。

出来るだけ客観的、かつ、正しい情報を提供することで、
悩みを克服されるためのヒントやきっかけになればと願っています。

さて、今回のメールを読ませていただき、
「オキシトシン」という、
ホルモンや脳内の神経伝達物質として働く物質のことを連想しました。

オキシトシンは、
元来、子宮を収縮させ、陣痛をおこしたり、
母乳の出を促したりという、
出産や授乳に関わるホルモンとして知られていたそうなんですが、
最近の研究では、それ以外にも、
さまざまな働きがあることが知られるようになったそうです。

その中で、とても興味深いのは、
私たちに「安らぎや結びつき」をもたらす心や身体のメカニズムに、
深く関与しているということです。

授乳中に我が子を愛おしく感じ、
母子の結びつきを強く感じられるようになるのも、
このオキシトシンの働きとされています。

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私たちは、
ストレスを受けた際に分泌される、
ホルモンや神経伝達物質についてはよく見聞きします。

ところが、
その反対のことについては、
それほど知られていないようです。

つまり、辛いこと、嫌なことに遭遇したときの身体の反応ではなく、
愛情を感じたとき、心地よいときの身体の反応です。

誰かを愛おしく思ったり、気持ちよくなると、
「オキシトシン」の分泌が増えるというのです。

そして、このオキシトシンは、
安らぎをもたらし、そして、誰かとの結びつきを深めます。

さらに、それだけでなく、
生殖活動にも深く関与していると知ってとても驚きました。

それは、性交している男女の快感が高まると、
オキシトシンの分泌が増えることで、
排卵を促したり、
卵管内を精子や卵子、受精卵の移動を助けるというのです!

私はこのことを知って、性交の回数が多いほど、
そして、回数だけでなく、
深い愛情と高い快感を伴う性交が、
より妊娠させやすくすることのメカニズムの一端を、
教えてもらったように思いました。

そのメカニズムに一役買っているのがオキシトシンというわけです。

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Sさんが、熊野本宮で"大きな力"を感じ、
ご主人への愛情がより深まり、
そして、それまで希薄だったとおっしゃる、
ご両親への愛情と感謝に目覚めたことは、
全て「オキシトシン」を分泌させ、
それまで感じたことがなかった大きな"安らぎ"、
そして、ご主人、ご両親との強い"結びつき"をもたらしたことでしょう。

そのことが、妊娠する力を高めたのかもしれません。

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ストレスが妊娠する力に悪影響を及ぼすと、盛んに言われています。

そのため、私たちは、
ついつい、ストレスというものに対して、
過敏になっているところがあるようにも思えます。

何かというと、
ストレスを発散させること、
ストレスを避けること、
とにかく、ストレスに影響を受けないようにすることに、
関心がいってしまいがちです。

でも、それはとても難しいことも、日々、感じるところです。

ところが、オキシトシンに目を向けてみると、
発想が転換できるかもしれません。

ココロやカラダが気持ちいいと喜ぶことをみつけること、
パートナーや周囲の人たち、大切な人たちへの感謝や愛情を深めること、
そうすることで、オキシトシンの分泌が増えると、
安らぎと結びつきのメカニズムが強化され、
妊娠する力が高まるはずです。

Sさん、本当にありがとうございました。
お元気なお子さまをご出産されますようにお祈りしています。

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一読を、強くお勧めします。

■「オキシトシン」シャステイン・ウヴネース・モベリ著(晶文社」

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 編 集 後 記
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それにしても、
Sさんのメールを読ませてもらって、
人間には、私たちが気づいていないだけで、
大きなチカラが備わっているのだなとつくづく思いました。

感謝!です。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.389
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