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VOL.345 妊娠しやすいカラダに最適化しよう!(後半)

2010年01月18日

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 妊娠しやすいカラダづくり 
 VOL.345
 2010年1月18日                  
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じぶんたちにあったこたえをだすために・・・

なかなかお子さんが授からないことに悩むカップルが、
悩みを克服するために、"二人で話し合い、考えを整理"して、
"自分たちにふさわしい答えを出す"上でのヒントになるような情報を、
出来る限り客観的な視点で、毎週末、登録頂いた皆さんに配信しています。


━[今週の内容]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼今週の更新情報一覧

▼妊娠しやすいカラダに最適化しよう!(後半)

▼妊カラ編集室からのお知らせ

▼編集後記


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 今 週 の 更 新 情 報 一 覧
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サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2010年1月12日 編集長コラム
カロリスが私たちに教えてくれること
http://www.akanbou.com/column/henshuuchou/20091207.html
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上記の記事についてのご質問等は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
news-master@akanbou.com


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 妊娠しやすいカラダに最適化しよう!(後半)       
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なかなか授からないという状態は、
不妊治療が必要なケースもありますが、
実際のところは、"たまたま"という要素も大きいものです。

それだけ、母親になる女性と父親になる男性のカラダとココロには、
妊娠の成立に関わっているものやことが複数あって、
それらが、お互いに影響しあっているということでしょう。

ですから、不妊治療が必要であってもなくても、
出来るだけ妊娠の可能性が高くなるように、
カラダやココロの状態をチューニングすることが大切です。

カラダやココロの状態を、
妊娠しやすいようにオプティマイズ(最適化)することです。

★妊娠しやすいカラダに最適化するということ

妊娠の成立には、
私たちが想像している以上に、
"偶然"という要素が大きく左右しています。

何の問題もない若いカップルが、
ベストなタイミングでセックスしても、
妊娠する確率は30%もないことが物語っています。

であれば、妊娠率を高めるための有効な作戦はと言うと、

(1)機会を増やすこと。

(2)妊娠を妨げているものがあればそれを取り除くこと。

この2つです。

後半の今週は、「妊娠を妨げているものを取り除くこと」についてです。

★妊娠を妨げているものがあればそれを取り除くこと

そもそも、
子どもは"授かる"もので、
新しい命は"やってくる"ものです。

私たちに出来ることは、
仲良くすること、
そして、妨げになっているものがあれば、
それをとりのぞくことです。

◎不妊治療

生殖医療の進歩によって、
ほとんどの不妊の原因を取り除くことが可能になりました。

不妊治療、それも、より高度な治療になるほど、
まるで、妊娠させるかのような、
言いかえると、いのちをつくるかのような、
そんなニュアンスが入ってくることがあるようですが、
不妊治療の本質とは、どこまでいっても、
妊娠の妨げになっているものを取り除くことです。

何を取り除くのかを明らかにしておく、
もしくは、明らかにすることが困難な場合は、
何を取り除くのかを想定しておくことが大切です。

でなければ、オーバートリートメント、
すなわち、不必要な治療を受けることになってしまいかねません。

◎母親になる女性の年齢

妊娠しやすさに最も影響を及ぼすのは、
母親になる女性の年齢で、
年齢が高くなればなるほど、
妊娠するまでに時間がかかるようになります。

もちろん、年齢による妊娠率の低下を逆転させることは出来ませんが、
実際に、年齢による影響はどの程度なのか、
知っておくことは大切なことです。

夫婦生活の回数やパートナーである男性の状態も妊娠率に影響しますから、
母親になる女性の年齢と妊娠率の関係を知ることは簡単ではありません。

そのためパートナーの男性が無精子症であるため、
AID(非配偶者間人工授精)を受けた、
2193名の女性の治療成績についてフランスの報告があります(※1)。

それによりますと、
1年間の累積妊娠率は、
25歳以下では73%、
26~30歳では74.1%、
31~35歳では61.5%、
36歳以上では53.6%だったとのこと。

また、体外受精の治療成績を最も左右するのも年齢です。

2006年にアメリカで実施された体外受精の成績を、
女性の年齢別にみてみると(※2)、

移植あたりの出産に至る確率は、
34歳以下では44.9%、
35~37歳では37.3%、
38~40歳では26.6%、
41~42歳では15.2%、
43~44歳では6.7%とのこと。

年齢が高くなればなるほど妊娠率が低下し、
反対に流産になる確率が高くなっていく傾向が明らかです。

これは年齢とともに、
卵子も一緒に老化することが原因であると考えられています。

心身ともに老化を早めない生活環境を大切にしたいものです。

◎喫煙

女性の喫煙は妊娠する力を低下させることは明らかです。

女性の喫煙が体外受精の治療成績に及ぼす影響を調べるため、
過去の研究報告を統合した結果(※3)、
妊娠率、出産率とも、タバコを吸う女性は吸わない女性に比べて、
40%以上も低いことが分かりました。

また、タバコを吸う女性は、吸わない女性に比べて、
閉経を迎える時期が1~4年早まることがわかっています。

喫煙は卵巣内の卵子数の減少を早めるようです。

早く妊娠することを望むのであればタバコは吸うべきではありません。

◎アルコール

女性にとって妊娠後は飲酒を控えるべきですが、
妊娠する前の飲酒の妊娠する力への影響については定かではありません。

スウェーデンの7393名の女性を対象にした試験(※4)では、
1日に2単位のアルコールを飲む女性は、
不妊症になるリスクが59%増加し、
1日に1単位以下になれば36%低くなったとのこと。

反対に29844名の妊婦を対象にしたデンマークの試験(※5)では、
アルコールを飲まない女性よりも、
ワインを飲む女性のほうが妊娠までに要する期間が短かったと、
報告しています。

また、1769人のイタリア女性を対象にした試験(※6)では、
アルコールの飲酒と妊娠する力との関連性は、
みられなかったとしています。

このことから、
過度の飲酒は控えるべきですが、
適量であれば問題ないと考えてよいのではないでしょうか。

適量といっても、
アルコールを代謝する能力には個人差が大きいもので、
一概に言えるものではありません。

ましてや、妊娠するのに問題ないのはどれくらいまでなのか、
線を引くことは困難です。

あくまでも目安ですが、
飲むならば、週に1、2回、
1回あたり1~2単位の量に限るのが望ましいとされています。

因みに、アルコール1単位とは、
ビールで250ミリリットル、ワインでグラス1杯半程度です。

◎食生活

食生活、すなわち、何をどう食べるのかは、
さまざまな面で、妊娠する力と密接に関係しています。

17544人の看護師を対象にしたアメリカの疫学調査では、
食生活と生活習慣は、
排卵障害による不妊症と密接に関連していると報告しています(※7)。

それによりますと、
排卵障害による不妊症のリスクが低くなる、
食生活と生活習慣のポイントは以下の通りです。

・トランス脂肪酸の摂取を避ける
・オリーブオイルやキャノーラオイル等の不飽和脂肪酸の摂取を増やす
・豆類やナッツのような植物性たんぱくを増やす
・無精製の穀物を食べる
・必ずしも脱脂乳や低脂肪にこだわることはない
・葉酸を含むマルチビタミンミネラルのサプリメントを摂取する
・野菜や果物、豆類から鉄分を摂取する。
・清涼飲料水(缶コーヒーや缶ジュース等)は避ける
・適正体重を維持する
・毎日、穏やかな(過激にならない)運動を続ける

◎カフェイン

カフェインの摂取と妊娠する力の関係は、
必ずしも明らかになっているわけではありません。

妊娠前、妊娠中ともに、
過度のカフェインの摂取は避けるべきですが、
1日に1~2杯程度のカフェイン入り飲料は差し支えないと、
考えてよいようです。

★妊娠する力への影響は複合的なもの

妊娠の成立や継続には、
女性、男性の心身の状態による影響は大きいものがあります。

ただし、複数のものやことが複合的に影響することから、
1つ1つの要因について、
白黒つけることはさほど意味はありません。

生活習慣が妊娠する力に及ぼす影響は、
マイナスの要素が増えるほど大きくなることが確かめられています(※8)。

このことから、
何が妊娠にプラスになって、
何が妊娠にマイナスになるのか、
個々のものやことにこだわり、神経質になるのではなく、
より健康的なライフスタイルを心がけることが大切なようです。

★最適化するということ

これまでの研究報告の結果は、
あくまでも、確率的な傾向を示してくれているものであって、
早く妊娠するための生活スタイルについて、
決まったルールがあるということではありません。

カラダやココロの状態を、
妊娠しやすいようにオプティマイズ(最適化)するということは、
自分たちの時間やカラダを大切にするということで、
そして、そのことは、きっと、自信につながり、
なかなか授からないことで感じるストレスに強くなることでしょう。

妊娠しやすいカラダに最適化するということは、
早い、遅いではなく、
二人にとっての最適なタイミングで、
お子さんを授かりやすくなるのでしょう。

---[文献]---------------------------------------------------------

※1) N Engl J Med. 1982;306:424-6
※2)SART Clinic summary report
※3) Human Reproduction Update 2009;15:31-44
※4)Fertility and Sterility 2004;81:379-83
※5)Acta Obstet Gynecol Scand 2003;82:744-9
※6)BMJ 1999;318:397
※7)Obstetrics & Gynecology 2007;110:1050-1058
※8)Fertility and Sterility 2004;81:384-92

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上記の記事についてのご質問等は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
news-master@akanbou.com


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 妊カラ編集室からのお知らせ
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NPO法人「Fine」からのお知らせです。

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経済的負担に関するアンケートのお願い
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NPO法人Fineでは、不妊治療の経済的負担の軽減をめざして、
さまざまな活動を行なっています。

これまでに、全国で署名活動を行なって国会請願を実施したり、
超党派の国会議員さんに集まっていただいて

国会議員会館で勉強会を開催するなど、
国政やマスメディアなど多方面に積極的な働きかけを行なってきました。

現在、Fineでは、
第3回目の国会請願を実施するための署名活動を行なっています。

このアンケート結果は、
その請願や陳情書、また要望書やプレスリリース等に活用する予定です。

実際に不妊治療を行なっている私たちの「生の声」を、
国政の場に届けましょう!

あなたの声をお聞かせください!! 

少し長いですが、ぜひとも、アンケートにご協力をお願いいたします。

ご協力いただいた方の中で、
ご希望の方には、抽選でプレゼントもあります♪

▼アンケートはこちらから
http://j-fine.jp/cgi-bin/mail/mail.cgi?id=keizai

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 編 集 後 記
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年末年始は、日頃、会えない人たちと楽しいひと時を過ごせる時期でもあり、
子どもについて、尋ねられたり、詮索されたりする、
憂うつな機会になりかねない時期でもあったりします。

まあ、結婚しているカップルに子どものことを話題にするのは、
聞くほうは、ちょっとした挨拶代わりなのでしょうけど、
もっか、授からないことに悩む身としては、
相当にキツイ話題ではあります。

特に、中途半端な知り合いや友人、親戚から、
決まって発せられる「お子さんは?」攻撃がやっかいです。

もちろん、そんな可能性のある場には、
当分出ないようにするのもいいと思うのですが、
出会いがしらなんてのもないとは限りません。

で、そのことについて、前々から思っていることがあります。

それは、
子どもがいようといまいと、
その理由を他人に説明する義務は、全くない!ということです。

つまり、「お子さんは?」という質問には、
「いません。(それが何か?)」とだけ答えれば十分だと思うのです。

人間って、その理由を説明しないといけない意識が、
どっかにあるように思えるのです。

なので、「お子さんは?」という質問には、
「なんで?」という言外の意味を汲み取ってしまうのではないでしょうか。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.345
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・まぐまぐ:5,454部
・合計部数:5,698部(1月18日現在)
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【発 行】 株式会社パートナーズ
【編 集】 細川忠宏(不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
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