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VOL.344 妊娠しやすいカラダに最適化しよう!

2010年01月10日

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 妊娠しやすいカラダづくり 
 VOL.344
 2010年1月10日                  
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http://www.akanbou.com ━

じぶんたちにあったこたえをだすために・・・

なかなかお子さんが授からないことに悩むカップルが、
悩みを克服するために、"二人で話し合い、考えを整理"して、
"自分たちにふさわしい答えを出す"上でのヒントになるような情報を、
出来る限り客観的な視点で、毎週末、登録頂いた皆さんに配信しています。


━[今週の内容]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼今週の更新情報一覧

▼2010年はじめての妊娠しやすいカラダづくり

▼妊娠しやすいカラダに最適化しよう!(前半)

▼編集後記


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 今 週 の 更 新 情 報 一 覧
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サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2010年1月6日 最新ニュース
原因不明不妊の男性は精液検査が正常でも酸化ストレスが高い 
http://www.akanbou.com/news/news.2010010601.html
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2010年1月5日 最新ニュース
妊娠するまでの期間と妊娠、出産時の母子の健康リスクとの関係 
http://www.akanbou.com/news/news.2010010501.html
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上記の記事についてのご質問等は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
news-master@akanbou.com


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 2010年はじめての妊娠しやすいカラダづくり
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2010年の初めての配信です。

このメルマガの目的は、
いつも冒頭に書いている通り、
なかなかお子さんが授からないことに悩むカップルが、
悩みを克服するために、
二人で話し合い、考えを整理して、
自分たちにふさわしい答えを出す上でのヒントになるような情報を、
出来る限り客観的な視点で発信することです。

わたしたちは、
二人で、繰り返し話しあって、
とことん考えて、そして、決めることが、
なによりも大切なことだと思っているからです。

誤解を恐れずに言わせてもらうと、
妊娠することよりも、
二人が主体的に時間を使うことのほうが大切だとさえ、思っています。

いつ、どんなふうに、
新しいいのちに巡り合えるのか、
思い通りにはならないけれど、
自分たちの生き方は、
自分たちで決めることが出来ますからね。

私たちは、そのために役立つ情報をお届けしたい、そう思っています。

さて、ネットや携帯で情報を得ることが普通になって、
情報の量や選択肢は、どんどん、増え続けています。

でも、情報量や選択肢って、
多ければ多いほど、
いいってもんじゃありません。

漫然とネットサーフィンしていると、
あっという間に時間がたってしまうけれど、
その割には、問題は全然解決してなくて、
それどころか、頭の中の混乱や心の中の心配、不安が大きくなっただけ、
そんな経験って、誰にでもあると思います。

二人が主体的に生活しない限り、
本当に、あっという間に、
人生の貴重な時間が、
過ぎていってしまいかねません。

私たちがコントロール出来る問題については、
いち早く正解をみつけ、それを正確に実行することが有利なのでしょうが、
私たちにはコントロール出来ない問題には、
まずは、自分たちがどう対処するのかについて、
自分たちで考えて、自分たちなりの正解を導くことなしには、
問題を解決したり、克服することが困難でしょう。

ですから、たくさんの情報を集めてきても、
自分たちの答えを出すのに役に立てることが出来なければ、
ほとんど、意味がありません。

今年も、情報やサービス、製品を通して、
皆さんが自分たちの最適解を導き、実践するのに、
お役に立つことが出来ればと思っています。

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記事についてのご感想やご要望等をお寄せください。
news-master@akanbou.com


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 妊娠しやすいカラダに最適化しよう!(前半)       
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なかなか授からないという状態は、
不妊治療が必要なケースもありますが、
実際のところは、"たまたま"という要素も大きいものです。

それだけ、母親になる女性と父親になる男性のカラダとココロには、
妊娠の成立に関わっているものやことが複数あって、
それらが、お互いに影響しあっているということでしょう。

ですから、不妊治療が必要であってもなくても、
出来るだけ妊娠の可能性が高くなるように、
カラダやココロの状態をチューニングすることが大切です。

言いかえると、
カラダやココロの状態を、
妊娠しやすいようにオプティマイズ(最適化)することです。

★妊娠しやすいカラダに最適化するということ

妊娠の成立には、
私たちが想像している以上に、
"偶然"という要素が大きく左右しています。

何の問題もない若いカップルが、
ベストなタイミングでセックスしても、
妊娠する確率は30%もないことが物語っています。

であれば、妊娠率を高めるための有効な作戦はと言うと、

(1)機会を増やすこと。

(2)妊娠を妨げているものがあればそれを取り除くこと。

この2つです。

★機会を増やす

妊娠の可能性を高めるのに最も有効なのは、
機会を増やすこと、すなわち、夫婦生活の回数を増やすことです。

当たり前な事実なのですが、
とにかく、この手の話しには誤解やデマがつきものです。

これまでに確かめられたことをみてみましょう。

◎禁欲期間と男性の精液の質

禁欲期間と精液検査の結果については、
イスラエルで9489名の男性を対象に実施された試験(※1)で、
禁欲期間が長くなるほど精液の量や精子濃度は低くなりますが、
毎日射精していても精液検査の正常値を下回ることはなく、
乏精子症の男性不妊患者では、
毎日射精したほうが精子濃度や運動率が良好でした。

また、オーストラリアで、
118名の男性を対象に実施された試験(※2)では、
DNAの損傷度が高い男性不妊患者は、
一週間続けて毎日射精することで精子のDNA損傷率が低下し、
精子の質が高くなることが確かめられています。

つまり、禁欲期間が短いほど、精子の質は高くなるというのです。

そして、それは、妊娠の可能性をも高くします。

次の「セックスの頻度と妊娠率の関係」をみると、
そのことが明らかになります。

◎セックスの頻度と妊娠率

セックスの頻度と妊娠率の関係をみてみましょう。

アメリカで221組のカップルを対象に実施された試験(※3)で、
セックスの頻度と周期あたりの出産率を調べています。

それによりますと、
周期あたりの妊娠率は頻度が毎日であれば37%で、
隔日では、33%、週に一回になると15%に低下したとのこと。

セックスの頻度が高くなると、
男性の精子の質が高まり、
そして、妊娠率も高くなるのです。

◎妊娠しやすいセックスの時期

よくよく知られている通り、妊娠しやすさは、
女性の月経周期中のどの時期にセックスしたかにも左右されます。

女性の月経周期中で、
妊娠の可能性のある時期は、
排卵の5日前から排卵当日までの6日間で、
排卵の1日前が最も妊娠率が高かったと報告しています(※3)。

このことから、諸々の事情で、
セックスの頻度が少なくならざるを得ない場合、
妊娠に至る可能性の高い時期を意識することは大切です。

ところが、現実の問題として、
女性にとって排卵日を知ることは、
それほど簡単なことではないようです。

基礎体温表をつけ、
排卵検査薬を使用するのはよくある方法ですが、
イタリアで782名の女性を対象にした試験で(※4)、
頸管粘液を変化から自分の妊娠しやすい時期を推測したほうが、
基礎体温や排卵検査薬を使ったケースよりも、
早く妊娠に至るために有効だったことを確かめています。

◎タイミング法の副作用

排卵日から最も妊娠しやすい日を予測し、
その日にセックスすることで妊娠を目指すのを、
一般に、タイミング法と呼ばれていますが、
驚くことに、この方法で、
周期あたりの妊娠率が高くなるとの証拠はありません(※5)。

反対に、男性不妊外来における射精障害の原因の約75%は、
不妊治療によるタイミング指導を契機とするものとのこと(※6)。

タイミング法には、
効果がそれほど大きくないにもかかわらず、
このような副作用があることを知っておくべきでしょう。

◎セックスの体位や行為後のことなど

セックスの体位や行為後のことは、
妊娠する、しないに、ほとんど影響を及ぼさないことが、
これまでの試験で確かめられています。

子宮頸管における射精後の精子の数は、
セックスの体位による違いが見られないこと(※7)、
また、女性の月経周期中の妊娠の可能性のある時期であれば、
射精後に女性がどんな行動をするかにかかわらず、
精子は2分以内に卵管に到達することが確かめられています(※8)。

このことから、
セックスの体位や行為後にどのように過ごすのかは、
その効果よりも、気持ちの問題なわけです。

★仲良く過ごす環境づくり

いかがでしょうか?

妊娠の確率を高める最も有効な方法は機会を多くもつこと、
具体的には、月経終了後、
2日、3日に1回のペースで仲良くすることです。

どの日が最も妊娠しやすいのか、
ベストなタイミングにこだわっても、
それほど意味はないようです。

それよりも、セックスが義務化したり、
そのことで、気まずい思いをしてしまうようになると、
本当の不妊症を招いてしまって、本末転倒です。

これらの証拠を参考にして、
自分たちの生活スタイルに応じた工夫をしてみてください。

これまでの多くの研究結果が物語るのは、
あれこれ、気にしないで、夫婦の生活を楽しむこと、
結局、こんな夫婦に早く赤ちゃんがやってくるということのようです。

次号は、「妊娠しやすいカラダに最適化しよう!」の後半です。


---[文献]---------------------------------------------------------

※1) Fertility and Sterility 2005;83:1680-1686
※2)the 25th annnual meeting of ESHRE(ヨーロッパ生殖医学会)
※3) New Engl J Med 1995;333.1517-21
※4)Human Reproduction 2004;19:889-92
※5)Fertility and Sterility 2008;90:S1-6
※6)治療 2009;91:2245
※7)Fertility and Sterility 1973;24:655-61
※8)Human Reproduction 1996;11:627-32

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 編 集 後 記
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年末年始という節目には、
皆さんから、いろいろな報告をいただくようになりました。

赤ちゃんの写真がはいった年賀状をいただくのは本当に嬉しいものです。

まさに、言葉にできない、なにものにも代えがたいものです。

お金で買えないものはあるかないかなんて、議論があったりしますが、
そんな思考は、吹っ飛んでしまいます。

で、年末には、「二人の生活を選びました」というメールも、
また、年々、その数が増えています。

ありがたく拝読させていただいています。

知らせていただいた皆さん、本当にありがとうございました。

皆さんから知らせいただいた貴重な経験、
そして、そのことから、私たちが教えてもらったこと、
それらを、決して、無駄にしないように、
これからのコンテンツに盛り込んでいきたいと思っています。

これまで世界中の研究者がやってこられたこと、
そして、日々、患者さんの願いが叶うよう、
診療にあたっている先生や医療スタッフの方々に教えていただくこと、
そして、なによりも、このメルマガを読んでいる皆さんの経験や思いを、
一人でも多くの方々の力になれるように、
伝えていきたいと思います。

今年もいい年にしましょう、
そして、よい連休をお過ごしください!

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.344
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・合計部数:5,698部(1月10日現在)
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