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VOL.136 幸福の政治経済学

2005年12月25日

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           妊娠しやすいカラダづくり 
           [メルマガ版毎週末配信]

  2005/12/25 #136
━不妊に悩むカップルを応援します!━━━━━━━━━━━━━━━━━                
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このメールマガジンは、不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、
二人で話し合い、考えるうえでの道筋を整理したり、
自分たちで答えを出すためのヒントになるような、
そんな不妊に関する様々な情報を、出来る限り客観的な視点で提供します。
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みなさん、こんにちは。
いつもお読み下さってありがとうございます。

来週は大晦日で、このメルマガの配信も一年で唯一のお休みとなりますので、
この号が今年最後の配信ということになります。

こういう節目には、今年を振り返って、
そして、次の年を展望したりするものです。

で、こういう時って、日頃の悩みを解決するには、
とっても大切な機会です。

なぜかと言うと、いつもより、やや、自分を客観視出来るからです。

糸井重里さんと池谷裕二さんの対談形式で書かれた、
「海馬」という、脳の働きをテーマとした本があるんですが、
そこで、書かれていたことでとても印象に残っている話しがあります。

それは、悩みを解決するコツは、
「これが、他人の悩みだったら・・・」と思うことなんだそうです。

ちょっと、その部分を抜き出してみます。

〈「海馬」からの引用ここから〉

悩みを自分のこととして考えると、悩みの本質を見失う場合があります。
悩みを解決するためには、
「今、何を手放して何を獲得するのがいいのだろうか?」の選別が必要です。
個人的な欲望を重んじてしまうと、すべてを手にしたいと思うあまり、
自分が今何を判断したいのかを見失ってしまいます。
他人の悩みだと思うと、案外、
「ぜんぶ失わないでいようなんて、ムシがよすぎる」と考えられるものです。
他人は、客観的に、「悩みの芯」だけを見ることができるのです。

〈「海馬」からの引用ここまで〉

いかがですか?

この1年の自分を客観的に振り返ってみると、
日頃、走り続ける日常には、
見えなかったものが見えてくるかもしれませんね。

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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          ★ 今 週 の 更 新 情 報 ★
  http://www.akanbou.com
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2005年12月23日 最新ニュースの後づけの解説を追加
自分の卵子による体外受精の妊娠、出産の最高齢について
http://www.akanbou.com/houhoku/houkoku-2005121401.html#1
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2005年12月22日 妊娠報告
冷え性を改善して自然妊娠できました
http://www.akanbou.com/houhoku/houkoku-2005122201.html
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上記の記事についてのご質問等は、下記のアドレス宛お寄せ下さい。
news-master@akanbou.com

事務局からのお知らせです。
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         ★ 妊 カ ラ ニ ュ ー ス ★
20051224
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★次週のメールマガジンの配信はお休みとさせて頂きます。

12月31日(土)は年末のお休みのため、
メールマガジン「妊娠しやすいカラダづくり」は休刊とさせて頂きます。

次号の配信は、2006年1月7〜8日の予定です。


━〈年末特集〉━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

      幸 福 の 政 治 経 済 学

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★今年1年で最も印象的だった本

今年読んだ本で最も衝撃を受けた本は「幸福の政治経済学」という本でした。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/447821042X/qid=1135476154/sr=1-1/ref=sr_1_2_1/250-1889828-7873812

とても信頼のおける友人に勧められて読んだのですが、
さまざまなことを考えさせられました。

サブタイトルには、"人々の幸せを促進するものは何か"とあるように、
経済学者が、聞き取り調査の結果を、計量経済分析という手法を用いて、
何が人々の幸福感を高めるのか、結論を出しているのです。

要するに経済学者による"幸福研究"なんです。
私のように、疑り深い人間には、哲学的に語られるよりも、
こういうふうに論じられると、全く、納得してしまいました。

それによると、お金や仕事も、人々の幸福感に影響を及すものの、
そのような経済的な要因は決定的ではなく、
人生におけるさまざまな判断や決定を自分で決めた人ほど、
幸福感を感じているというものでした。

要するに、人生において、何を"得た"かというよりも、
そのプロセス、すなわち、"どのように生きたか"、ということのほうが、
幸福感に大きく影響を及すということと理解出来ます。

日頃から、庶民が、人生は、お金が全てじゃない!なんて息まいてみても、
実際のところ、負け惜しみにしか聞こえないものですが(^_^;)、
このように、きちんとした研究で結論が導かれたことに感動しました。

おぼろげながら感じていたことを、
科学的な手法で証明してみせてくれたことが、
私にとっては、大変、頭の中をスッキリとさせてくれたという訳です。

★自分たちの努力で、どうにかなることと、どうにもならないものがある

それと同時に、とても心強く感じた次第です。

なぜかと言いますと、何を得たかで幸福感の大小が決まってしまうと、
やってられませんもんね!

そんな理不尽なことはありません。

子供を授かることだってそうです。

子供が生まれることを、
昔から、"授かる"とか、"コウノトリが運んでくる"とか言うのも、
人間の生殖活動というものは、
私たちが、完璧にコントロール出来ない領域で進行するものであることを、
見事に言い表わしています。

不妊治療を通じて、妊娠、出産においては、自分たちや医師の努力だけでは、
どうにもならないものがあることを、
いやというほど、感じている方も少なくないはずです。

自分たちの預かり知らないところで、
子供を授かることが"できるか"、"できなかいか"が決まり、
その2つに1つで、人生の幸福は決まってしまうのでしょうか?

「幸福の政治経済学」という本を書いた著者は、
明確に、"ノー"であることを証明してくれました。

★この1週間で最も印象に残ったこと

今年1年から、この1週間に転じて、最も印象的だったのは、
「体外受精に成功した女性の最高齢問題」でした。

12/14の最新ニュースで紹介した共同通信配信のニュースで、
http://www.akanbou.com/news/news.2005121401.html
「自分の卵子で体外受精に成功した女性の国内最高齢は45歳」ではないかと、
医師のコメントが紹介されました。

それに対して、十数名の読者の方から、
それは、間違いであるとの指摘と、
ニュースの内容の真偽を、よくよく調べもせずに、紹介するなとの、
お叱りを頂きました。

私も、本当かな、と思いつつ、日本では、この手の情報については、
正確に確認する方法がないものですから、
そのまま、リンクを貼ったのでした。

そして、読者の方から教えて頂いた、
「高齢出産ボイス」という掲示板を見てみると、
http://www.babycom.gr.jp/pre/h_voice/
実際に、46歳でご自身の卵子で、
体外受精に成功したご本人からの書き込みがあったので、
どうやら、45歳が国内最高というのは間違いのようでした。

私自身、安易にニュースを紹介したことを反省した次第です。

で、印象的だったというか、悲しいことだったのは、
その掲示板での不妊当事者方々の"混乱"でした。

そして、それは、ひとえに、アメリカやイギリスと違って、日本では、
不妊治療の実績や成績に関する正確な情報が公表されていないからです。

国内最高齢問題は、40代で治療に取り組んでおられる方にとっては、
ある意味、気持ち的に、励みというか、心の支えの1つにもなり、
逆に、大きく落胆する材料にも成り得るものです。

ところが、そんなデリケートで大切な情報が、
自己申告の体験談や噂の類を含めた2次情報に頼らざるを得ないのです!

繰り返します。

こうなるのは、日本では、
不妊治療という肉体的、精神的、経済的な、
負担の大きい治療であるにもかかわらず、
治療の実績や成績に関する正確な情報を、
日本の行政は、患者やこれから治療を検討されている人に、
一切、知らせていないからです。

ネット上では、さまざまな不妊関連の掲示板の体験談が、
もてはやされるのも、そんな情報をあてにせざるを得ないからです。

それは、不妊という共通の悩みを抱えてはいても、
到底、全員には、参考には成り得ない情報であるものですし、
そんな、ある意味、いい加減な情報に、
一喜一憂せざるを得ないのです。

誤解しないで頂きたいのは、"いい加減"というのは、
"情報の正確さ"ではなく、"情報の普遍性"という意味です。

★ふたりの"幸福観"を描いてみる

正確な情報がないために、
不妊当事者が混乱してしまうことは、何も、上記のケースに限りません。
不妊問題全般において、最大のネックになっていると、
私たちは認識しています。

実は、専門家でさえ、肝心な情報は、
アメリカやイギリスに頼らざるを得ないのです。

アメリカでは、インターネット上で、数回、クリックするだけで、
例えば、40才代の体外受精の成績を正確に知ることができます。

日本ではそれが叶わないため、
一部の経験の豊富な"カリスマ不妊治療医"に、
人気が集中してしまうことになります。

ただ、これらは、本当の意味での消費者(不妊治療患者)保護が、
日本では、行政によってなされていないということなのですが、
そんなことを嘆いていても、何も解決できません。

まさに、現時点では、自分たちの力では、どうしようもないことです。

それでは、何をどうすればよいのでしょうか?

そこで、「幸福の政治経済学」がヒントを示してくれたわけです!

それは、

自分たちの力では、どうにもならないことに対しては、
結果にこだわり過ぎるよりも、
そのプロセスにおいて、自分たちがどれだけ参画したか、
言い換えれば、どれだけ、自分たちが納得のいく判断や決断が出来たか、
このことが、それぞれの人生で得られる幸福感の大小を決める。

ということです。

いかがですか?

えっ、まだ、よく分からないって?

そうですよね。
"自分たちが納得いく判断や決断"って、
実際のところ、言うは易く、行うは難し、ですね。

もっと、掘り下げて、考えてみましょう。

自分たちが納得できる治療を受けるべきだ、とか、
納得する迄、二人で話し合って下さい、とか、
よく言われますよね。

でも、ついつい、忘れられている大切なことは、
何をもって、納得出来るかどうか、ということです。

二人にとっての"幸福観"が、ある程度、明確になっていて、
いろいろな判断や決断が、
そんな"幸福観"に合致したものになっているかどうか、ということです。

要するに、どんな生き方を幸福な生き方と思っているか、です。
このことが、ある程度でも、明確になっていれば、
二人の人生における幸福は、
半分くらいは、保証されたといっても過言ではありません。

それを、二人でお互いに提示しあい、摺り合わせることこそが、
全てのスタートになるのではないでしょうか?

最後に、高齢出産ボイスでみつけた、
「葉子」さんの書き込みの一部をご紹介させて頂きます。
もちろん、OKのもらいようがないので、
葉子さんには、無断で掲載です(^_^;)。

〈高齢出産ボイスの書き込みより引用ここから〉------------------------

〈中略〉

最後に、45歳で、47歳で妊娠出産した人がいるからといって、
自分も同じようになれるとは限らない。
可能性が低いこともリスクも承知の上で、
無理のない範囲で今出来ることをしようと思っています。
このような記事があろうがなかろうが、その方針に変わりありません。

〈高齢出産ボイスの書き込みより引用ここまで〉------------------------

きっと、葉子さんは、ご主人との間で、
"幸福観"が共有されておられるのでしょうね?

またまた、長い文章を最後までお読み頂きありがとうございました。

そして、よいお年をお迎え下さい。
皆さんにとって、2006年は、今年よりも、もっと、よい年でありますように!

◎この内容に関するご質問やご相談、ご意見はメールにて。
news-master@akanbou.com


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あなたに相応しいサプリメントとその使い方をご提案します
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http://www.nature-g.com/funin/supple.html
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■編集後記 
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この号から、メルマガの冒頭のタイトルのところに、
[メルマガ版毎週土曜日配信]としてきたのを、
[メルマガ版毎週末配信]に変えました。

いつのまにか、配信時間が遅れて、
とうとう、日曜日のお昼が当たり前になってしまいましたので。

毎週末とすると、ちょっと、気が楽になりました(苦笑)。

早いもので、今年、最後の配信になりました。

今年もいろいろあったのですが、
私にとっては、読者の方々と直接、お話する機会が飛躍的に増えたことが、
一番、大きいことだったかなと思っています。

以前に比べて、電話で相談をされる方が増えたこと、
気功教室をスタートして、
現在、数十名の方に受講頂いていること等、
直接、お話することで、いろいろなことを教えて頂きました。

改めて感謝申し上げます。

そして、お顔を見ぬ、大勢の読者の方から、
たくさんの励ましや批判、非難もメールで頂きました。

これらの事が、私たちの原動力になっていることは間違いありません。

たまに、毎週メルマガを配信したり、
サイトを更新することは、経済活動として、
採算が合わないのでは、とのお声も頂きます。

効率的に行動するという"今風"の基準に照らせば、
全く、その通りかもしれません。

ところが、私たちの"幸福観"に基づいて行動するという基準に照らせば、
多くの方々に喜んで頂いたり、
お叱りを受けて、いろいろなことを考えさせられ、
その度に、新たな発見が得られるということは最大の喜びなわけです。

いろいろとありがとうございました。

今年、最後ということで、
ちょっと、調子にのってしまいましたが、
今年は、これにて、失礼いたします!

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妊娠しやすいカラダづくり No.136
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【発行責任者】細川忠宏(不妊カウンセリング学会所属)
【監 修】  西川 浩(医師・心斎橋中央クリニック院長)
       荻田浩司(医師・医学博士)  
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