不安感や落ち込みが初めての体外受精の治療成績に及ぼす影響

ストレス

2009年02月05日

Human Reproduction

初めての体外受精に臨む際の不安や心配、気持ちの落ち込みなどの精神状態は、治療成績に、マイナスの影響を及ぼさないことが、オランダの大学が実施した試験の結果、明らかになりました。

初めての体外受精に臨むオランダの女性783人を対象に、治療を受けることが決定した治療開始の1~2か月前と採卵の1日前に、不安感や気持ちの落ち込みの測定を実施しました。

421人の女性から分析可能な測定結果を得ることが出来た結果、初めての体外受精に際して、不安感や気持ちの落ち込みは妊娠率や治療のキャンセル率に影響を及ぼしませんでした。

研究チームは、体外受精に臨む際の気持ちの状態を無視していいとは言えないが、少なくとも、初めて体外受精を受ける際には、それほど治療成績には影響を及ぼさないこと、また、治療を繰り返しても妊娠に至らないことで、より大きなストレスを感じることで、その後の治療成績に影響を及ぼす可能性があると指摘しています。

いずれにしても、さらなる研究が必要であるとしています。

コメント

ストレスが体外受精の治療成績にマイナスの影響を及ぼすことを確かめたと、これまで、いくつかの報告がなされています。

今回の報告は初めての体外受精に際してのものであることから、研究チームが指摘しているように、治療を受けても妊娠しないことが、度重なることで、より強いストレスを感じるようになるのかもしれません。

いずれにしても、それほど、単純なものではなさそうですが、ストレスが治療成績を悪化させるのではないかと、過度に心配しなくてもよいと言えるのかもしれません。

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