肥満と不妊や不妊治療に関するガイドライン

妊孕性に影響する因子

2007年11月15日

The British Fertility Society

イギリス生殖協会(The British Fertility Society)は、肥満の女性の生殖能力への影響についての新しいガイドラインを発表しました。

要点は以下の通りです。

1)肥満は女性の妊娠する力に大きなマイナスの影響を及ぼします。

2)肥満は自然妊娠率を低下させるだけでなく、不妊治療の治療成績をも低くし、流産や先天性異常のリスクを大きくします。また、エコーによる検査に支障をきたすこともあります。肥満は、母親と子どもの健康に、長期間に渡るマイナスの影響を及ぼします。

3)全ての女性は妊娠を計画する前に適正な体重に近づけるべきです。不妊治療を受ける場合にも、同様に、体格指数(BMI)をノーマルな範囲にするべきです。BMIが35を超えているようであれば、不妊治療のスタートを延期すべきです。患者の年齢が37歳以下であれば、出来れば、治療効果を高め、リスクを低下するべく、BMIを30以下に落とすのが望ましいです。

4)医師は患者に、自然妊娠するうえで、肥満がマイナスの影響を及ぼすことを知らせる必要があります。患者の体重が適正な範囲内でなければ、治療のスタートを遅らせることを検討すべきです。

5)適切なダイエットで、たとえ、体重の5~10%の減量でも、妊娠する力を取り戻すことが出来ます。

協会では、肥満女性が、妊娠、出産という望みを叶え、さまざまなリスクを回避するために、新しいガイドラインを発表したとしています。

コメント

太りすぎが妊娠する力を低くすることは明らかですが、肥満であれば、治療を先送りすることをガイドラインとしなければならないほど、イギリスでは、深刻な問題としてとらえられているようです。

おそらく、日本では、イギリス、そして、アメリカほどではないのかもしれません。

ただ、健全な妊娠と出産のために、そして、もしも、不妊治療を受けるのであれば、その効果を最大限にし、それに伴うリスクを最小限にするために、肥満でなくとも、まずは、セルフケアで身体や心の状態を整えるという発想がとても大切なように思います。

取り組むべきは、妊娠しやすいカラダづくりです。

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