顕微授精出生児の5~8歳時点の神経・筋機能は問題ない

不妊治療のリスク

2007年05月25日

Human Reproduction Vol.22. P.1638-1646

オランダのライデン大学で顕微授精が、出生児の運動機能に関わる筋や神経の複合的・総合的な機能に何らかの影響があるのかを調査するため、1996年から1999年までにライデン大学の病院で出生した子どもを5~8歳時点の神経・筋機能を、顕微授精出生児、体外受精出生児、自然妊娠出生児で比較しました。

その結果、顕微授精や体外受精によって出生した子どもの神経・筋機能は、自然妊娠で出生した子どもと遜色ありませんでした。

コメント

調査の対象の子どもは全て多胎ではなく、一人子だったとのこと。

これまでの調査でも、顕微授精や体外受精で生まれた子どもは、自然妊娠で生まれた子どもと発育状況において、何ら違いは認められていません。

現時点では受精時に体外で胚を操作することそのものの子どもへの影響はないと認識してよいと思われます。

ただし、高度な治療そのものではなく、治療に伴って増える多胎妊娠の健康リスクは明確です。

ですから、高度な治療で留意すべきは、唯一、多胎妊娠の予防です。