マンガンの不足や過剰が男性不妊を招く可能性

男性の妊娠させる力に影響を及ぼすもの

2007年04月28日

Epidemiology March 2007

微量ミネラルのマンガンは精子をつくる働きに深くかかわっているため、不足すると精子の数や運動率が低下するおそれがありますが、過剰なマンガンもまた精液の質を悪化させる可能性があることが、アメリカのミシガン州立大学の調査で明らかになりました。

2003年から2005年の間にミシガンの不妊治療クリニックを訪れた200人の男性を対象に、血中のマンガン濃度を測定したところ、マンガン濃度が高い男性は、通常レベルの男性に比べて、精子無力症の割合が5倍、乏精子症の割合が2.4倍であることが分かりました。

また、血中のマンガン濃度が低い男性も、過剰な男性ほどではありませんが、精子の数や運動率が低い傾向が確認されました。

コメント

マンガンは人間の活動のとって必須のミネラルで、成人は10~20mgのマンガンがを保有し、その半分以上は骨の中に、残りはすい臓や肝臓などにあるとされています。

脂肪と糖の代謝や骨をつくるのに必要で、生殖機能にとっても必須であるとされています。

バランスのよい食事を心がけていれば不足したり、過剰になったりする心配はありません。