環境汚染物質(PCB)と男性不妊

男性の妊娠させる力に影響を及ぼすもの

2005年10月14日

BBC

環境汚染物質であるPCBは精子にダメージを与えるものの、男性の生殖力をそれほど劇的に低下させるものではないようです。

ただし、PCBは、既に精子の質が低下している男性には、男性不妊にさせるに十分な影響力があると注意を促しています。

人工の環境汚染物質は環境中に広く存在しています。

このほど「Human Reproduction」に掲載されたヨーロッパ全域を対象とした調査は、700名の男性の精子を試験しました。
それは、ポーランドのワルシャワやウクライナのハリコフ、グリーンランドのイヌイット、そして、スウェーデンの漁師の男性への環境汚染物質の影響を調査したものです。

遺伝的なダメージをを証明するために対象者の精液サンプルを分析し、PCBの曝露レベルを調べるために血液検査を実施しました。

その結果、イヌイット以外のヨーロッパ地域で、PCBの曝露によると思われる精子への遺伝的な損傷が確認されました。

全体として、平均10%の精子の遺伝子に異常がみられましたが、対象者となった男性は生殖力においては正常でした。

生殖能力は、精子の遺伝子の損傷が20%程度から低下し始め、30~40%になると不妊となります。

研究に携った研究者は、他の要因で精子の損傷を受けている男性によっては、PCBは、相乗作用によって、男性不妊の引き金になるのではないかとしています。

また、今回の調査ではPCBのほかに、殺虫剤のDDTからできるDDEの影響も調査しましたが、精子のDNAへの影響はみられませんでした。

コメント

PCBやDDT等の環境ホルモンとよばれる環境汚染化学物質は、男性不妊の原因になっているのではないかと、以前より懸念されていましたが、いずれも確かな証拠はなく、グレイなものでした。

今回の発表は、PCBがどのように男性不妊に影響を及ぼしているのか、より突っ込んだ見解を示しています。

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