喫煙は女性の生殖期間を10年縮める

妊孕性に影響する因子

2005年04月08日

Human Reproduction Vpl.20, Issue7, P.1867-1875 2005

喫煙が体外受精の成功率に大きく影響を及ぼすことを明らかにしたオランダの調査研究結果が、このほど、生殖医療専門誌「HUMAN REPRODUCTION」に発表されました。

調査は、初めて体外受精に臨む、約8500人の女性を対象に行われたもので、20才から45才、平均の年齢は32才で、何らかの不妊原因がある女性もいますが、ほとんどは、原因不明の不妊と診断されています。そして、43%が喫煙者でした。

結果は、喫煙女性の妊娠、出産する割合は、28%も低いものでした。そして、この低下率は、ちょうど、年齢による妊娠率の、20才から30才への低下率と同じ割合でした。

このことから、喫煙は、女性の生殖年齢を10歳老けさせることになると言えます。

また、流産の割合も喫煙女性では21.4%であったのに対して、タバコを吸わない女性では、16.4%でした。

もしも、不妊に悩む女性で喫煙の習慣があるのであれば、禁煙するもとで、妊娠する可能性が高まるものの、
禁煙してどのくらいの時間がたてば、タバコの害を取り消せるものなのかは分からないとしています。

コメント

喫煙が、不妊治療の治療成績を悪化させることは、これまでにも多く報告されていますが、今回の調査報告は12年間に渡って、約8500人の女性を対象とした大規模なものです。

もはや、不妊に悩む女性であれば、禁煙は必須なのですが、調査では、1年間、1日に1本以上の喫煙としていますので、少ない本数であれば良いということでもなさそうです。