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VOL.693 日本の不妊治療が妊娠しにくい根本的な理由

2016年09月25日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.693 2016/9/25
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今週の内容__________________________________________________________

・今週の必読記事: 日本の不妊治療が妊娠しにくい根本的な理由
・今週の更新記事
・最新ニュース解説:精索静脈瘤の治療で妊娠、出産が近づく可能性
・イベント&セミナーのお知らせ
・当社製品&サービス
・編集後記


今週の必読記事______________________________________________________

  日本の不妊治療が妊娠しにくい根本的理由
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妊カラブックガイドでも紹介した書籍、不妊治療を考えたら読む本 〜科学でわかる「妊娠への近道」で詳しく書かれていますが、「日本は、高度生殖医療の実施件数は世界で第1位」である一方で、「1回の採卵あたりの出産率が世界で最低レベル」であり、「妊娠できない不妊治療が大量に行われている」国なのです。

その理由しては、女性患者の年齢が高いこと、卵子提供が一般的でないことなど、致し方ないものもあるのですが、それだけではなく、「効果的な治療がなされていない」ということも大きいというのです。

凍結技術をはじめとして生殖医療技術は世界トップであるにもかかわらず、その技術が必ずしも成果に結びついていないと聞けば、誰しも耳を疑うはずです。

そんな、言ってみれば由々しき状況が今の日本の不妊治療にはあるのです。

ただし、「効果的な治療がなされていない」クリニックばかりではありません。それぞれのカップルに適した効果的な治療を行っているクリニックも、もちろん、あります。要は、患者が「選ぶ」ことが大切なのです。そして、そのためには正しい情報が必要です。

この記事では、冒頭に紹介した本の共著者であり、出産ジャーナリストである河合蘭さんが、なぜ、そんな状況に陥ってしまったのか、そして、自分にあった治療法、すなわち、効果的な治療法を選ぶためのアドバイスがなされています。

まさに!必読です。

▼記事はこちらから。
http://toyokeizai.net/articles/-/135646


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2016年9月24日 最新ニュース
IVFやICSI、TESE前の精索静脈瘤手術は治療成績を改善する
http://www.akanbou.com/news/news.2016092401.html
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2016年9月19日 曇り時々雨、のち晴れますように
生殖物語の書き換え
http://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20160919.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


最新ニュース解説 Sep.2016___________________________________________
 
 精索静脈瘤の治療で妊娠、出産が近づく可能性
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最新ニュースで紹介していますが、精索静脈瘤による男性不妊の場合、手術を受けることで、パートナーの女性への体外受精や顕微授精の治療成績が改善される、また、それだけでなく、無精子症の場合でも、精索静脈瘤の手術を受けることで精巣精子採取術(TESE)での精子回収率が改善されるという研究報告がアメリカ生殖医学会誌に発表されています。

精索静脈瘤が原因の男性不妊であれば、たとえ、パートナーの女性に対して体外受精や顕微授精を行うにしても、精索静脈瘤を手術で治療しておいたほうが、治療成績が高くなるというわけです。

それだけでなく、無精子症で精巣精子採取術を受ける場合でも、精索静脈瘤がある場合は、まずは、精索静脈瘤を手術で治療しておいたほうが精子を回収できる確率が高くなり、その後の顕微授精の成績も高くなるというのです。

以前は、精索静脈瘤の手術の有効性についての議論もありましたが、最近では有効であることが広く知られるようになっていますので、この研究報告でそのことが確かめられることになりそうです。

現在の問題は、精索静脈瘤があることを知らないままに、女性への効果の低い治療が繰り返されているケースがあるかもしれないということです。

■精索静脈瘤とは?

精巣から心臓に向かって血液が戻る静脈は約50〜60cm上にある腎静脈に流入するのですが、通常は弁が機能して上向きの血流だけなのですが、主に弁の機能の低下によって腎静脈から精巣に向かって逆流が起こり、精巣のまわりに瘤(こぶ)のようなものができた状態になります。この状態を精索静脈瘤と呼んでいます。

一般成人男性でも約10-15% に見られますが、男性不妊を受診する男性ではの約30-40%にみつかると言われています。

■精索静脈瘤と男性不妊

精索静脈瘤によって精巣の温度が上昇し、精子をつくる働きが低下し、精液検査の結果が悪く(精子濃度や運動率の低下)なったり、酸化ストレスが上昇し、精子の質が低下(精子DNAフラグメンテーション率が上昇)したりして、男性不妊の原因になります。

■精索静脈瘤の検査と治療

検査は、主に触診やエコーによります。静脈瘤の程度はグレード1から3の3段階で診断され、グレード3がもっとも重症です。

治療は手術療法です。ただし、手術による改善効果は精索静脈瘤の程度や患者により異なる場合があるので、経験豊富な男性不妊の専門医による診断が不可欠です。

■精索静脈瘤があるとパートナーの女性への治療成績が低下する

原因不明の乏精子症や精子無力症の場合は、原因不明ということで男性側への治療の施しようがないため、男性不妊の程度に応じてパートナーの女性に対して人工授精や体外受精、顕微授精を行い妊娠を目指すのが一般的です。

ところが、精索静脈瘤があると精子の数や運動率だけでなく、精子の質まで低下してしまう、すなわち、精子DNAの損傷率が高くなってしまうことから、パートナーの女性に体外受精や顕微授精を行っても、妊娠率が低くなり、流産率が高くなってしまうと考えられています。

■男性不妊専門医の診察を受けることが必須

精索静脈瘤は、ほとんどの場合、自覚症状がありません。そのため、精索静脈瘤があるにもかかわらず、放置したまま、パートナーの女性への顕微授精が繰り返されているものの、妊娠に至らない、もしくは、流産を繰り返してしまうというケースが起こり得ます。

そのため、精液所見が悪い場合は、必ず、男性不妊専門医の診察を受け、適切な治療方針を決定することがとても重要になってきます。

その結果、精索静脈瘤に対して適切に対処することで、自然妊娠やステップダウンが可能になったり、体外受精や顕微授精でも、少ない回数で妊娠、出産に至ることが期待できるようになります。

■自ら治療環境を求めることも必要なことも

このように精索静脈瘤は治療可能な男性不妊原因なのですが、現在の日本では、必ずしも、男性不妊専門医の診察や必要な治療が受けられる環境が整っているとは言い難い状況にあります。

もしも、通院しているクリニックで男性不妊専門医が担当する外来がなければ、サイトなどで男性不妊専門医に関する情報を集め、男性不妊の診察や治療を受ける努力が必要とされるのが現実です。

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記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
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編集室からのお知らせ______________________________________________

・イベント&セミナー開催情報

10月2日 Fine祭り2016 全国おしゃべり会special in 大阪
http://www.akanbou.com/seminar/20161002-4423.html

10月2日「妊活」についてのシンポジウム(栃木県)
http://www.akanbou.com/seminar/20161002-4401.html

10月6日 Fine祭り2016 全国おしゃべり会special in 東京
http://www.akanbou.com/seminar/20161016-4424.html

10月30日 夫婦の困難 どう乗り越える?第2回 流産・死産を乗り越えて
http://www.akanbou.com/seminar/20161030-4432.html


当社製品&サービス________________________________________________

・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
 http://babyandme.jp/

・翻訳書:妊娠しやすい食生活
 http://www.akanbou.com/shoku/

・妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
http://www.akanbou.com/bookguide/


編集後記____________________________________________________________

季節の変わり目特有の不安定な天候が続きますが、実りの秋、"実り"のエネルギーを、私たちの身体に取り入れ、パワーにしたいものです。

そのためには、「旬の食材」を食べることです。

サンマをはじめとして、果物ではいちじく、なし、くり、ぶどう、野菜では、里芋、しいたけ、チンゲン菜、さつまいも、等々。あと、きのことか銀杏もいいですね。

品種改良されたり、ハウスもので、旬の感覚は希薄になったかもしれませんが、食材が持つパワーや味は、やっぱり、本来の季節に収穫されたものが一番だと断言できます。

せっかく、美味しく、滋養に溢れる食材が出回っているのですから、それをいただかないというのはもったいないものです。

旬を美味しく!ですね。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.693
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com/
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・合計部数: 5,524部(9月25日現在)
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