冷えないカラダのつくりかた

2008年01月28日

皆さん、ご承知の通り、妊娠を目指すうえで、身体を冷やさないことほど大切なことはありません。

たとえ、体外受精等の高度な不妊治療でもこのことは例外ではありません。身体を温め、血流をよくすることは、妊娠する力のある受精卵を得たり、胚移植後の着床率や妊娠継続率を高めるためのキーです。

ですから、特に冬場の外出時には、防寒対策を万全にしたり、身体が温ま食べ物を食べ、身体が温める飲み物を飲み、とにかく、身体を、"外から、内から"温めることが必須です。

最も効果的な冷え対策を考える

ところが、身体を、"外から、内から、温める"という方法は、即効性がありますが、一時的、依存的なものです。

ですから、そのような"他力本願的な冷え対策"だけでなく、身体が、自らの身体を温める、いわゆる、"自力で"冷えを撃退することが、実際のところ、最も効果的な冷え対策になるはずです。言い換えれば、対症療法だけでなく、根治療法が必要だということです。

ただ、どうも、世間で、盛んに言われている冷え対策は、"受身的で対症療法的"な冷え対策に偏りがあるように思えてなりません。それだけではバランスを欠きます。自ら"能動的"に、冷えない身体、温かい身体をつくることが大切です。

まずは、身体が温かくなるメカニズムを知ることから

私たちが毎週土曜日に開催している「ファーティリティーレッスン」では、セルフケアで、妊娠しやすいカラダをつくる際に、"頭で原理原則を理解"して、"身体で試行錯誤"しながら自分の適切な方法を見つけることを、基本的な考え方としています。

ですから、自ら、冷えない身体をつくるために、まずは、身体が温かくなる原理(メカニズム)を知っておきましょう。

身体の温かさのもとになる熱はどのようにしてつくられるのでしょう。私たちは、糖や脂肪などのエネルギー源を酸素で燃やすことで、エネルギー(ATP)を産生していますが、その際に、熱を放出しています。そして、細胞が、そのATPを利用する際にも熱が発生します。熱は、エネルギーを"産生"し、それを"利用"する過程で放出されるということです。

最も大量に熱を産み出すのは筋肉

私たちは、全身の細胞で、常に、エネルギーを産生しているのですが、その働きや役割の違いから、
それぞれの場所(臓器)によって、熱の放出度合いには、バラツキがあります。通常、体温と呼んでいるのは、それぞれの臓器が産み出す熱の平均値です。

そして、それらの臓器の中で、最も大量に熱を産み出すのは"筋肉(骨格筋)"です。骨格筋は、体重の35~40%を占める最大の臓器です。

冷え症の根治療法=能動的な冷え撃退法とは?

私たちの身体の温かさのもとになる熱がつくられる原理を理解したところで、いよいよ、その熱の産生を高めるための具体的な方法、すなわち、冷え性の根治療法を考えて行くことにしましょう。

[1]たんぱく質の豊富な朝食を食べる

私たちは食べてエネルギー代謝していますから、食べると身体が温まるのはそのためです。体温が最も低下するのは夜中の2時、3時、そして、明け方から徐々に上がりはじめます。ですから、冷えないカラダをつくるためには、朝、起床時の低い体温を、スムースに上昇させなければなりません。

そのためには、朝食をしっかりと取ることです。それも、たんぱく質の豊富な朝食です。なぜなら、意外かもしれませんが、糖質や脂肪よりたんぱく質の多い食事をとったときのほうが、熱の産生がより高くなるからです。そんな観点からも、納豆に卵、焼き魚という和朝食は理想的なのです。根菜の豊富なみそ汁がつけば完璧!です。

反対に、コーヒーにトースト、生野菜というメニューは、内臓を冷やしてしまう恐れがあります。

[2]複式呼吸法で新鮮な酸素を取り入れる

エネルギー代謝の効率を高めるためには、新鮮な酸素を十分に取り込むことも、また、大切なポイントです。酸素が十分でないと、不完全燃焼になってしまいますから。

そのために、1日に何回も複式呼吸法を実践することです。

[3]筋力をつける

身体の中で、最も大量に熱を生み出すのは筋肉です。皮肉にも、脂肪は、熱を産生するエネルギー源になるのですが、脂肪そのものは、熱を産み出すことはないのです。ですから、脂肪を燃やして、筋肉をつけることが、温かいカラダをつくるわけです。

つまり、筋量を増やすことで、基礎代謝が高まることで、放出する熱量も大きくなるということです。

[4]よく動く、そして、ひたすら、歩く(目安は1日1万歩)

身体の中で一番冷えるところはなんと言っても足でしょう。足は心臓から一番遠いので、心臓から送り出された温かい血液の巡りが悪くなりがちだからです。歩くことで、下半身をはじめとする筋肉から熱が産生され、なおかつ、足の筋肉をがポンプになって、血流をよくしてくれます。

その際のポイントは太ももとふくらはぎです。太ももをより動かすには、階段の上り下りのような動きが効果的です。また、ふくらはぎは、足先を上下に動かすのが効きます。

よく動く、ひたすら歩くこと、そして、補助的にストレッチを朝晩欠かさずやると完璧です。

冷え対策の"柱"

いかがでしょうか?身体を熱を生み出すメカニズムさえ理解してしまえば、あとの実践方法は、自分にあったものを工夫すればよいわけで、上にあげた方法だけではありません。

まあ、簡単に言ってしまえば、

・和朝食をしっかりと食べる、
・複式呼吸で新鮮な酸素を十分に取り込む、
・そして、適度に運動して、
・筋力をつけるということですね。

これが、冷えにく身体、つまり、自ら温かい身体をつくる方法で、冷え症の根治療法と言えるでしょう。