本当に私は妊娠できるのでしょうか?

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本当に私は妊娠できるのでしょうか?

初めまして。私は結婚して2年2ヶ月の30歳です

昨年の5月に子供が欲しくて婦人科に通い始めました。
婦人科では基礎体温をつけるように言われただけで、先生に妊娠できますか? と聞いても、いつかできるでしょ。とあっさり答えるだけで他に何の治療もして頂けず、半年が経ち時間ばかりが過ぎて行くのでは・・・いつになれば妊娠できるのか・・ と思い、昨年の11月に不妊治療専門のクリニックへ転院しました。

タイミングの指導をして頂き、基礎体温の高温期が10前後と少し短いことから、排卵の後にはデュファストンを5日間ほど服用していました。
卵管造影でも問題はなく先生からも期待できますね、とのお言葉を2度程言っていただいたにも関わらず、4ヶ月程同じように治療をしましたがやはり妊娠にはいたりませんでした。期待していた分その時かなり落ち込み、禁煙していたのもやめてしまいました。

そして現在通院しているクリニックへと転院し、現在はデュファストン、セキソビット、HCGのホルモン剤を使用しながらタイミング療法を続けています。
こちらのクリニックでは黄体期のホルモンが少し足りないとのことで、生理3日目の黄体ホルモンはエストラジオールが113、プロジェステロンが6.3という結果でした。

フーナーテストは毎回のように良い結果なので、人工授精をしてもさほど今と妊娠率は上がらないとのことで、7ヶ月間こうやってタイミングをみていますが、まだ一度も妊娠していません。

主人は人工的な治療をあまり快く思っていないらしく、私の治療の話にもあまり耳を傾けてくれません。
一人で一生懸命になっているのが正直かなり辛いのです。
周りからそのうち出来るよ。と軽く言われると余計に落ち込み、誰も私の気持ちなどわかってはくれないのが日々辛いのです。

本当に私は妊娠できるのでしょうか?
人工授精をしても本当にあまり現在の治療と妊娠率はかわらないのでしょうか?
現在はまた禁煙中です。

お名前:かず  性別:女性  年齢:30
結婚歴:2年  不妊期間:1年8ヶ月  不妊治療期間:1年0ヶ月
これまでに受けた検査:ホルモン検査/精液検査(ご主人)/子宮卵管造影/フーナーテスト  これまでに受けた治療:タイミング指導/ホルモン療法(クロミフェン等の薬の服用)/ホルモン療法(HMG・HCG等の注射)

Answer【回 答】妊娠しやすいカラダづくり 細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)

ご心配のことと存じます。いくつかの病院を変わられて、いろいろ努力しているにもかかわらず、なかなか結果が出ないとなれば、一体、この先、どうすればよいのか途方に暮れてしまいますよね、当然です。

さて、かずさんには、2つのことをお話しさせてもらうことで、多少なりとも、この先、どうされるのがよいのか、 考える道筋を整理してもらえればと思います。

それは、ステップアップという不妊治療はどういうものなのか、ということと、ご主人との関係です。

まずは、不妊治療における"ステップアップ"です。

例えば、両側の卵管が閉塞しているとか、排卵が全く起こらないとか、はたまた、ご主人に精子が全くないとか、そんな不妊の原因の明確なケースは、治療方針に悩む必要はありません。なぜなら、原因が明確であれば、必要な治療もまた、明確であるからです。

ところが、絶対的な原因がない場合はどうでしょうか?
はじめに通われた婦人科のように、治療の仕様がないですよね、お分かりいただけると思います。

何の問題もないカップルでも1周期あたりの妊娠率は20%程度と言われています。
ですから、数ヶ月くらい、妊娠しないとしても、確率の問題としては十分にあり得ます。

ただし、それでも、1年以上、妊娠しないとなれば、もしかしたら、何らかの原因があるにもかかわらず、見つけることが出来ていないということも可能性として出てくるわけです。

そんな場合でも、ご夫婦が、子供が出来なくても、それは、それでしょうがないというお考えであれば、そのまま、いつかは、という淡い期待を持ちつつ、自然にまかせておけばよいのですが、お子さんを望まれる気持ちが強く、医学の力を借りてもなんとか妊娠を目指したいということであれば、治療を受けることになりますね。

ここで、さきほどの問題に直面します。

原因が分からないなかで、どんな治療を施せばよいのか、という問題です。
不妊の診断は本当に複雑です。原因を特定するのはとっても難しいことです。
そこで、採用されているのが、ステップアップという治療の考え方です。

かずさんの場合は、薬で卵巣を刺激することも併せて、タイミング指導を1年近く受けてきたわけですから、そろそろ、排卵やセックスのタイミングの問題ではなく、なんらかの原因があるのではと考えてもよい頃かもしれません。要するに、ステップアップを考えるべき時期ということです。

ここまでは、おそらくご理解されているのではないかと思います。

さて、ステップアップする治療として、人工授精が妥当な治療かどうか、という問題ですね。

一般的には、タイミング指導の次は人工授精です。
ただし、どんなカップルにもマニュアル的に治療の順番が決められているわけではありません。

かずさんの場合、主治医が指摘されるように、フーナーテストが良好な場合は、人工授精を受けてもさほど意味がないと考えるべきなのか、これは、専門医でも意見が分かれるところではないでしょうか。

人工授精というのは、ご承知のように、子宮頸管をバイパスさせて、精子を子宮に送り込むわけですから、フーナーテストが良好であるということは、精子が自力で、問題なく、頸管から子宮へと到達できていると判断して、わざわざ、バイパスさせてやる必要はないというお考えなのでしょう。
理屈の上ではその通りです。

ただ、原因が不明な場合でも、約15%は人工授精によって妊娠すると言われています。

もしも、人工授精は必要なしという考えに立てば、次は、体外受精にステップアップするということになります。

体外受精となると、これまでの延長線上の治療ではなく、治療のレベルが全く異なります。
要するに、カラダにかかる負担や費用の負担もとても大きくなるということです。
ここをよくよく考える必要があります。

カラダへの負担や様々なリスク、高額な費用は覚悟の上で、比較的、妊娠率の高い(20数%)と言われる体外受精にすぐに移行するのか、もしくは、出来るだけ身体への負担や経済的な負担の軽い治療で妊娠を目指すという考えを堅持して、高度な治療に移行する前に一般的な治療である人工授精を数回、受けてみるのか、このあたりをどのように考え、判断するかです。

治療方針を考える場合、母親となる女性の年齢を考慮に入れなければなりませんが、かずさんの場合は、30歳ですから、まだまだ、それほど焦る年齢ではありません。

いかがでしょうか?

そして、2番目のテーマである、ご主人との関係が治療方針を考える場合、とっても大切になってくるのです。

どんな治療を、どこまで受けるのか、これは、ご夫婦にとっての価値観や生き方にかかわる問題だからです。

かずさんによれば、ご主人は、人工的な治療をあまり快く思っておられないとか。
不妊治療を受ける上で最も大切なのは、お互いの理解と協力です。

どんな治療をどこまで受けるのかも、お二人の考えがある程度、一致しないことには結論が出しづらいものです。
決して、確率論や経済的な観点からだけでは決められないからです。

やはり、じっくりとお話しあいになって、お互いの考えや気持ちをすり合わせることが大切だと思います。

いかがですか、少しはお考えが整理できたでしょうか。

ご主人と互いに協力し、うまくご希望が叶えられることをお祈りしています。

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