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VOL.1182 カフェインと妊娠しやすさとの関係

2026年02月22日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.1182                2026/2/22
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今週の内容__________________________________________________________

・最新ニュース解説:カフェインと妊娠しやすさとの関係
・編集後記

最新ニュース解説 Feb. 2026__________________________________________

カフェインと妊娠しやすさとの関係
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カフェインと妊娠しやすさについて、最新のシステマティックレビュー(これまでの研究結果をまとめた論文)では、1日200mg~300mg程度の量であれば、不妊症のリスクを高めるというエビデンスは見当たらない、ただし、 1日500mg(コーヒー約5杯分)を超えるような量の摂取は、妊娠に至るまでの期間が長くなる可能性や、排卵への悪影響が懸念されるかもしれないとの見解を示しています(1)。

カフェイン摂取量と妊娠しやすさとの関係については、これまで多くの研究がなされています。ただし、相反する結果が報告されていますので、それらの研究結果を統合する価値があります。

その結果、「適量なら、おそらく問題はないけれども、取り過ぎは悪影響が出るかもしれない」ということになるようです。

◎これまでの研究
・EAGeR研究二次解析
低用量のアスピリン投与の出生率への有効性を調べた大規模な多施設二重盲検無作為比較対照試験(EAGeR試験)の二次解析として行われた研究です(2)。

過去に流産経験がある不妊症ではない女性1228名(18~40歳)を対象に血液中の3種類のカフェイン代謝物(カフェイン、パラキサンチン、テオブロミン)と自己申告によるカフェイン入り飲料の1日あたりの摂取量と半年間で妊娠するまでにかかった期間から算出した妊娠率との関係を調べています。

その結果、カフェイン代謝物血中濃度で3つのグループに分け、摂取量が最も少なかったグループと最も多かったグループの妊娠率は、3種類とも差はありませんでした。

また、カフェイン入り飲料の摂取量でも、全くの飲まない女性に比べて、1日に1杯、1から2杯、2から3杯、3杯以上飲む女性との妊娠率にも差は見られませんでした。

このことから妊娠前のカフェイン飲料は1日に1から2杯程度の少量から適量であれば妊娠しやすさに影響しないことがわかりました。

・デンマーク・オーフス大学の研究
この研究では、コーヒーの摂取量と人工授精や体外受精の治療成績との関係を調べています(3)。

人工授精1511周期では1日にコーヒーを1~5杯飲む女性は飲まない女性に比べて、妊娠率、出産率ともに有意に高かった一方、体外受精2,870周期と凍結融解胚移植1355周期では1日のコーヒー摂取量は治療成績への影響はみられず、人工授精ではコーヒーの摂取が治療成績によい影響を及ぼす可能性があることが示唆されています。

・ハーバード大学・EARTH研究
300名のART女性患者の治療前1年間のカフェン摂取量と493治療周期のART治療成績との関係を調べています(4)。

それによると1日200mg未満のカフェイン摂取は治療成績には影響を及ぼさなかったとのこと。

・ハーバード大学・Nurese' Health Study 2
妊娠前のカフェインやカフェイン入り飲料の摂取量と妊娠後の流産リスクとの関連を調べていますが、妊娠前の1日に4杯以上のコーヒーは、妊娠後の流産のリスク上昇に関連するとの報告がなされています(5)。

11,072名の女性看護師の15,590の妊娠例で、妊娠前のカフェイン摂取量と流産リスクは相関し、1日に400mgのカフェインを摂取していた女性は50mg未満だった女性の比べて、流産のリスクが1.11倍、妊娠前に1日に4杯以上コーヒーを飲んでいた女性は全く飲まなかった女性に比べて流産のリスクが20%高かったとのこと。

◎カフェイン飲料の摂取について
アメリカ生殖医学会は、不妊治療のドクター向けに、患者さんに生活習慣についてのアドバイスをするためいまとめた「Optimizing natural fertility」を委員会見解として公開しています(6)。

それによると、「過度のカフェイン摂取(一日5杯のコーヒーまたはそれに準じるもの)は妊娠を妨げ、妊娠中は一日200-300mg(一日2、3杯のコーヒー)のカフェイン摂取は流産のリスクを高めるものの、先天異常のリスクとは無関係である。」とあります。

妊娠前のカフェイン飲料摂取は、1から2杯程度の適量であれば、妊娠しやすさには、それほど影響しないものの流産リスクには影響を及ぼす可能性があるようです。

そのため、妊娠後は控えるのが無難です。

また、大切なのは量です。

因みに、飲み物別のカフェイン含有量は以下の通り(全日本コーヒー協会)です。

・レギュラーコーヒー浸出液 約 60mg
・インスタントコーヒー 約 60mg
・玉露 約 160mg
・煎茶 約 20mg
・紅茶 約 30mg
・ウーロン茶 約 20mg
・コーラ飲料 10~13mg

コーヒーだけでなく、緑茶や紅茶、コーラなどにも含まれます。


文献)
1)Pol Merkur Lekarski. 2025; 53: 423
2)Am J Clin Nutr. 2022; 115: 1227
3)Fertil Steril 2019; 112: 120
4)Hum Reprod 2017; 32: 1846.
5)Eur J Nutr. 2018; 57: 107.
6)Fertl Steril 2022; 117: 53
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編集後記____________________________________________________________

大切なのは適切な情報ですね。

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編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
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